二次創作小説(映像)※倉庫ログ

黒翡翠の逆襲 ( No.390 )
日時: 2015/08/10 17:50
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: /48JlrDe)

夏休みのとある日、ラピストリア学園倒壊事件から暫く経ち、ここ、元BEMANI学園校長室を改造して作り上げられたBEMANI学園神の部屋にて…。

「あー、暇ー。ポップンしてー。パーティーしてー。理乃の作った菓子食いてー。」
「うるさいよ、MZD。仕事が山積みなのに何言ってんの。」

MZDの机には山のような書類があふれており、溜息をついた。

「だってー。お前らに任せたい仕事なのに何でオレがやってんのー? 普段なら聖域でぐーすか寝てるのにー。」
「はぁ…。」

ジェイドはMZDを叱り付けるも、そう返されたので溜息をつくしかできなかった。

「ごめんね、ジェイド、ジェダイト。この馬鹿が。」
「もう慣れた…。」

影がジェダイトの近くで謝罪をすると、彼は頭を押さえて溜息をつくしかできない。

「ねー馬鹿神。そろそろいい加減に真面目に仕事しようよ。じゃないとここから叩き出すよ。」
「でも仕事したくねぇ。はー、何か茶菓子が食いてぇ…。」

そんな言葉を零すMZDの期待に答えるかのように、ドアがノックされた。

「ん? 誰だ?」
「やっほー、パステルくんだよー! ジェイドとジェダイトと影に差し入れだよー!」

どうやらパステルくんが差し入れにやってきたようだ。ジェダイトは丁重に扉を開け、招き入れると、確かに丸いお耳が特徴のネズミ、パステルくんがいた。

「えっと、君は?」

どうやらパステルくんとは初対面なのか、ジェイドが首を傾げながら聞いた。

「ボクはパステルくん! リフレクの元締め兼マスコットのネズミさんだよー!」
「別名氷海のペット」
「氷海とはお友達だよー。ペットとご主人様じゃないよー。」

MZDが何かをほざいたので、パステルくんはすかさず訂正をしておいた。

「へー、リフレクの元締めさんか。可愛い元締めさんだね。」
「えへへー、よろしくね! じゃあさっそくおやつにしようか!」

そう言ってパステルくんはいそいそと差し入れであるモンブランを用意し、皿に乗せた。

「ジェダイト、紅茶を用意して。」
「わかった。」

ジェイドに指示されたジェダイトは、書類仕事を中断し、そそくさと紅茶を用意しに行った。
その間に、モンブランを用意し終えたパステルくんがジェイドと影に配り、ジェダイトの分をとっておく。

「おい、オレには!?」

だが、MZDの分がない。

「ごめんねー。頑張った人の分しかないんだー。」
「えーっ! …仕方ねぇ。なんか買ってくるよ…。」
「そう言って抜け出して、また聖域で昼寝するつもりでしょ! ダメだよ!」
「しねぇよ! ただ何か買ってくるだけだって。」

そう言ってMZDは出て行った。勝手に。

「はぁ…。」
「あれ? どうしたの?」

モンブランを口にした後に溜息をついたジェイドに、パステルくんは声をかける。

「実はね、MZDは普段から『おやつ食べたい』とか『パーティーやりたい』とか、そんな事ばかり言って全然仕事を片付けてくれないんだ。」
「困ったね〜。その分だと、昴さんと足して2で割っても、いい結果が出ないかも。…あっ、そうだ! いい事思いついちゃった!」

ぽんっ、と手を打つパステルくんに、ジェイドは首を傾げた。

「なになに?」
「オシオキして懲らしめちゃおう!」
「オシオキ?」
「あのね〜。」

パステルくんは今までのオシオキを、経緯やその他諸々含め、洗いざらいジェイドに話す。話を聞いていくうちに、ジェイドの目は輝きだし、ジェダイトの顔が微妙に死んでいく。

「それは面…効果がありそうだね!」
「反省させるのが目的だから、楽しむためにやる訳じゃないよ〜。」

だが実際に反省させる為にやっている為なのに反省しない輩がいる上に、パステルくん自身もどこか楽しんでいる節がある気がするので、その点は疑問が残るが、影はそっと流しておく事にした。

「それだと子供をいじめる大人と変わらないよね。分かってるよ。あくまで懲らしめるだけだよね。」
「うん!」

どうやら、MZDを懲らしめるという形で落ち着いたようだ。

「それで、どんな悪…方法で懲らしめようか?」
「あのね〜。ゴニョゴニョ…。」
「すごいね! それなら、ゴニョゴニョ…。」
「その発想はなかったよ〜!」

一人と一匹は、暫く悪巧み…いやいや、オシオキの案を出していく。それは次から次へと、まるでポップコーンがはじけるようにPONPONアセロラと、ひとつ、ふたつと出てくる。
その間にそれを眺めているジェダイトの顔が完全に死んだのは、誰も見ていない。内容はわからないが、ろくな事でないのは、ジェイドの顔を見ればわかる。

「さぁて、パステルくん、キミも手伝ってくれるよね?」
「もっちろ〜ん!」
「ふっふっふっふっ…。」
(…あの一人と一匹は何を企んでいるんだ…?)

ジェダイトは現実逃避というかそんなジェイドを見ないように、モンブランと紅茶を机まで持っていき、仕事へと逃げる。
その間にも、ジェイドとパステルくんは怪しげな雰囲気になっていき、そしていつの間にかどこからか取り出したかわからない着物のような物をいつの間に着ていた。

「時計屋、主もワルよのう。」
「理事長様こそ。」
(どこで覚えた!?)

小さな子供が知らなさそうなやりとりを聞いたジェダイトは、二人の将来を心配したとかしなかったとか。有名なやりとり故に、漏れ聞きもとい耳に挟んでいてもおかしくないが。

「あー、山吹色のお菓子持ってくればよかったなー。」
「今度の差し入れは小判焼きがいいな。」
「うん、まかせてー!」

とにもかくにも、そんな変な状態のまま時間が流れ、小一時間が経過した時に、ようやくMZDが戻ってきた。
手には、大量のメロンパンとシュークリームを持って。

「ただいまー!」
「お前、それ今すぐ昴の所に返して来い。」

手に持っているメロンパンとシュークリームを見て何かを悟ったのか、影がぴしゃりと告げる。

「えー。昴だって大量に作ってたからいいじゃねぇか!」
「でも本人納得してないでしょ。そのデカいたんこぶが物語ってんじゃん。」

MZDの頭には、大きなたんこぶが三つ。三倍アイスクリーム。

「さっさと返してこないと、あと二つ程そのアイスクリームたんこぶできるよ。」
「えー…。昴ん所にはショートケーキ置いてきたからいいじゃんかよー。」

不満そうな顔をしているMZDだが、一応代わりの物品を置いてきたようだ。

「さて、お前らも食おうぜ! 沢山あるし!」

そう言って勝手にメロンパンやシュークリームを振り分ける。

「そんなに食べられないよー。夕食も食べられなくなるし。」
「氷海に怒られちゃうよー!」
「部活で学校に来ている子達にお裾分けしてこい。それが終わったら仕事を片付けてよね。」

ジェイドとパステルくんはおやつを拒否し、影はお裾分けを強要した。

「ちぇー、何だよー。ジェダイト、食う?」
「いや、私ももういい。」

更にはジェダイトも拒否したので、MZDは部活で学校に来ていた人達に渡したとか。
すぐに戻ってくる、と思っていたのだが…。

「…。」

二十分経っても戻ってきませんでした。

「あの馬鹿、絞める。」

あ、影が指をボキボキと鳴らし始めた。

「まぁまぁ、影。あのサボり癖の強い神様は明日沈むから、今は勘弁してあげて。」
「はぁ…。あ、ジェイド、オシオキの件ならボクも乗る!」
(あぁ、厄介なのを敵に回したな、あの神は。)

悪戯、もといオシオキに賛同した影に、ジェイドは嬉しそうな顔をし、ジェダイトは死んだ目を浮かべた。

「おっけー! じゃあ、今日は僕の家で作戦会議しようよ! あ、パステルくんも一緒にどう?」
「うん、いいよー。」
(…神、合掌と胃薬は後で用意しておく…。)

ジェダイトが同情したところで、全員仕事に戻っていった。
そして、今日の分の仕事が片付いたところで、各々帰宅していった。…ジェダイトの家に。

黒翡翠の逆襲 ( No.391 )
日時: 2015/08/08 21:23
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: lhdE18AB)

翌日。

「あー、あっちーなー…ん?」

神の部屋に来て早々、MZDは散らかった自分の机の上に何かがあるのを見付けた。

「やあ、MZD。そろそろ来る頃だと思っていたよ。」

茶を用意しながら現れたジェイドが、彼の来訪を歓迎していた。

「ほら、昨日パステルくんが用意できなかったお詫びにって、モンブラン作ってくれたよ。」
「おっ、マジで!」

嬉しそうな顔をして、机の上にあった、用意されたモンブランの前に、MZDは座った。

「んじゃ、いっただっきまーす!」

そう言ってMZDはスプーンで一口分掬い、口に含んだ。

「が、がれえぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

と、同時に、ぶはっ、と言うような効果音が似合いそうな程に吹き出し、のた打ち回った。

「な、何だよこれ!? 滅茶苦茶クリーム辛いんだけど!!」
「えー、ただの(クリーム部分がからしの)モンブランだよ。ほら、お茶を飲む?」
「あ、ああ。くれ。」

どうやらモンブランにからしの細工をされていたようで、涙ながらにMZDはジェイドから渡された茶をガブガブと飲んだ。

「がれえぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

と、同時に先程同様吹き出し、火を吹かんばかりに叫んだ。

「な、何だよこのお茶!! 紅茶ではありえねぇ辛さなんだけど!!」
「えー、ただの(唐辛子成分がたっぷり入った)お茶だよ。」

くすくすと笑うジェイド。その笑みが今は悪魔の笑みに見える。

「ほら、早く平らげちゃってよ。それから仕事して。ねっ?」
「食えるかこんなの!!」

そう盛大に叫んで拒否するMZDだが、窓辺にぺったりと張り付いた存在を見て、固まった。

「…。」
「…なんでここにいるんだよ、パステルくん。」

それは、パステルくんだった。心なしか、涙目である。
ジェイドは窓を開けてパステルくんを入れると、腕に抱えてMZDの方を向いた。目と目が合うMZDとパステルくん。初めに口を開いたのは、パステルくんだった。

「ちょっとクリームを作るのに失敗しちゃったけど、もう食べてくれないの…?」
「え、ちょっと? 辛いの入れるのがちょっと失敗!?」
「食べてくれないの…?」

うるうると瞳を濡らし、じっと、じっとMZDを見るパステルくん。その姿に、MZDは何か鋭い槍のようなものが次々にグサグサと刺さる気がした。

「う、うぅ…。」
「食べてくれないの…?」

パステルくんだけでなく、ジェイドまでうるうると瞳を濡らしたものだから、MZDの負けはここで確定した。

「く、食うよ!」

そう言ってMZDは一口でモンブランを食べた。そして…。

「…。ごばぁっ!!」

暫く悶絶した後、盛大に吹き出したとか…。

「はい、MZD、お茶だよー。」
「そっちはもういらねぇよ!! ジェダイト、こいつら止めてくれ!」
(さて、今日も一日忙しくなるな。早めに片付けなければ。)

MZDは知らん顔をしているジェダイトに助けを求めるが、そのジェダイトは完全に我関せずといった状態を決め込んでいた。

「無視か! 仕事の虫か! このワーカーホリックめ!」
(さて、手始めにこの書類を…。)

…もう何言われても無視するつもりのようだ。

「あー、駄目だ、辛い、辛すぎる!」

そう言ってMZDは一目散に廊下にある水道に水を飲みに行った。

「逃げられちゃったー。」
「まだだよ。まだ終わってないからね…。」

怪しげな笑みを浮かべるパステルくんとジェイドの姿は、ジェダイトの視界どころか意識にすらなかった。

黒翡翠の逆襲 ( No.392 )
日時: 2015/08/08 21:35
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: lhdE18AB)

時は流れ、いつしか昼食の時間になっていた。

「あ、もうお昼だね。」
「おー、もうそんな時間か。んじゃ、飯にしようぜ。」

そう、MZDが宣言すると、三人でテーブルに移動する。

「あ、MZD。今日は僕がご飯作ってきたの。食べて!」

MZDが適当に買ってきたコンビニのパンを食べようとした時、ジェイドがそう言ったので止めた。

「へ? お前が?」
「うん! はい、これ! チンして食べよ!」

そう言って出したのは、たこ焼きの入った耐熱容器のお弁当箱。ジェイドはそそくさと電子レンジの中にそれを放り込み、温めた後に持って来た。

「はい、MZDの分。食べて食べて!」
「おう、いただくぞ!」

和やかムードのMZDとジェイドだが、そのお弁当の正体を知っていたジェダイトは死んだ目でお手製の海苔弁当を食べていた。

(…あのお弁当というか、たこ焼きは…。)

MZDはひとつ、口に含む。そして…。

「ぐぎゃあぁぁぁぁぁっ!! かれえぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

盛大に悶絶した。

「どうしたの? そんなに美味しかった?」

MZDが悶える横で、ジェイドは平然とたこ焼きを食べた。

「え…。お前、辛くねぇの?」
「辛くないよ? 何を言ってるの?」

きょとん、と首を傾げるジェイドに、ジェダイトは卵焼きを口に含みながら眺めつつ、

(あれは全てデスソースが入ってないものだな。あのロシアンたこ焼きを考え付くとは、ジェイド、恐るべし。)

そう考えていた。
どうやらあのたこ焼きはロシアンルーレットのようになっており、辛い物と普通の物があるようで…辛い物は全て、MZDの元にいったようだ。

(しかし、これでは…完全にイカサマではないだろうか。既に結果は見えている意味で。)

もぐもぐと今度は肉じゃがを食べながら、悪魔の笑みを浮かべるジェイドを見ていたジェダイトでした。

「そんなに気に入らないなら、お茶でも飲んでお口直ししたら?」
「また辛いお茶じゃねえだろうな。」
「もう辛いお茶は入れないよ。」

ジェイドの言葉を信じ、MZDは出されたお茶を飲む。だが…。

「あばばあぁぁぁぁぁっ!!」

またまた吹き出し、悶絶したとか。

「に、にげえぇぇぇぇぇぇっ!!」
「え? 苦い? ただの(罰ゲームでおなじみのセンブリ)茶だけど。」

どうやら先程差し出されたお茶は、ひたすら苦いことで有名なセンブリ茶のようだ。

「げほっ、ごほっ、ごほっ! ふ、普通のお茶はねぇのかよ!」
「ごめんね、今はこれしかないんだ。丁度茶葉を切らしちゃって。」
「だからって、苦いだけの茶の葉なんて置いとくなよ! 本当に飲むつもりだったのか、コレ!?」
「良薬口に苦し、だよ。」

ぴしゃりとMZDの言葉を一刀両断するかのように言うジェイドに、もうMZDは何も言えなかった。

「あー、もういいよ。…オレ、外で飯食ってくる。」

MZDはそう言って、窓から外に飛び出していった。

「おやつの時間までには帰ってくるんだよー!」
(ジェイド、お前はどこの母親だ…。)

手を振りながらMZDを見送るジェイドに、ジェダイトはそう思ってしまったとさ…。

黒翡翠の逆襲 ( No.393 )
日時: 2015/08/08 21:41
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: lhdE18AB)

そして、更に時が経ち、いつしかおやつの時間になっていた。

「おーっし、おやつにしようぜー。」

そんな時間を見たMZDは休憩と称しておやつを取り出そうとする。

「大して働いていないのに、お疲れ様。さっき貰った飴玉なんだけど、いる?」
「おう、いる!」
(…懲りない奴だな…。)

どう考えても罠にしか見えないのに、色とりどりの飴玉の詰まった瓶を受け取るMZDに、ジェダイトは何も言えなかった。

「じゃあ、僕から選んでいい?」
「おう、いいぜ。」
「ありがとう!どれにしようかなー。」

ジェイドは瓶に手を突っ込み、飴玉をつまんで取り出した。

「お、紫色の飴玉か。 グレープ味か?」
「そうかもね。 さあ、早く選んで。」
「おう、どーれーにーしーよーうーかーなっと。」

そう言いながらも取り出したのは、オレンジ色の飴玉。

「オレンジ味かな。んじゃ、いっただっきまーす!」

MZDはその飴を口に含む。まぁ、もちろんの事だがこの飴にも細工してあるので…。

「すっぺえぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

案の定悶絶しました。お前そろそろいい加減に罠だと気づけよ。

「え? そんなに酸っぱいの?」

口の中でコロコロと飴玉を転がしながら、ジェイドは首を傾げた。

「な、何だよこれ! すっぺぇよ! あー、口の中がおかしいんだけど…。」
「ちょっと待っててね。冷蔵庫に何かないかな? …あった!」

ジェイドは冷蔵庫からオレンジのパッケージの紙パックを取り出し、コップに注いだ。

「おい、酸っぱい思いをした傍からオレンジジュースかよ…。」
「大して酸っぱくないから大丈夫だよ。 はい。」

苦々しそうな表情をしたまま、MZDは差し出されたオレンジジュースを飲む。

「ぐぎゃあぁぁぁぁっ! あ、あめえぇぇぇぇぇぇっ!!」

だが、案の定悶絶。どうやらこれはかなり甘いようだ。

「ごへっ、げほぉっ…! な、何だよこれぇ…。」
「ジュースだよ? 酸っぱくないでしょ?」
「すっぱくはねぇけどあめぇよ!! 何入れたこれ!」
「え? ただの(大量のガムシロップと氷代わりの氷砂糖を過剰に入れた)オレンジジュースだよ。」

どうやらかなり入れたようだ。甘いものを、たっぷりと。おまけに、オレンジジュース本体も、人工甘味料をたっぷり含んでいるようだ。もはやオレンジ色に着色した液体人工甘味料である。

「うぅ…他のはねぇの?」
「それなら、僕が舐めたのと同じ紫色の飴玉ならどうかな? あれは酸っぱくなかったよ。」
「あ、ああ。そっちの方がいいな。」

そして、MZDは瓶の中から紫色の飴玉を取り出し、口に含む。

「ぐぎゃあぁぁぁぁぁっ! す、すっぺえぇぇぇぇぇぇっ!!」

だが、それもすっぱかったようだ。何故?

「MZD、味覚障害になったんじゃないの?」
「なってねぇよ! 普通だ!」
(だが、今までの悪戯というか私刑でそうなっていても、おかしくはない。)

ジェダイトはこの喧騒を眺めつつ、美味しそうなガトーショコラを食べながら考える。

(しかし、考えたものだな。あの瓶の中をクエン酸濃縮液で作った飴玉で満たし、自分は探す振りして袖口から飴玉を取り出すなんて…。恐るべし、ジェイド。)

敵に回したら恐ろしいだろうと考えていたジェダイトは、ただ黙って未だぎゃんぎゃん騒ぐMZDを見ていた。

黒翡翠の逆襲 ( No.394 )
日時: 2015/08/08 21:55
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: lhdE18AB)

そんな時間が過ぎ、そしていつしか夜になった。

「はー、今日は散々だったぜ…。」

ポリポリとたまたまあったじゃがりこを貪りながら、仕事をこなすMZD。散々休憩言う名のサボりを挟んでいたせいか、昨日の分の仕事半分も終わっていない。

(散々だったのは神の自業自得だ。)

MZDのぼやきに対し、ジェダイトは冷めた視線でMZDに対してコーヒーを入れた。

「(僕は楽しかったけどねー。)ほら、MZD。ぼやいてないで仕事してよ。」
「してるっつーの。はー、影はどこ行ったんだよ、こんな時に…。」

そう言いながらも仕事の手はやめない。だがペースがいかんせん遅い。

「あー、うまい飯くいてー…。」
(また始まった…。)

MZDの文句に、ジェダイトも呆れる。どうやら、この神に反省する、懲りるという言葉は辞書に載っていないようだ…。

「今日の分の仕事は終わったから、先に帰るね。行こ、ジェダイト。もう終わっているよね?」
「おかげさまでな。」

オシオキに一切関わっていないジェダイトは、その分仕事に精を出していたので、実は一番早く仕事を終わらせていた。しかし、ジェイドを残して帰る気にはなれず、今まで明日の分の仕事もしていたのだ。

「じゃあ、お疲れ様! あ、そうそう!」

ジェイドはくるりとMZDの方に振り返り、ありがたいお言葉を発した。

「真面目に仕事をしないと、美味しい物が食べられないよ?」

そう言い残し、ジェイドはジェダイトを伴い、帰路についた。

「仕事…美味しい物…ああっ!まさか!」











別室。コンピューター室にて。

「あははははははっ!!」
「マジで気づくの遅いでしょあの馬鹿! あはははははっ!!」

昴と影は腹を抱え、笑い転げていた。彼女の前にあるモニターには、校長室の様子を映している。

「でもこれだけの悪戯…いや、オシオキで懲りないなんて、そろそろいい加減にしてほしいよあの馬鹿。」
「ほんとだよねー。でも楽しかったからいいや!」
「ボクも! 久しぶりにこんなに笑ったよ!」

どうやら今までの悪戯…いやいや、オシオキを昴、パステルくん、影で全て見ていたようだ。
そこでMZDの反応を見て、二人して腹を抱えて大爆笑していたのだろう。

「なぁ、パステルくん、これ録画してる?」
「ばっちりだよー。」
「んじゃ、後でみんなで鑑賞会と行こうぜ。」

そんなこんなで、MZDを置いて昴達も帰っていったとさ。
あ、録画したDVDは全員で絶賛試写会を開いていたとさ。

黒翡翠の逆襲 後書き ( No.395 )
日時: 2015/08/08 21:57
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: lhdE18AB)

後書き de 雑談


—名前ネタのせいで黒くなったジェイド君がメインの、MZDへの悪戯話。ちなみに元ネタは某スーパースターのドッキリをベースに。

司組
(あぁ、あの腹黒陰険ロン毛眼鏡の子安さんか。)


「…みんなして死んだ目をするな司組。」

りせ
「こ、こんな子が理事長とかって…こ、怖い…。」

風花
「凄く怖いです…。こ、校長室改め神の部屋に行くのが怖い…。」

ジャン
「俺、ここの学生じゃなくてよかったって本気で思った。あんな腹黒と関わる姿が想像できない。」


「えー? 優しそうだと思ったんだけど…。」


「いや、まぁ、確かに見た目は優しそうだが…うん。」


—は、話はこれくらいにしようか。


「そうだな。でも話題もないし、ここで終わらすか?」


—だね。じゃあ、またねー!







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