二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 神様相談室:ケース「緑谷 凪」 ( No.413 )
- 日時: 2015/08/15 20:40
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: /NvYW5tc)
過去からずっとやらかしているなら、反省の色は無いに等しい。
そういう輩はどうするか。直そうとするつもりがないなら無視するしかない。
だって相手には“聞き入れる気などない”のだから。
目障りだが、無視が一番だ。
★
いつも爽やかな緑と風が吹き抜ける聖域…。
その真ん中辺りに建つ白い神殿には、神様が住んでいる。
この物語は、そんな神様の住む場所で、一人の死体(?)が発見された事から始まる…。
■
いつも通り平和すぎる程平和な聖域。その奥地にある神殿で優雅に紅茶でも飲みながら一人パソコンに向かっていた昴。
(あー、今月もどっかの馬鹿が暴れたせいで赤字計算か…。足りない分の生活費はあの馬鹿共からの慰謝料で補うか。かなりの額ふんだくれそうだな。)
…どうやら、優雅なひと時を満喫しておらず、仕事に没頭しているようだ。え? 何の仕事かって? どこぞの裸族が暴れた際に壊された備品やら慰謝料その他諸々の請求書の処理に決まってんだろうが。
(はぁ、これ以上あの馬鹿裸族が暴れないといいけど…。そういや、鏡も凪も起きるの遅いな。)
本日、聞き取り調査を雪花と牡丹に任せ、ジョーカーと紅も用があって外出したので、後は鏡と凪が起きてくれば全員揃うのだが、その二人が朝食の時間をとうに過ぎても起きてこないのだ。
(まぁ、いいか。さて、少し早いけど昼飯の支度でも)
昼食の支度でもしておこうかと考えていた昴を邪魔するかのように、バタバタと足音が響く。
(ん? どっちか起きてきたのか?)
「あ、いた! すーさん!!」
昴の姿を見つけるなり、駆け寄ってきたのは、鏡だった。
「おう、鏡。おはようさ」
「呑気に挨拶してる場合じゃないの!!」
いきなり語気荒げて鏡が詰め寄ってきたので、昴は思わずびっくりした。
「き、鏡、近い。何があったんだよ。落ち着いて話せ。」
「あ、ご、ごめん…。凪が、凪がね…!」
「ん? 凪がどうかしたのか?」
瞳を潤ませて話す鏡に、少しだけ嫌な予感を感じた昴は、先を話すよう促す。
「凪が…凪がベッドの上で…死んじゃってるの!!」
「穏やかじゃねぇな朝から!! 鏡、直斗呼べ!」
「う、うん!」
鏡に直斗への連絡している間に、昴は真っ先に鏡達の部屋に向かった。
「おい、凪!」
そこで見たものは…ベッドに仰向けになって倒れ伏している、凪の姿だった…。
- 神様相談室:ケース「緑谷 凪」 ( No.414 )
- 日時: 2015/08/15 20:44
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 0JVd9KgH)
数分後、すぐに直斗が駆け付け、現場検証が行われた。
「遺体に外傷はなし。争った形跡もなし。外部からの侵入も考えにくい…。考えられるのは服毒でしょうか。」
「ふ、服毒!?」
直斗の出した結論に、鏡は昴の後ろに隠れながら驚いた。
「…凪君のみを狙った服毒殺人の線が濃厚です。昴さん、凪君の食事に毒を混ぜた覚えは…?」
「ある訳ないだろーが。この家の家主があからさまな方法で同居人を殺害なんてどんな三流推理小説だよ。…それに、狙ってやるのは難しいと思う。調理場にはジョーカーもいた。それに、昨日は凪も手伝いに来たから、当の本人いる前で毒なんか盛るか?」
昴の言い分に、確かにそうだと頷く直斗。
「では、犯人は誰…。」
そこでふと、直斗は鏡を見る。急に見られた鏡は、昴の後ろにまた隠れる。
「…事件はまず、第一発見者を疑うのが鉄則ですよね。」
「お、オレやってないよ!! 朝起きたら、凪が動かなかったから、どうしたのかなと思って思って揺さぶってみたら…!」
ピクリとも動かなかったので、昴を呼びに来たようだ。
「…昨日、凪君と諍い等は起こしませんでしたか?」
「お、起こしてないよ!」
「では、毒物を所持した記憶は?」
「な、ないよ! いや確かにうちには毒物になりそうな植物があるけど…。」
鏡がそう言うと、全員それには黙り込んだ。
「では、眠っている隙にその毒を盛ったか、デパートの方ではないジュネスのように独りでに歩み寄った可能性がありますね。」
「オレは毒なんて盛ってないよ!!」
「…後者の方はアイツの育てた植物上確かにあるかもしれないが、かなり真面目な顔でんな事言うなし。」
「僕はいつだって真面目ですよ?」
真顔で言う直斗に、昴はもう何も言わなかった。
「…う、うーん…。」
そんな時だった。凪の方から呻き声が聞こえたのは。
驚いた三人は、思わず凪の方を見る。その凪はゆっくりとした動作で、起き上がった。
「え…凪君!?」
「んー、ふあー…よく寝たー…。」
「凪が生き返った! アンデッドだ! 怖いよ、すーさん!!」
その事に恐怖を感じた鏡は昴に飛びつき、泣きじゃくった。
「こ、これはどういう事なのでしょうか…?」
「…なぁ、そもそもの前提だけど、お前ら…。」
次の昴の言葉に、二人して凍りつく羽目になるとは思わなかった。
「…凪の呼吸、確認したか?」
「あ。」
妙な沈黙が続く。その沈黙を破ったのは、凪だった。
「おはよー、昴さーん。ご飯まだー?」
「ああ、おはよう。朝飯は用意できてるから好きな時食え。」
普通に、何事もなかったかのように挨拶したので、昴も普通に返す。
そして直後、後ろにいる鏡に挨拶した後、直斗を見た瞬間…。
「ブハァッ!!」
いきなり盛大に噴き出した後、また再び布団に沈んだ。
「何で僕を見ただけで沈むんですか! 僕はメデューサですか!?」
「メデューサは石化だろうが。とにかく、生きてるならさっさと起こすぞ。」
その後、凪は起こされては気絶を繰り返し、ようやく意識を保つ事ができたのは、ランチの時間の事であった。
事情聴取は、直斗も交えた昼食と共に行われた。が…。
「おい凪、汚ぇから飯吹くな。」
「ご、ごめん、だって…ブフゥッ!」
「人の顔を見て噴き出さないでくれませんか?」
直斗の顔を見る度に噴き出すので、聞き出すのに時間がかかった。
「…で。何で死んでた。」
「死んでたはちょっと違うよー。ちょっと笑いすぎて酸欠になって気絶してただけだよー。」
「で、その笑いの原因は何だ。」
昴が問うと、凪は何かを思い出したのか、肩を震わせて笑いを堪えていた。
「な、直斗がね…夢に、出てきたの…ブフゥッ!!」
「…笑いを堪えながらその夢を全部余す事無く話せ。聞いてやる。」
ちょっとだけ態度が悪いが、そこは気にせずに凪は話し始めた。
…時折、笑いながら。
- 神様相談室:ケース「緑谷 凪」 ( No.415 )
- 日時: 2015/08/15 20:48
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: g9MFapnu)
僕は一人でね、川辺を歩いてたの。誰もいない、静かな川辺。
でね、暫く歩いていたら、直斗の姿を見かけたの。
「あれ? 直斗。おーい、直斗ー。」
僕は、声をかけようと駆けだしたんだけど…。
「」
直斗の隣にはね、結構な美人さんがいたの。僕、それ見たら何か固まったの。
それから直斗は美人さんをエスコートしたの。その時に…。
「そなたはのにさくけなげなはなよりうつくしい。わたくしとともにあいをかたらいませんか?」
「ブハァッ!!」
い、いきなり、片言みたいなひらなが…じゃなくて平仮名で話すから…お、思い出しただけで…あはっははっははははっ!!
…ご、ごめん。笑いすぎた。
「まあ、ありがとうございます! でも、ここには座る場所がないです…。」
「しんぱいにはおよびませんよ。はぁっ!」
そう言って直斗が…両手をこう…パーンって、パーンって! あっははははっ!
あ、ごめんごめん…ふふっ…ふう…それでね、その手を地面に当てたんだ。するとね、石でできたベンチが現れたんだ。
「まあ、すごい! これなら、ゆっくりとお話しできそうですね!」
「たあいなきこと。さあ、こちらへ。」
そう言って、直斗は女の人と一緒に椅子に座って、お話ししてたの。
…ひ、らがな、で…ひらがな、で。…ブフゥッ!!
…あ、ご、ごめん。でね、いつしか日が沈んで夜になったの。お別れの時間が近づいたみたい。
「まぁ、もうこんな時間。私、そろそろ帰らなければ…。」
「ならば、しかたなきこと。では、わかれのてみやげとなるかはわかりませんが…。」
直斗はまた、ね。手をパーンってさせ…ブッ…! させ、てね…!
地面に、当てたらね! 川辺の草が、全部、花になったんだ! しかもね! 月明かりに照らされて無駄に…いやいや、とっても綺麗だったんだ!
「まあ、素敵! あなたに出会えてよかった…!」
「そなたによろこびをもたらすことができたことを、うれしくおもいますよ。では、よいゆめを…。」
「はい! 今日はありがとうございました!」
そう言って女性は帰って行ったんだ。僕はそれを、笑い転げながら眺め…。
■
「気づいたら、何か酸欠で気絶してた。」
「…その…夢の中で酸欠とは、重症…ですね…。」
全てを聞き終える前に、直斗は突っ伏していた机の上で絞り出すように声を紡いだ。
その横では鏡が肩をプルプルと震わせ、昴は笑っているような怒っているような、矛盾をはらむ目をして凪を睨んだ。
「何っつー夢見てんだよお前は。」
「僕だって見る気なかったよー。見る気もなければそんな発想が生まれるとは思わなかったんだよー。」
どうやらこの夢は凪にも予想外のようだ。まぁ、夢は誰でも予想外のものが現れるのは当たり前だろうが。
「…とにかく、お前、今日一日は直斗の中の人が一緒の奴を見るな。どうせ見たらそのまま大爆笑してぶっ倒れるんだろうからな。」
「そ、そうす…ブハァッ!!」
「お前部屋にいろ!!」
直斗を見るなりまた噴き出す凪に、昴はもう怒鳴り散らすしかできなかった。
そして、昴にお昼ご飯をごちそうになり、寮に帰った直斗は思った。
この事件は、今まで自分が扱ってきた事件の中で、一番不可解で、そして…。
一番くだらない事件だった、と…。
- 神様相談室:ケース「緑谷 凪」 後書き ( No.416 )
- 日時: 2015/08/15 20:54
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: /9RVPCwZ)
後書き de 雑談
昴
「随分とまぁ中の人ネタを盛り込んだな。ナンパしてるシーンがFFのジタンで、平仮名がBASARAの謙信様で、トドメに鋼の兄ことエドか。」
私
—中の人ネタ的にできちゃった。直斗君の平仮名とか想像できないwwwww
鏡
「もう、聞いてる時オレ何度噴き出しかけた事かwwwww」
昴
「お前ら…;で、このくだらないネタはまだ続けるのか?」
私
—他の人で勿論やるよ。
昴
「きっぱり言ったなおい。さて、話題もないからここで終わらすか?」
私
—うん。じゃあ、またねー。
★
FE覚醒クリア! しかし結婚したユニット三組だけ…;
感想ok