二次創作小説(映像)※倉庫ログ

アンジャッシュパロ ( No.440 )
日時: 2015/08/22 00:01
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: DOGZrvXb)

それはある日の事、夏休みに入ったばかりの八十神小学校にて。

「ったくもー。何やってるんですか堂島さん!」

呆れ果てる透に、遼太郎は申し訳なさそうに頭を掻く。

「すまんな、足立。菜々子を…。」
「白鐘君のおじいさんに預けてて遅くなったんでしょ。もうわかりきった事ですからいいです。」
「本当に悪かった。」

申し訳なさそうに謝る遼太郎に、透は苦笑いを浮かべつつも、気にしないように言った。

「とにかく、この高学年対象の通安全キャンペーンは、僕とヒーホー君のこの会話の間が命ですから、ヒーホー君のセリフをこの台本通り、あの機械で出してくださいね。ボタン押すだけでいいんで。」
「わ、わかった。」
「リハの時間はないですけど、堂島さんにも出来る簡単操作なんで大丈夫ですよね?」

機械操作はあまり得意じゃない遼太郎だが、時間がないので、彼を信じてやるしかない。

「じゃあ、行きますよ!」
「ああ!」

そして透は手にフロスト人形を持ち、ステージに向けて歩き出した。
ステージの中央に着いた透はフロスト人形を机の上に置き、前を向く。大勢の子供達が一斉に、透とフロスト人形に注目した。

「はーい。八十神小学校の皆さん、こんにちはー。」

透が挨拶すると、小学生達が一斉に「こんにちはー!」と元気よく挨拶をする。透はそれに少しだけ表情を変えるも、すぐに戻した。

「うんうん、元気だねー。じゃあ、自己紹介するね。僕は稲羽警察署からやって来た、透お兄さんと、名前は?」

合図の台詞が来たと直感した遼太郎は、すぐに指示された場所のスイッチを押した。

『ヒーホー君だヒホー。』
「よろしくお願いしまーす。」

透は内心ホッとしながら、お辞儀をする。

「ヒーホー君、今回二人は、『夏の交通安全キャンペーン』にやって来たんだよね。」
『そうだヒホー。』
「ヒーホー君、今からお兄さんが、交通安全に関する問題を出すから、それに上手く答えられたら、ご褒美あげるからね。」
『やったヒホー!』

そこまでやり取りを続けた後に「但し、」と透は付け加える。

「ちゃんと答えられなかったら、お仕置きもあるからね。」
『逃げろヒホー!』

まるで恐怖を抱いた本当の子供みたいな台詞に、透はちょっとだけ微笑んだ。

「冗談冗談。さぁヒーホー君、早速第一問行くよ。」

ここまでは上手くいっていた。だが、事件が起こる。

『逃げろヒホー!』
(あ、しまった。間違えちまった。)

なんと、遼太郎が操作をミスしたのだ。これには焦る透だが、すかさずフォローを入れた。

「ヒーホー君? 逃げないで? のっけからお兄さん一人ぼっちになっちゃうから。お願いしますよー。大丈夫ですか、お願いしますよヒーホー君(と堂島さん)。」
(す、すまん、足立…。)

子供達は笑ってくれているようなので、透は取り敢えず続ける事にした。

「一年間に、交通事故で死んじゃう人は、およそ何人位いるでしょうか?」

だが、ここでも事件が発生。

『そうだヒホー。』
(あ。)
「(また何やってんですか堂島さあぁぁんっ!!)うん、ヒーホー君。えーと、質問に相槌はおかしいよね。お願いしますよ。」

また操作を間違えたようだ。透のフォローが冴え渡る。

「一年間に交通事故で死んじゃう人は、およそどのくらいいるかは知ってるよね?」
『うん、一万人だヒホ。』
「そうなんだ。一年というこんな短い期間に、一万人もの人が死んじゃってるんだよね。」
『やったヒホー。』

あ、遼太郎がまたしかめ面をした。間違えたようだしこれはかなりまずい間違え方だ。

「(どーうじーまさーん。いい加減にしてくーださーい。)『やったヒホー。』じゃないよね、ヒーホー君。物凄い不謹慎な発言だよ今のは。ヒーホー君? お願いしますよ本当に。ね。」

これには透も苦笑いしかできない。だが子供達の前ではそんな顔はできないので、隠して笑顔を浮かべる。

「じゃ続いて。車を乗る前に、絶対にしてはいけない事は何でしょうか。」
『お酒を飲むだヒホー。』
「そうなんだ。事故を起こしやすい第一位が、お酒を飲んで運転する人なんだ。じゃヒーホー君、事故を起こしやすい第二位は、どんな人でしょうか?」
『ヒーホー君だヒホー。』

あぁ、また間違えたようです。遼太郎さん、流石に間違えすぎですと言いたいところですが、彼は頑張ってます。

「(堂島さあぁぁんっ!! 何度目ですかあぁぁぁぁっ!!)ヒーホー君だとまずいなー。第二位は、信号を無視する人でしょー。」
『そうだヒホー。』

透のアドリブに乗らせるかのように、台本にはない操作をする。何とかうまくいったようだ。

「そうでしょー。じゃここでお兄さんから一つ。信号と、お母さんの言う事は、どちらも絶対無視しちゃいけませんからね。」

にっこり笑って、うまくいった! みたいな顔をするも、場は静まってしまった。

(あ、あれ? 堂島さん?)
(…おっと、いかん。操作しなきゃいけなかったか。)

どうやら今度は押し間違えではなく、押し忘れたようだ。

『…おもしろーいヒホー。』
「うん、もうちょっと早く頼むね。あの、お兄さんすごい不安になっちゃうから。お願いしますね。(本当に頼みますよ堂島さん?)」

あ、透が若干キレかけてる。これマガツイザナギ呼んでもおかしくないよ?

「じゃ続いて。雨の日に、スピードを出した車が急ブレーキをかけました。さぁ車はどうなった?」
『すべったヒホー。』
「そうなんだ、雨の日はスリップしやすいから、みんなも気を付けてね。じゃここで、お兄さんからまたまたもう一つ。雨の日の車と、勉強しない受験生は、ど」
『おもしろいホー。』

あかん、タイミング早すぎです堂島さん。あ、透の額に青筋が浮かび始めました。

「うん、ヒーホー君。お兄さんまだ面白い事言ってないんだ。面白い事言ったらおもしろいお願いしますね。勉強しない受験生は、どちらも滑りやすいから注意してね。」
『おもしろいホー。』
「ありがとねー。」
『おもしろいホー。』
「うん。ん?」

ん? 何だか様子がおかしい。ここは一度面白いと言うだけでいいはずだ。

『おもしろいホー。おもしろいホー。』
「うんヒーホー君? ヒーホーくーんっ。逆に嫌味になっちゃうから。ねー。(あぁ、ボタンが押し込まれたままになったのかな? 軽く押すくらいでいいんですよー。しっかりしてください堂島さん。)」

どうやら思いの外強く押しすぎて押しっぱなしの状態になったようだ。透はもう遠い目を浮かべているが、遼太郎本人は頑張ってます。ちなみに少しごたついたが、直りました。

「じゃあヒーホー君、今から実際ドライブに出掛けて路上でお兄さんと勉強やってみる?」
『やりたいホー。』
「でもお兄さんは、初心者若葉マークを付けなきゃいけないんだ。このマークは、免許を取ってからどの位の期間の人が付けなきゃいけないか知ってるよね?」
『うん、一年間だヒホ。』
「そうなんだ。だから初心者若葉マークを付けた車を見かけた時は、みんなも十分注意した方がいいんだよね。」

と、ここで透はフロスト人形を見た。だが、相槌が帰ってこない。

「ん、ヒーホー君? あのね。初心者若葉マークを付けた車を見た時は十分注意した方がいいんだよね?」
「そうだヒホー!」

更に合図を送ったら、今度は舞台袖から野太い遼太郎の声がした。これには透もびっくりだ。

「(あぁ、その部分だけ壊れたんですねあの機械。だからといって声出さなくてもいいじゃないですかっ!)ヒーホー君っ? 何か急に声色変わってびっくりしたね。あんな低い声だっけ? ヒーホー君って。頼みますよ本当に。そんな低い声じゃないでしょヒーホー君は。ね。」

どうやら機械の調子があまりよくないようだ。だが、何とかフォローを入れ、次に向かう。

「じゃあ出発。ブーン ドンッ! あっ、いっけない。お兄さんおばあちゃんをひいちゃったよ。ヒーホー君、こういう時はどうしたらいいんだっけ?」
『逃げろヒホー!』

先程のハプニングで動揺していたのか、これまたアカン間違いをしてしまう遼太郎。轢き逃げは警察としてアカンですはい。

「(それはアカンですよ堂島さん!)逃げちゃ駄目だよ。おばあちゃんをひいちゃったんだよ。」
『やったヒホー。』
「(それもダメですってばあぁぁぁっ!)やったねじゃないって。おばあちゃんをひいちゃって、まずまっ先にする事があるでしょ?」
『お酒を飲むだヒホー。』
「(何悪循環生んでるんですか堂島さんんんんんっ!)駄目だって! 何嫌な事忘れようとしてんの!(というか今僕が飲みたいですよ飲んで忘れたいですよっ!)」

もう何とかフォローをしまくる透。その間にも、子供達は何故か爆笑。そして舞台袖では遼太郎が完全に透に対して頭を下げていた。

「じゃなくて、こういう時はまっ先に警察を呼ぶんだったよね?」
『うん、一万人だヒホ。』
「多いよ。そんないらないっ!(何のテロ事件ですかっ! もうしっかりしてください堂島さん!)」

半分心の中でさめざめと泣きながら、続ける透。だが子供達は爆笑したままだ。これでは真面目に聞いてくれているかわからない。

「はい、『夏の交通安全キャンペーン』は以上で終わりです。皆さん、今日お兄さんの話どうだった?」
『すべったヒホー。』
「(嫌みですか堂島さんっ! 怒りますよ!)すべったとか言うな! さよならー。」

そんなこんなで、透はフロスト人形を抱えて舞台袖に引っ込んだ。同時に、子供達も帰っていく。

「…堂島さん?」

子供達がいなくなるなり、透は青筋を浮かべながら遼太郎を見た。これには遼太郎も土下座をするしかなかった。

「す、すまんっ! わざとじゃないんだ!」
「まぁ、だろうと思いましたけどね…。はぁ、機械操作が得意じゃない堂島さんに頼んだ僕も悪いんですけど、これ、所長に怒られますよ…。どうしたらいいんですかもぅ…。」
「…。」

何を思ったか、遼太郎は再び装置に手を置き、ボタンを押した。

『お酒を飲むだヒホー。』
「ふざけんなあぁぁぁぁぁっ!!」
「おぐっ!」

その後、遼太郎はフロスト人形を投げつけられたとか。

「はぁ…。世の中クソだな…。」

透の呟きは、風に乗って消えた…。

Re: 神様のノート 二冊目 ( No.441 )
日時: 2015/08/21 23:37
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: /9RVPCwZ)

後書き de 雑談



—堂島さんとアダッチーでアンジャッシュのピーポ君パロやってみた。


「まぁ確かにうちの警察関係者ってこの二人しかいないし、適任か。」

ジャン
「いや、もう一人いるだろ。」


—そっちは今やってる人がいるのでネタバレになるからと機械操作ができるような人がいないので却下。しかもピーポ君代わりのマスコットもいないし…。流石にカプカプ出すのもアレじゃん。

ジャン
「だよな。」


「しかし、このパロ結構汎用性あるけど、他のネタでもやるのか?」


—キュータ君ネタもやってみたいけど、消防署関連の人がいないんだよね…。まぁ、そこら辺は考えるかも。じゃあ、この辺りで終わらせるね。まったねー!







(♯・ω・)<…なぁ、注意をするのは悪い事だと思わない。だが言葉は少し選ぼうよ。本気で怒るよ?

( ・ω・)<あ、感想どうぞー。