二次創作小説(映像)※倉庫ログ

実食 五番&六番 ( No.509 )
日時: 2015/09/26 11:30
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: /9RVPCwZ)

採点方法
六段階評価を下す。内訳は以下の通り。

五、いい意味で何をしたらこうなったか教えてほしい。貴方、もう店を開いた方がいいよ。

四、まだまだレシピ寄りだけど、ちゃんと遊び心はあるのがわかる。店レベルにはもう一歩。

三、完全にレシピ見て作りましたレベル。次はアレンジに挑戦してみよう。

二、レシピに沿ったのはわかるけどちょっと失敗が目立つ。高評価から聞いたりして修行をしよう。

一、反省してるし、改善しようとしているのはわかるレベル。まずは高評価のメンバーの簡単なお手伝いから始めましょう。

零、ポッパーの皆さんや貴方を持ちキャラにしている人全員に私と一緒に土 下 座 で 謝 罪 し や が れ 。


±要素
・+…あともう一歩で上位のレベルに上がれるくらいにおしい品。五+は五段階評価じゃ足りません。

・無印…妥当なレベル。惜しい部分もなければ、マイナス要素も特になし。

・−…ミスが多いのでお情けでこの評価に。零−? もう知らん。


お題:『パンに合うもの』
普通の料理でもスープでもジャムでも、パンに合えばok。
ただし、パンは理乃と由梨が作ったパンに固定する。
トーストさせたり挟んだりと、簡単な調理をさせる物や、パンに塗る物もok。要するにパンに自分達での細工は許可しないが、審査員に簡単な調理をさせる物は許可。

※注意
・既製品やレトルトは許可。しかし、既製品をそのまま料理として出したり、温めるだけで出すのは不可。材料を何か加えるなり焦げ目をつけるなりする事。
・ガイストのアンドゥで一発でバレるので、不正は行えないものと思え。


役割
固定審査員:
昴、パステルくん、ジョーカー、にゃぐわ、MZD

変動審査員兼挑戦者:
烈、風雅、氷海、鈴花、茜、大牙、タクト、ミチル、ニコラ、イオ、ロア、トア、桐生、美結、弓弦、乱麻、ラーズ、ヴァイス、まどか、ジェイド、ジェダイト、ファントム、エクリプス、ヴォルフガング、ハーピア、ゼルハルト、ラズリ、翠里

救援:
黒、紅、アイギス、ガイスト、風花

材料・成分分析:
ガイスト、アイギス

通信:
風花

医療班:
冷一、クマ、理乃、由梨、ユウ、アニエス、ホーリー、ヴィクター、ニコライ、ユマ(YUMAさんから)、ディミトリー(Haruさんから)+α



「ある意味四連続ハズレ…。」


—大丈夫。第二回の当たりが消えた後よりマシだと思う。


「つか、また医療班増えんのかい。」


—いや、四連続ハズレだし…ねぇ…。

実食 五番&六番 ( No.510 )
日時: 2015/09/26 13:11
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: /9RVPCwZ)

事務室にて、DTOはアニエスのペンダント越しにぐったりしている昴達を見て、ぎょっとしていた。
ちなみに、現在どういう状況か聞こうとしたが為に、一時的に通信を繋げたようだ。

「えー、ハズレが出たんだな。」
『ああ、出たよ。四回も連続してな。』
「…四回も連続してハズレってありかよ。」
『あり得たよちくせう。』

声に覇気がない昴に、流石のDTOも同情しか覚えられなかった。

「すみませーん。」
「んぁ? また救援か? あいよー。」

窓口にいくと、そこにいたのは緑の軍服を着こなした青年、そして自分が見知った姿の人物達が何人もいた。

「あり? 風雅にヴァイス先生に美結にパステルくんじゃねぇか。それからそっちのは…。」
「初めまして。僕はトゥーンと申します。Haluさんの世界からやってきました!」
「トゥーンって、あのスマブラの猫目か? でもそれにしちゃ…。」
『それもそうだろう。彼は未来から来たトゥーンリンクなのだから。』

見慣れないトゥーンリンクの姿に、DTOは首を傾げるも、ジョーカーがすかさずフォローをいれる。昴の第八回目の固定審査員をした会場にて出会ったりしたので覚えていたのだろう。
未来のトゥーンリンク—青年トゥーンはペンダントに映ったジョーカー達を見て、一礼をした。

「お久し振りです、ジョーカーさん、皆さん。」
『あぁ、久し振りだな、未来のトゥーン。今日はどうした?』
「えっと、皆さんに差し入れを。ミートパスタとキャラメルです! それと、郵便局員のメルさんから物資を預かってきました!」
「あぁ、サンキューな。こっちは後で見るか。で、そっちの人達は?」

青年トゥーンとの話を終えたDTOは、横にいたヴァイス達を見た。

『あー! もしかしてりゅーとさんのボク? ひさしぶりー!』
(*・∀・*)ノひさしぶりー、昴さんのとこのボクー。

パステルくんが七回目の審査をした際に一緒に死にかけた仲だからか、どうやら彼らの絆は深そうで、すぐに誰かわかったようだ。パステルくんによると、彼らはりゅーとさんの所の救援のようだ。

「りゅーとからの依頼で、救援に来た。私は医療班に回ろう。新しいワクチンの研究をしたいからな。それから、今回地獄を見た三番に後で料理を振る舞いたいのだが。」
『あぁ、今は作り直しをさせてるから手が離せないけど、終わったら用意してやってくれ。それから、また世話になりますはい。』

ヴァイスが用意した医療器具を持ちながら、その言葉を言うと、昴は申し訳なさからか土下座をする勢いで言った。

「俺は口直しの料理を用意する。ただ、知っての通り俺の腕はミラクルクッキングだから思ったのと違う料理ができるのは諦めてくれ。」
( ^∀^)それと、クトゥルフが来たらボクと風雅に任せてー! あ、ボクは医療班やみんなのお手伝いをするね!
「私も、紅茶や簡単なお茶菓子を用意しますわね。ニコラ君からジャムとかお茶を貰ってきましたから、美味しいのを入れられるかと思いますわ。あぁ、お薬も預かって参りましたので、後で医療班の皆様に渡しておきますわ。」

こちらのとは違って頼もしい同一人物の救援に、昴は何だか頼もしさを感じたが、それを当人に言ったら確実にへこまれるしどやされるので言うのはやめておいた。

「それから、そっちの馬鹿神にはこれも。」

そう言って風雅が取り出したのは、二枚のDVD。何の変鉄もないDVDのようだが、これは一体…?

『へ? 何だ何だ?』
「後で見てからのお楽しみだ。あ、何ならこれ、そっちの影か理事長に預けとこうか?」
『物次第だな。で、それは何だ?』
「先生、ちょっと。」
「ん?」

風雅はDTOにそっと耳打ちする。DTOの顔が段々笑顔になっていくのを見て、昴は確信する。これはMZDに対してろくなものが映っていないと。

「昴さん、この間のと第四回にパステルくんがやったの、と言えば通じるか?(あぁ、あのオシオキの映像らしい。こっちの第四回と、あっちの第六回の。)」

どうやら、MZDにとって大のトラウマである裸族のディープキス(事前に裸塩餃子付き)とオネェのアツイ洗礼が記録されたディスクのようだ。

『あぁ、あれか。うん、わかった。先生、悪いけどそれ後で影に渡してやれ。』
『何だよそれ! オレをのけ者にして理解するなんてよ!』
『知ったら色々面倒だ。で、先生、メルから今度は何来た?』

話を打ちきり、救援物資の方に強制的に移させる。

「えー、暁桜さんから三番にとお守り。花梨さんから三番に栗羊羮。0の地平線さんのリヴァイアサンから三番に一回だけ運気を急上昇させる鱗。なぁ、三番宛に多いけど、なんかあったの?」
『いつもの不運による巻き込まれ事故。』
「オッケー把握。」

ただその単語のみで全てを察知したDTOは、すぐに通信を切り、三番へと物資を届ける事にした。

実食 五番 ( No.511 )
日時: 2015/09/26 15:14
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: /9RVPCwZ)

流石に四連続でハズレなこの状況には、昴達もげんなりとしていた。

「死ぬよりはマシだが、流石にハズレばっかりじゃなぁ…。」
「そろそろ美味しいのが食べたいよー…。」

MZDとパステルくんが嘆いていると、次なる変動審査員がやってきたようだ。
白衣を身にまとった長身長髪の男性—ヴァイスだ。

「だ、大丈夫か、みんな。嫌にへこんでいるが…。」
「あぁ、ヴァイス先生か。いや、死にはしないけどアウトな料理が四回も連続できたから…。いや、一回は普通に食べられるものだが、ルール違反だから評価が低いってだけなのが現れたけど。」
「ああ…。」

その料理を作った人物が分かったのか、ヴァイスは短く呟いた。

「次の料理が当たりだといいけどな…。取ってくる。」

昴は盛大な溜息をつきながら、次なる料理を取りに行った。

「怖いな…。」
「ヴァイスでも恐ろしいものがあるのか。」

ガイストが意外そうな声を上げた。確かに闇の仕事をしているヴァイスが、料理如きで怯えるなど珍しい。

「さっき、別世界の私に会ったのだが、聞けば回復効果のある料理の研究をしているそうだ。それ程の料理が現れているというのはおかしいだろう。…そんな事を聞けば、恐怖を抱かないわけがない。」
「まぁ、こちらも生物料理を目の当たりにして研究を重ねて実用化している人間がいるくらいだからな。ああ、今二番を確実に仕留めているこの世界で逆らったら恐ろしい四天王の一角。」

ジョーカーはやや死んだ目で恐らく今訳アリ部屋になりかけているであろう空き教室を見て、すぐに視線をそらした。

「とってきたぞー。」

そんな折、昴が料理を持ってきた。怪しげなものは見えない。

「さて、ヴァイス。」
「胃薬は用意できているし、念のため武器も持参してきた。」

そう言ってヴァイスはマシンガンを取り出し、マガジンを装着した。ええ、発砲準備万端です。
見ると、アイギスも弾薬を装填し、ガイストも愛剣“ドゥームズデイ”を構えた。

「鬼が出るか、蛇が出るか…それっ!!」

蓋を開けると、そこには…!

「あ…。」
「あ…!」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

何があったのか、悲鳴を上げる一同。そこにあったのは…。

「当たりだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

なんと、美味しそうなとろろがかかったハンバーグだった!
付け合わせのにら玉とニンニクとアスパラの炒め物が美味しそうに輝いてる!

「やった! やった! やっと当たりだあぁぁぁっ!!」
「にゃぐー!」
「料理如きなのにこんなに嬉しい事はない! ああ、涙が出てきた…。」

唐突に舞い込んだ当たりの料理に、固定審査員全員、狂喜乱舞。今までが今までだからその嬉しさが爆発するのは無理もない。

「よっしゃあぁぁぁっ! ようやく当たりがきやがったあぁぁぁぁっ!!」
「にゃぐー!」
「にゃぐわ君が狂喜宴舞を舞っている…。」

あまりの嬉しさにぶっ壊れたにゃぐわが変な踊りを踊りだしたので、ヴァイスが若干引いていた。
が、ここでこうしていても試食が始まらないので…。

—バァンッ!

「…落ち着いたか?」
「ハイ。」

ヴァイスが空砲を詰めて威嚇射撃をした。これには全員冷静さを取り戻したようだ。
さて、試食の前にいつもの【アンドゥ】タイムだ。ガイストは言われる前に動かされた時間を見て即座に【アンドゥ】をかけた。

「山芋、牛ひき肉、醤油、塩、コショウ。まぁ、こちらはハンバーグだろう。それからにらと出汁と醤油と卵。にら玉だな。ニンニクとアスパラと塩。これは炒め物だろう。」

ガイストが分析する中、ヴァイスはそっと死んだ顔を浮かべた。ん? 手に何かポチ袋を持ってないか?

「ん? どうした先生。」
「いや…。えっと、その…。」

しどろもどろになるヴァイスに、全員早く何か言えとせがむような顔を浮かべる。

「…これはもしかしたら、その、誰かに宛てた料理なのかもしれない。」
「誰かって誰に。」
「…。」

ヴァイスはそっと、手に持っていたポチ袋を昴に渡した。

「その…。これはおそらく、この料理を作った人物の孫宛てだと思う。そのポチ袋の中身と言い、この料理と言い…。」
「…嫌な予感がするが、ヴァイス、保健の先生として聞きたい。この料理は…。」
「…とろろ、にら、ニンニク、アスパラ。これらは、その…。男を元気にする成分が多く含まれているんだ。」
「」

全員、これには黙った。そう、これは男子にとって色んな意味で元気になる成分が詰まっているのだ。しかもポチ袋の中身は“安産祈願”のお守り。これは恐らくその孫の嫁に渡す為のだろうか。

「…風花、伝言は。」
『はい、きちんと預かっています。“早く初曾孫の顔が見たい。そう思っていたら何故かこうなった。”と書いてありました。』
「何故に自分の欲求を俺達の料理に込めるしあいつ。」
「高校卒業したら本格交際するのかなー?」

とにかく、五番は曾孫の顔を楽しみにしているらしい。このヒントで誰か、全員が完全に分かった。

「…えーっと…。これ、どうする?」
「評価…どうする?」

全員、何か微妙な表情で評価用紙に向かった。
あ、五番の料理はおいしく食べましたし、味はもちろん美味しいし店クラスですはい。だけど和の風味が強すぎてパンにはちょっと合わなかったそうな。











総評:五−


昴:評価…五−
味はうまかったが、何かこう、うまく言えないけどその…うん、自重しようぜ。孫に殴られても知らねぇぞ。
もしあの二人の間にお前の曾孫が生まれたら、更に孫馬鹿が加速しそうだな…。

パステルくん:評価…五−
まさかの男の子を元気にする成分を料理に込めるなんてwwwww早く曾孫見たいのはわかるけど、その孫はきっと黙ってないよwwwww氷海は何かノリノリで君についていきそうだけどwwwww
やばいwwwww孫馬鹿だけじゃなく曾孫馬鹿になりそうwwwww曾おばあちゃんwwwww

にゃぐわ:評価…五−
パステルくん、笑いすぎだニャ…。味は和風テイストで美味しかったニャ! これは由梨ちゃんも黙ってないニャ!
でも初曾孫を楽しみにしているのはいいけど、催促するのはやめてあげてほしいニャ。逆にプレッシャーになるし、それに二人ともまだ学生だニャ…。

ジョーカー:評価…五−
まさかその成分を含めるとは…うむ。孫の子供を見たいのはわかるが、後でその孫に殴られないよう気を付けてな。味はもちろん美味しいので、この評価だが、何か言いようのない微妙な何かとパンに合わなかったのがあったのでマイナスをつけさせてもらった。
やはり孫はかわいいものなのか…。我もいつかその気持ちを味わいたいものだ。今度また縁側で話さんか?

MZD:評価…五−
まさかの烈へのメッセージwwwww氷海にも安産祈願まで用意して用意周到だなおいwwwwwそのうちベビーベッドとか用意しそうwwwww気が早ぇよお前wwwww
とりあえず、頭の中は孫でいっぱいなのはわかった。だから孫を蹴ったDQNを今でも許せないんだな、うん。孫馬鹿は程々にしとけよ。

ヴァイス:評価…五−
この成分を入れてくるとは思いませんでした。これ、純粋な子達が食べたらどうするんですか…。味は美味しいのですが、これはちょっと…。
本当に曾孫さんの顔を楽しみにしているみたいですね…。もし本当に生まれたらさっきの昴さん達みたく狂喜乱舞、いや、狂喜宴舞しそうで怖い。そしてそれを血の繋がった娘と孫が咎めるんですね分かります。

実食 六番 ( No.512 )
日時: 2015/09/26 15:35
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 0JVd9KgH)

色々あったとはいえ当たりが出て満足した昴達は、五番の料理が来るまでにまで浮かべていた辛気臭い顔はどこへやら、満面の笑みで次なる審査員を待ち構えていた。

「ふんふふんふふーん♪」
「審査員のみなさん、物凄い笑顔であります。」
「まぁ、先程までがほぼハズレで、パンには合わなかったとはいえ極上の料理が来たからな。あの顔は無理もないだろう。」

満面の笑みを浮かべる一同にアイギスはそう呟くも、ガイストの解説に納得していた。

「あら、とてつもなく笑顔ですわね。もしかして会長の料理を食べましたの?」

そんな折、次なる変動審査員が来たようだ。どうやら次は氷海を一方的に溺愛する生徒会書記、美結のようだ。

「氷海はまだまだあのレベルにはいかないよー。まぁ、そのうち行きそうだけどねー。(愛する夫とその義妹と姑…は烈のママさんだから…あれ? おばあちゃんの場合何て言うんだろう。まぁいいや。夫のおばあちゃんはレベル高いしねー。烈のママさんもレベル高そうだけど。)」
「ふーん。まぁ、会長のでないのならば私にもまだチャンスがありますわ。」

どうやら美結は氷海の以外そこまで楽しみにしていないようだ。どこまで会長ラブなんだし。

「(ほんと分かりやすい奴だよな、美結って。)取ってくるよ。」

あまりにも露骨な会長贔屓に、昴は冷めた視線を浮かべつつ、次なる料理を取りに行った。

「はー、できる事なら会長の料理に当たりたいですわー。」
「ねぇ、一つ聞きたいけど、君は氷海のどこに惹かれたの?」

氷海の恋路を応援したいパステルくんは、何故烈との仲を邪魔してまで氷海に介入しようとするのか、その理由が知りたかった。

「会長のどこに、ですか…。あの聡明な頭、煩悩とは無縁の行動、そして、あの厳格な態度、風紀を乱さぬ規律のとれた行動! その行動が著したかのような美しい体躯や能力! もうどれをとっても素晴らしい事この上ないですわ!」
(…ごめん、煩悩とは無縁の行動と規律のとれた行動についてちょっと二、三突っ込みたくなった。)
『パステルくん、それはそっとしておこう。彼女の中ではどうやら、氷海ちゃんの像はそう描かれてるみたいだから。』

パステルくんの心の声を聞きつけたのか、風花が彼のみに通信を繋げ、そう言っておいた。
そう、もう煩悩とは無縁の行動どころか、烈に関しては完全に欲望のまま行動している気がする。なんかもうシャドウと一体化してもおかしくないくらいに烈に関しては煩悩の塊だ。
そして規律のとれた行動という点にもちょっと首を傾げてしまうほど、かなりのゲーセン通いを重ねており、ポップンにおいては烈とのハートはもうカンスト状態だ。余談だが、私も烈とのハートは99個のカンストである。どうでもいい情報失礼しました。

「とってきたぞー。」

パステルくんが上の空状態から脱出した時に、昴は戻ってきた。手には蓋つきお盆ではなく、布のかぶせられた車輪付きの台を持って。

「あれ? 今度は台?」
「ああ、初のバット使用者みたいだ。んじゃ、美結。覚悟はできたか?」
「ええ、できましたわ。」
「んじゃ、開けるぞ。それっ!」

昴が布を取り払うと、少し大きめのバットが数個並んでいた。ん? 一部はバットの色が違うような…。銀色のバットと灰色のバットがある。
バットの中身はどちらも一緒で、レタス、卵サラダ、ポテトサラダ、ハム、ベーコン等々、サンドイッチにしたら美味しそうな食材ばかりだ。

『昴さん、伝言を預かっています。“ハムとかベーコンは既製品でごめんね。サ○ウェイ方式さながら、好きな具材をパンにはさんで食べてね。あ、灰色のバットはMZD用で、それ以外は他のみんな用だよ。絶対にMZDのバットはMZDが食べてね。日頃の気持ちを込めた、ちょっとしたサプライズがあるからね。”だそうです。』
「へー、オレにサプライズプレゼントかー。さて、なーにっかなー。」

そう言ってみんなは思い思いの具材を食パンにはさんでいく。量が多いので、何度かお代わりはできそうだ。

「卵サラダうまいな。適度に塩気が効いててレタスとかによく合う。」
「ガイスト、【アンドゥ】かけてみた?」
「ああ、別にもう一つ小さいバットが用意されていたのでかけてみた。伝言にある通り、ハムやベーコンは既製品のようだが、ポテトサラダや卵サラダは自分で作ったようだな。」

流石にハムやベーコンを一から作る事は難しかったようなので既製品だが、その他の食材はきちんと自分で作っているのでセーフだろう。自分で作ったものは美味しかったが、アレンジがいまいちなされていないのでレシピを見て作ったのだろう。下手に作られるよりはこれでいい。

「んじゃ、オレもいただきまーす。」
「あ、待て神。まだそっちには【アンドゥ】をかけてな」

そしてMZDは制止するガイストを他所に卵サラダを挟んだものを一口…。

—ボンッ!

「!?」

食べた瞬間、小さな爆発音が聞こえ、昴達も驚いてMZDの方を向いた。

「っ、てー…。何だよ、今の爆発は…!」

彼を包む煙が引いた瞬間、目に飛び込んできたのは…。

「って、ぎゃあぁぁぁっ! 何でオレ女になってんの!?」

かなりのボンッ、キュッ、ボッというプロポーションのMZDだったー! 声も色っぽいお姉さんになっているし、しかもさり気なく水着(しかもビキニ)に着替えさせられてないか!?

「…。」

水着に着替えさせた犯人はわからないが、このシーンを見ていた昴とパステルくんは、にやりと笑い、目をキラーンと輝かせた。

「昴さん、ボクはパンを用意するからそいつ抑えてー。」
「あいよー。」
「え、何でオレ捕まってんのなぁ昴何でオレを捕まえてんの?」

何を思ったのか、一人と一匹は見事な連係プレーを見せ、MZDを拘束しつつ、別の具材が挟まったパンを用意した、今度はレタスとハムのようだ。

「そぉい!」
「ふぐおっ!」

パステルくんは勢いよくMZDの口の中にパンをイン。すると…。


BGM:Nigra Ludia/REFLECBEAT groovin’!!


「ほらほら、オレをよく見ろよぉ! 何かすげぇ熱い踊りを踊ってやるよぉっ!」

どこからか出したポールで妖艶な舞を披露していた。そう、さながらりせのシャドウの如く、自分を見せたいがための踊りを披露していた。ちなみに女体化水着はそのままです。

『うわー、絶対にこれりせちゃんが見たらトラウマ思い出してへこみそうだねー。』

風花がどこか冷静に見つつ、そう通信で呟いた。

「あっはっはっはっ! ぽ、ポールダンスっておい!」
「やばい、絶対にこれこの料理作った子が見たら笑う! じゃあ次のパンを試してみようか!」

そう言ってパステルくんは次なるパン(今度はハムと卵サラダ)をMZDの口にイン。ボンッ! という短い音の後、現れたMZDは…。

「くあぁ…。仕事かったりぃ…。」

何とも言えない顔をした、ゴリラのような生物になった。

「ケッキング! ポケモンのケッキングだよ昴さん!」
「しかも何でおっさん臭いんだし! あっはっはっはっ!」

あろう事か、とくせい『なまけ』を持つナマケロの第三進化系であるケッキングだったー! しかも休日のおっさんよろしく腹をボリボリと掻きながらどっから出したかわからないテレビの前で横になっていた。

「んじゃ、次はこれとこれを挟んでー。」
「ちょっと待てお前ら! オレで遊ぶんじゃふごっ!」

この後、昴達のおもちゃ同然となったMZDは、犬(しかも首輪と鎖付き)になって昴に撫でまわされたり、またある時は幼児になって着せ替え人形にされたりと、様々な姿に変わっていった。

「…あの神の料理にのみ、この薬が混入していた。」

どうやらこの喧噪の中、ガイストが適当なものに【アンドゥ】をしたのか、昴達のバットと同様の食材が並んでいた。だが、そこに一つだけ、おかしなものがあった。

「これは…?」
「何だかはわからない。だが、薬瓶なのは確かだ。」

そう、小さなガラス製の薬瓶。その中身が料理に混入していたようだ。

「これの正体は、後ほどにでもこれを作った人物にでも訊ねれば良いだろう。今は、自業自得の神は放っておき、評価用紙に記入すべきだろう。話が進まないからな。」

ガイストの言葉通り、話が進まないのでMZDで遊んでいる昴達はひとまず放っておき、にゃぐわとジョーカーと美結は評価用紙に向かった。











総評:三


昴:評価…三
ちょwwwwwお前wwwwwこの仕返しはないwwwww薬の正体は何となく察しがつくが、真似する奴とかその薬を使おうとする奴が出てきたらどうすんだよwwwww
料理は完全にレシピ通り。美味かったけど、もう一押しかな。

パステルくん:評価…三+
本当にある意味毒物を仕込んじゃったwwwwwヤバイwwwwwこれからずっとMZDの料理にこれ仕込みそうwwwww
薬については色々後で聞くけど、まぁ、正体は掴んでる。料理は普通に美味しかったよ! 次はジェダイト辺りに色々聞いて工夫してみよう! あ、今度次にあの馬鹿が何かほざいた時用に悪ず…いやいや、オシオキのプラン練らない?

にゃぐわ:評価…三
凄く恨みがこもっているのがわかるニャ。普段から苦労してるのがよく分かったニャ。でもジェダイトにも苦労は掛けちゃダメだニャ…。
料理はみんなと同じで普通に美味しかったニャ! 料理対決で普通ってかなりいい評価だから誇っていいニャ。

ジョーカー:評価…三
普段からかなり鬱憤が溜まっているみたいだな。ジェダイトもさぞ大変だろうな…。
ハムやベーコンが既製品なのは致し方あるまい。あれを一から作るのは難しいからな。他の、自分で作ったものは美味かった。時間があれば、我が教えようか?

美結:評価…三
神の部屋では色々な攻防戦が行われているんですのね。ええ、主に貴方と神のせいで。一緒に仕事をしているあの方が胃を痛めないよう程々に。
普通に食べられましたわ。ただ、会長のじゃないのが残念です。

MZD:評価…零−
ふざけんじゃねぇよ! 何だよ奇跡料理がないと思った矢先のこの仕打ち! マジでふざけんな! この薬、絶対奇跡成分入ってんだろ!
薬の成分抜きにしたら普通に食えたからましだったが、味のある奇跡料理なんか作んな! 余計に判別がややこしくなるじゃねぇか! 後で薬作った共同研究者もろとも説教してやるから覚えとけ!







今日はここまで。ではヒント。

五番:孫大好きなみんなのおばあちゃん。お得意の家庭料理で攻めたが孫への変な欲求とパンには合わなかったのでちょっとマイナス。

六番:MZDに恨みを持つ黒翡翠。ええ、今までの恨みをぶつけました。MZD以外の料理には仕込んでいないので安心してください。

実食 五番&六番 後書き ( No.513 )
日時: 2015/09/26 16:11
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: g9MFapnu)

後書き de 雑談



—薬については後々のお楽しみに。まぁ、準備回で察しているかと思うけど。


「あいつwwwwwマジでないwwwwwお前もこんな展開思い付くなよwwwww」


—料理対決もかなりマンネリ化してきたから、ちょっと考えるのに苦労するけどね。だから仕返しで毒仕込ませてみた。


「ひー、ひー…。味のあるあれもマンネリ化を防ぐためか?」


—そうね。いっその事、味をつけてみたけど、これ、下手をすると区別をつけるのが難しくなりそうwwwww


「味がない=高確率であの料理の方式が成り立たなくなるからな。」


—まぁ、味のあるあの料理も面白そうだけどね。さて、話題もないから終わらせね。


「またなー。」

次回予告 ( No.514 )
日時: 2015/09/27 11:27
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: a0p/ia.h)

「」

目の前に出された料理に、昴達は絶句。

「なぁ、俺、今頭の中で“彼の者の名は”が流れてんだけど。」
「奇遇だな。私は“試練の戦い”が流れている。」
「我も“CLAMARE”の再生が余裕なのだが。」
「ボクも“鬼天”の再生が余裕だよ。」
『我は“曼珠沙華”だな。黒は?』
『同じだ。』
「オレは“Innocencee”がエンドレスループ。」

おい、何で全員中ボス的な曲を思い浮かべる。昴のはBD及びBSでの公国軍アスタリスク所持者、ガイストのは帝国軍のアスタリスク所持者とのバトルテーマだよな。そしてジョーカーはワンダートラベラーでの自分の担当曲で、パステルくんは幻獣イベントの奴だな。そして鴉達は色違い鈴花の担当曲で、MZDはあろう事か理事長のかよ。

「私も“Master of Shadow”が延々と流れているであります。」
『うん、私も“F.O.E”が余裕で再生できる。』

アイギスのは満月シャドウ戦で、風花がPQでのF.O.E戦での楽曲か。二人して強敵や中ボス戦の曲を再生しないで。

「…全員、武器用意。」

昴はヒメルを弓モードにし、構える。その横ではパステルくんがスパナを構え、ジョーカーが力をいつでも発動できるよう身構えた。

「【アンドゥ】でなんとかできれば良いがな。」

そう呟くガイストの手には、ドゥームズデイが握られており、アイギスは銃弾を装填した。

「さぁ、みんな。生き延びるんだ!」

昴は片手で、アワーグラスγを動かした…。







感想ok