二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- ノーデンスエンカウンター ( No.570 )
- 日時: 2015/11/01 22:01
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 0zbVOBmK)
そんなこんなで、タクシーの手配をしたジュリエッタは早速純粋組と一緒に乗ろうとするが、
「チビスケ共ー。菓子やるからこっちこーい。」
「はーい!」
「ちょっとナガミミ卑怯よそれ!」
すかさずナガミミが避難させました。ナイス。
「私は澪ちゃんと一緒に乗りたいな。理乃ちゃんも一緒にどう?」
「はい、私も澪さんと一緒に行きますね。」
「では私も」
「お前は俺と一緒にあっちだ。腐りモノ同士、気が合うだろ。」
「失礼ですわね! 私をあの変態と一緒にしないで貰えます!?」
理乃を澪と一緒に乗らせようと風花が画策している間に牡丹が割り込んできたが、有無を言わさずフランシスが引きずりながら連れ去った。その後ろを野上兄妹がついていく。はい、これでもう振り分けが決定。フランシスは由梨のポケットにでも入っている事だろう。
「あ、あはは…。じゃあ、行こうか、澪ちゃん、理乃ちゃん。」
「はい、行きましょう。」
これ以上変な感じになる前に、三人はさっさとタクシーに乗り込んだ。
助手席には誰も座らず、女子三人横に並ぶ形になった。
「すみません、ノーデンス・エンタープライゼス社までお願いします。お金は別の人が払います。」
「別の人って、誰ですか?」
「行先が同じ人です。」
澪はきっぱりと運転手に言い、運転手は「か、かしこまりました。」と苦笑いを浮かべつつも、車を走らせた。
「それにしても、澪ちゃんって凄いね。私よりも年下なのに、しっかりとナビができるなんて。」
「ふ、風花さんこそ凄いですよ! 敵の接近やマップの把握とか、しっかりできてて憧れます! そ、それに、あの…ユノ、でしたっけ?」
「ああ、ペルソナの事かな。私の場合、ああしてナビをするのが慣れてるから…。」
車内では、同じナビ専門の澪と風花が話し込んでいた。手法が違うとはいえ、同じ仕事を生業とするので、話が合うのだろう。
「それに、現地で敵の気配を察知できる力においては、理乃ちゃんには敵わないよ。」
「え、理乃さんもナビゲートができるんですか?」
「え、あー…。」
風花がいきなり話を降ってきたので、理乃は思わずちょっと曖昧な返事をした。
「わ、私のアレは山岸さんや那雲さんみたいな完璧なのじゃなくて、ただ自身の力を応用して敵の気配を探ってるだけですから…。敵の気配を感じ取れなくとも、地形データやモンスターのデータをすぐにリークできるお二人には敵いませんよ。」
「またまたー、謙遜しちゃって、理乃ちゃんったら。」
「理乃さんって控えめな女性なんですね。(…胸は大分前に出すぎてるけど。)」
にこやかに話す風花だが、横の澪の目は理乃の胸に注がれていた。やはり澪も年頃の女の子。羨ましいのだろう。
自分と理乃との胸囲の差に落胆していると、澪のポケットで携帯が震えた。
「あ、メールだ。…あ、ベルからだ。ごめんなさい、ちょっと返事を返してもいいですか?」
澪が問うと、二人は快く承諾した。
「ベルって、可愛い名前だね。」
「どんな方なのでしょうかね?」
「名前に反して大和撫子だったりして。」
「ゴシックロリータかもしれませんね。」
「うん、色々想像してくれてるのはありがたいですけど、ベル、男の人なんです。」
名前からして可愛らしい可憐な女子を想定したのだが、澪が苦笑を浮かべて申し訳なさそうに言うと、二人は衝撃を受けたような顔をした。
「え、えーっと、ベルはカーソルと同じ13班の仲間なんです。今、その彼からさっきの事態の状況を説明するよう連絡を受けたんです。普段だったら、こんな連絡を寄越さないのに…。」
「何か、先程の事態に思うところがあったのでしょうか。」
「何かがベルの興味を刺激したのかもしれませんね。」
謎はつきないが、澪は慣れた手つきで返信した。
「ところで…。」
期待に胸を膨らませた顔で、風花は澪に訊ねた。
「澪ちゃんって、好きな人はいるの?」
風花に訊ねられた直後、澪は携帯をボトリと落とした。
「な、え、は、ええぇぇぇぇっ!?」
突然の問いに、澪はもう驚きしかでない。顔はだんだんと真っ赤なゆでダコになり、もう収拾がつかない状態になった。
「あ、その反応は」
「い、いいい、いや、その、好きというか、大切な人というか!」
「あ、いるんですね。」
理乃まで話に入ってきたものだから、澪はもう逃げられない事を悟った。
「ごめんね、からかっちゃって。でも、好きな人がいる、それもまだ生きてるって凄い幸せな事なんだよ。」
そう語る風花の顔が、少しだけ寂しそうだったのは、澪自身は見ていなかった。
ほんの数秒、そんな顔を浮かべた風花だったが、すぐに笑顔に戻して澪を見た。
「じゃー、澪ちゃんの好きな人の話、どんどん聞いちゃおー!」
「おー!」
「もー、お二人共酷いですー!」
(青春だなぁ…。おじさんももうちょっと若かったらあんな甘酸っぱい話に加われるのになぁ…。)
運転手までもが微笑みを見せるくらい、ノーデンス社までの道のりは退屈しなかったそうな。…澪にとっては地獄だったようだが。
- ノーデンスエンカウンター ( No.571 )
- 日時: 2015/11/01 22:06
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: IkrWl/TY)
やがてノーデンス社についた時、ジュリエッタは即座に三台分のタクシー代を支払った。
「いやー、牡丹ちゃんのお陰でいいものが手に入って感謝感激よ!」
「チビスケを避難させたと思ったら、今度は何をしでかした。その腐臭のするムスメでも犯したか?」
ややツヤツヤしているナガミミは、既にウサギのぬいぐるみを準備させ、ジュリエッタに当てる満々だ。
「んもう! そう言うナガミミだって、生気が漲ってるじゃない!」
「チビスケ共に色々話をせがまれて疲れたんだよ。あーあー、もーホント、コドモの相手は嫌だね。」
「とか言っちゃってー。本当は満更でもないんじゃないの? 顔が疲れてないもの。」
「黙れ。今晩のオムライスのケチャップになりたくなければな。」
ナガミミ、もうぬいぐるみをブンブン振り回してます。あぁ、完全に殺す気満々です。
「つかそっちは何した? 何であの変態の顔が生気に満ちてやがるんだ?」
「牡丹の持っていた鏡達の写真を何枚かもらってた。」
フランシスが素直に答えると、ナガミミは殺る気に満ちた目でジュリエッタを見据えた。
「よーし変態。今すぐそれ全部出せ。オレサマが丁寧に額縁にいれて飾ってやる。お前の机じゃねえぞ。オレサマのデスクにだ。」
「なによ! 横取りするつも」
「真意を察しろ!」
ジュリエッタ、ナガミミの持っていたぬいぐるみに沈められました。
「さて、この馬鹿は放っておいて。カーソル、凪をあの場所に案内してやれ。他の奴等はオレサマが見とく。」
「分かったよ。んじゃ、ヘッドはくたばってるが、構わず行くぞ。」
「おっけー。じゃーみんな、また後でねー。」
凪はカーソルに案内され、一人離れていった。
「じゃ、オレ達はラウンジにでも行くか。ジュリエッター、財布もらってくぞー。」
「い、いいの? ナガミミちゃん…。」
「心配すんな。なんとかなる。」
伸びたジュリエッタのポケットを勝手に漁りながら、ナガミミは澪に言い放つ。
「…?」
ふと、理乃は何か鋭い気配を感じとり、その方向を見た。
「ん? 理乃、どうした?」
「少し、視線を感じて…。由梨、私少し離れるわね。」
「ああ、後はバレたらアタシが何とかしとく。」
「お願いね。」
そう、短い会話を終えた理乃は由梨達から離れていった。
「おし、財布発見。じゃーオマエ等、ラウンジ行くからついてこーい!」
「おー!」
(い、いいのかなぁ…。ラウンジの飲み物、結構高いんだよ…?)
澪が若干苦笑気味だが、ここはあえてスルーしてラウンジへと向かう事にした一同だった。
- ノーデンスエンカウンター ( No.572 )
- 日時: 2015/11/01 22:11
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: IkrWl/TY)
そんな出来事から数分後、凪とカーソルはある場所まで来ていた。
部屋の真ん中には、巨大な装置がおかれており、制御するためのコンピュータであろう場所の前に、カーソルは手招きして凪を呼ぶ。
「これは、何? なんか見た感じ転送装置みたいな感じだけどー。」
「一目見ただけでそう思うのか。どこの誰か気になるところだが、今はコイツの説明をしないとな。お前の言う通り、これは転送装置だ。別の時間軸へ送る、いわゆる“タイムマシン”だ。」
「タイムマシン!?」
カーソルの言葉に、凪は驚く。場所と場所、異世界間の移動は何度かやった事があるが、時間軸をジャンプするなんて芸当ができるのは、MZDや、特殊な建物やアイテムを利用した理乃達しかいないと思っていた。
この人物達は、その時間軸のジャンプまでできる装置を作ろうとしていたのだ。
「普通、驚くよなあ? ま、未完成だけどな。」
「でも、なんでタイムマシンなんて作ろうと思ったのー?」
凪に疑問を投げかけられたカーソルは、しばし考え込んだ。
「それが、分かんねえんだよな…。タイムマシンを作る理由なんざ、もうないはずなんだがな…。」
「もう?(なんか、昔は理由があったみたいな言い方だけど…。)」
「ああ、こっちの話だ。とにかく、だ。ジュリエッタはこのタイムマシンを完成させたがってるが、肝心なところがどうしてもうまくいかなくてな。」
「その部分を、僕に作って欲しいのー?」
凪が聞くと、カーソルは頷いて答える。
「ああ、そういう話だ。」
「んー…。」
突拍子もない話に、凪は悩む。
「強制はしねえ。よく考えな。」
「うん、わかった。多分、この話題はすぐに答えを出すのが難しいと思うから、時間をちょうだい。この話は秘密にするからー。」
「ああ、ジュリエッタにもそう伝えておく。」
カーソルはそう言うと、携帯を取り出して誰かと連絡を取り始めた。が、すぐに通話を切る。
「おいおい、マジかよ…。」
「どうしたのー?」
「お前も、スカイラウンジに行くか? 絶景だし、飯もうまいぞー。」
「うん、行くー!」
どうやらみんなの居場所を聞いてくれていたのか、カーソルは凪をそのスカイラウンジに案内する事にした。
- ノーデンスエンカウンター ( No.573 )
- 日時: 2015/11/01 22:14
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: IkrWl/TY)
凪がタイムマシンの話を聞いている間に、理乃は一人で地下1階にある、医療フロアに来ていた。
ノーデンス社内にあるのだが、一般にも解放されているのか、ちらほらと社員ではなさそうな人の姿が見える。
(あの気配の主はどこかしら。)
慎重に気配を探りながら、バーカウンターの様なところを通り抜け、その先にある扉の前で立ち止まる。
(ここね。でも、特になんの変哲もない部屋みたいだけど…。)
辺りに人影が少なくなった事を見計らい、こっそりとペンダントを杖に変え、開け放たれた自動ドアから中に踏み込む理乃。
中は暗かったが、ほどよいイグサの香りで和室だという事はわかった。
ゆっくりと、慎重に、奥へと進み、そして…。
「…暗がりに女性を誘うなんて、悪趣味ですよ。」
ブンッ、と杖を振り回す。が、カッ!と音を立てて、その杖は途中で何かにぶつかり、止まった。
「見付かってしまいましたか。」
白々しく、男の声がそう応えた。
「一先ず、その獲物を降ろして頂けませんか? 私もメイスを降ろせないので。」
「…。」
理乃は油断なく構えつつも、杖を降ろした。その後、声の主も何か—メイスを降ろした。
「貴方なら、私が敵ではない事を判って貰えると思ったのですが。」
「せめて堂々と姿を現してからそれを言っていただけると嬉しいのですが。」
「これは失礼。」
声の主は入口付近へ歩を進め、壁に手を触れた。カチッ、という音と共に、部屋の照明が点いた。その事により、部屋の内装、及び、声の主の姿がはっきりと見えた。
(…? あの人の格好、何だか不思議な感じがする。)
黒を基調とした魔法使いのような服に紫のマント。羽飾りの付いた紫の帽子。ファンタジーの世界の住人に見える男は、和の特色の濃いこの部屋、いや、この辺りの地域の住人としては、明らかに異質である。
「どうぞ、こちらへ。今、茶を淹れましょう。」
男は、盆栽の載ったちゃぶ台の側にある座布団を示し理乃を座らせると、急須と2人分の湯呑を出した。待ち焦がれていたかのように、急須から熱々の緑茶が湯呑に注がれた。
「い、いただきます…。」
毒とか入っているのではないかと疑いつつも、そっと口に含む。
幸い、怪しいものは入っていなかったが…。
「熱っ…。」
かなり熱かったようだ。
「淹れ立てですので、熱いですよ。」
「た、確かにこれは熱すぎますね…。」
「申し訳ありません。茶を淹れる経験が少ないもので、湯加減が判らなかったのです。」
「い、いえ、お構い無く…。」
理乃はそっと湯呑を置き、改めて男を見る。
(やっぱり、少し不思議な服装ね。それにこの感じ…。)
「私の恰好がそんなに珍しいですか?」
「え、ええ、この辺りではそんな恰好をしている人は、その、そういった趣味の人達ばかりですから。」
「趣味、ですか。私の居た時代では、これが正装なのですが。」
どうやら男の服装は趣味ではなく、正装のようだ。
…この時、理乃の耳におかしな単語が聞こえた。
「私のいた…“時代”?」
口ぶりからすると、男がいた時代はここではないようだ。理乃は少し怪訝そうな顔をして男を見た。
「おっと、自己紹介がまだでしたね。」
クスリ、と、笑って、男は名乗った。
「私の名はベル。今から少なくとも5000年程後の時代の者です。尤も、今やその時代の世界が存在するか判りませんがね。」
「えっ…!? ご、5000年後!?(確かに遠い未来だけど、私が想像していた未来の感じと全然違う…!)」
自分の想定していた未来図とは真逆の、まるで衰退したかのような服装に、理乃は驚きを隠せなかった。
だが、男—ベルの言葉には引っ掛かる点がある。
「ですが、今やその時代の世界が存在するか判らないってどういう事でしょうか?」
「そうですね。経緯は話すと長いのですが、結論だけ言うならば…。」
ベルは真顔で、理乃を見る。そして、衝撃的な言葉を口にした。
「この世界は、再構築されたのです。」
理乃には、何が何だかわからなかった。再構築とはいったい。それにこの世界で再構築なんかしたら、この世界の神様であるスバルが把握しているはずである。無論、そういった話を聞いた覚えがない。
いったい誰が、何故、どうやって、スバルにも気づかれないように再構築なんざしたのか…。
「…。」
「信じられない、と、いった顔ですね。それはそうでしょう。」
当たり前だ。未来から来たと言うだけでも正直疑いの余地はあるし、この世界が再構築されたのに自分達がその存在を知らないのもおかしい。
「この世界は、竜—天敵の存在が初めからなかった事になり、矛盾を抱える事となりました。ノーデンス社はただのゲーム会社となり、竜災害は別の災害に置き換わりました。そして、“竜を狩る者”である私達—13班は、再構築の成されたこの世界に、置き去りとなったのです。」
「…単なるテストプレイヤーではないのは、貴方の気配を読み取った時点でどことなく気づいていました。」
一通り話を聞いた理乃は、少し冷めたお茶を飲みながら、頭の中で話を整理しつつ、言葉を紡いだ。
「一般の人にはあり得ない力、魔力のようなものが、貴方から感じ取れました。先程会ったカーソルさんも、どこか戦いに慣れた戦士のような印象を抱きました。“狩る者”というからには、その手で何度も倒してきたのでしょう。貴方達が天敵と言う、竜…ドラゴンと。」
「…やはり、貴方がたは普通の者達とは違うようですね。」
ふぅ、と溜息を吐き、ベルは話を続けた。
「先程、私はこの世界が再構築されたと、そう言いました。しかしながら、私には僅かながら疑いの余地を見出しているのです。」
「疑い? 何をですか?」
「お訊きしましょう。今は、西暦何年ですか?」
「え? に、2015年ですけど…。」
おかしな事を聞くものだ、と思ったが、ベルの様子がおかしい。
「私達13班が活動していたのは“西暦2100年”です。時間移動により、2100年より過去と未来にも往く事もありましたが。」
「え、ええっ!?」
2100年と言えば、自分達が生活する今の時間よりもさらに先の未来。訳がわからなかった。だが、嘘を言っているようにも見えないのも確かだ。
「少なくとも、ノーデンス社は現在、即ち西暦2015年には設立されていない筈なのです。セブンスエンカウントも、現在の技術では実現し得ないシステムの筈なのです。」
「い、言われてみれば確かに現在の技術じゃあそこまでの体感型アクションゲームなんてできっこない…。何故気づかなかったのかしら…。」
機械には強い自分ならば、あのセブンスエンカウントはどこかおかしいと気づくべきだったはずだが、なぜか何の違和感もなくすんなりと受け入れられた。まるで、初めからこの世界に存在していたかのように。
「もしかして、再構築した際に私達の記憶にも僅かながら影響が出て、それでセブンスエンカウントもすんなりと受け入れられたのかしら…。」
「その可能性は否定できませんね。そして、疑いの余地を見出す、もう1つの要因…。」
「ま、まだあるんですか…。」
これ以上聞くのも怖いが、聞いておかないと後悔する気がする。
「噛み合わない年代。全く資料の存在しない種族。関連性なく追加された歴史。未知の術。…この事から、この世界が“再構築”されたのではなく、“統合”された可能性を疑っているのです。」
「!?」
ベルの出した言葉は、理乃にとっては衝撃的だった。
(確かに、この世界にあの人達の世界が“組み込まれて”もおかしくはない…。この世界があの人達の世界の“再構築”をきっかけに引き寄せられ、“組み込まれた”のだとしたら辻褄が合う…。)
「もし、“再構築”されたのなら、竜の存在しない矛盾や年代の誤りはあれど、全く新しい存在が追加される道理はない筈です。物語の世界に喩えるならば、世界観に合わない存在を無理矢理捻じ込むようなものですね。」
「そ、そうですね…。(どこまで感づいてるんだろう、この人。)」
これ以上まずい事を話してはいけないと思いつつも、油断なく身構える理乃。
「何か心当たりでも?」
「いえ、ないです。」
「ふむ…。」
理乃を見つめるベル。深淵をも見透かすような目が、理乃を捕らえて離さない。
「貴方、嘘が下手ですねえ。」
「嘘などついてませんよ。」
「…まあ、いいでしょう。」
「それがいいと思います。余計な詮索を女性の方にしたら、下手をすると消されますよ。」
無邪気な笑顔を浮かべ、動揺を隠しつつ、ベルを見続ける。
「“再構築”であれ、“統合”であれ、どちらでも一向に構わないのですよ。世界にとって噛み合わないあらゆる要因が、世界の崩壊を招くものでなければ、ね。私が最も案じているのは、それなのですよ。」
「…。」
その点に関しては、彼女が神様である以上、心配は要らないと理乃は察していた。
「大丈夫。世界は平和に周り続けていきますよ。これからも、ずっと。」
「貴方が自信を持ってそう宣言する根拠が判らないのですが、今はそう信じるしかないのでしょうねえ。…さて、そろそろお開きにしましょうか。お付き合い頂き、ありがとうございました。」
「ええ。お茶、ごちそうさまでした。」
理乃は席を立ち、みんなの気配を探りつつ、エレベーター前に向かっていった。
「…もう、いいですよ。」
ベルがそう言うと、少し経った後に、入り口から女が入って来た。
膝上がかなり見える丈の、ひらひらとした黒いドレス。バラの柄があしらわれた長い靴下。暗い赤のツインテールの頭には、角を思わせるカチューシャが着いている。
女はしかめっ面でベルに話しかけた。
「気付いていたか。盗聴器とやらは便利だが、気付かれれば効果が激減するな。」
「盗み聞きなど悪趣味ですよ、スカーレット。丁度、貴方にも聴いて欲しかったのですがね。」
「ふん。」
女—スカーレットはしかめっ面を崩さない。
「女子供を暗がりへ誘導し、逃げにくくする。兵士としてその行動は感心できないな。」
「盗み聞きをする貴方がそれを言いますか。それに、照明はきちんと点けましたよ。」
「まあいい。それで、彼女の言動と態度を見て、どう思う?」
ふむ、と、ベルは僅かの間考え、答えた。
「何かを知っていますね。私達の知らない何かを、或いは、私達ですら干渉できない何かを。」
「点在する小さな“停止した時間軸”。統一性のない“無秩序な存在”。継ぎ接ぎのような“不安定な空間”。世界の再構築が不完全だったか、あるいはお前の言う“統合”説が正しいのか。」
「いずれにせよ、観察は続けねばなりませんね。私達が願った世界。それが壊れないように。」
「その通りだ。」
真摯かつ勇敢なる戦士の目で見つめる二人。やがて、スカーレットはベルに背を向け、入口へと歩を進めた。
「スカーレット。」
「なんだ?」
ベルの語りかけに、スカーレットは背を向けたまま答えた。
「覚悟は、出来ていますね?」
「愚問だな。」
即答の後、スカーレットは部屋を出て行った。
「…さて。」
一人残されたベルは、どこか恐ろしげな不敵な笑顔を浮かべ、携帯電話を取り出した。
「仕事を再開しましょうか。」
- ノーデンスエンカウンター ( No.574 )
- 日時: 2015/11/01 22:15
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 0zbVOBmK)
屋上、ラウンジエリア。
「オラオラー、ドンドン飲め飲めチビスケ共ー! コムスメもドンドン頼んじまえよ。タダでここのメシ食えるなんて滅多にねえぞ。」
「いやそうだけど、ナガミミちゃん、それ人のお金だからね!? 大盤振る舞いするのはいいけどジュリエッタさんに迷惑かけちゃダメだって!」
現在、ナガミミがかなりの量の料理を机の上に並べ、飲み物も開けている。料金? ジュリエッタの財布からだよ。
全員、目の前に並べられた料理とメニューを見比べながら、どう手をつけていいか迷った所に、チーン、とエレベーターの止まる音が聞こえた。
「とーちゃーっく! うわー、確かにこれは絶景だねー!」
「空が近いと落ち着きますねー。」
「はっ! 気に入ったようだな!」
凪とカーソル、そして途中で合流した理乃が来たようだ。
「おう、そこのコムスメ。道に迷ってたんだって?」
「(あ、由梨ったらそんな話をで通していたのね。)え、ええ。何とかエレベーターに乗ったら、緑谷さん達に会えたので、一緒に来たんです。すみません、ご心配をお掛けして…。」
「マァ、無事に合流できたなら何よりだ。ほら、座れ座れ。」
「んじゃ、俺はもう行くぜ。仕事が残ってるんでな。ナガミミ、あとは頼んだぜ。」
「ハイハイ。テメエもしっかりやれよな。フヒヒヒ…。」
カーソルは凪と理乃をナガミミに預け、本来の仕事へと戻った。そして、凪と理乃も交えた大宴会が始まった。…人の金で。
暫く飲み食いをしてワイワイ騒いでいると、ボロボロのジュリエッタがやってきた。
「やーっと見付けた! アナタ達、こんな所にいたのね!」
「あ、ジュリおじちゃん!」
「おぅ、やっと起きたかネボスケ。金だけ貰っていったぞ。」
ジュリエッタの金で頼んだチキンをもぐもぐと美味しそうに食べながら、ナガミミは平然と言い放つ。
「ちょっと、何でアンタが食べてるのよ! アタシは天使達の分は出すつもりだったけど、アンタには出すつもりなんて更々なかったわよ!」
「ケチケチすんなよ、部長。それに、客をもてなすのは社員の義務だろ?」
「天使達は許すし、凪は百歩譲って許す。けど、他の人は全く関係ないでしょう!?」
「ほう、凪とやらと、お前の言う天使以外は客じゃないと。もてなすに値しないと。」
ナガミミが一気にチキンを呑みこみ、ポキポキと指を鳴らしながら訴えると、ジュリエッタは「うっ。」と短く呻いた。
「元々はテメエが巻き込んだんだろうが。バグニアラ、突然の引き抜きの試み、奴の仲間に心配をかけさせる行為。これだけの事をしておいて無関係だあ? 会社を背負う立場の者が、そんな態度でいいのか?」
何も言い返せないジュリエッタは観念した。
「わ、わかったわよ! ダーターで大盤振る舞いしてあげるわ!」
「悪いな。そういう事ならお言葉に甘えさせて貰うぜ。」
「ダーター?」
聞き慣れない単語を聞いたリリィは、首を傾げてジュリエッタに聞く。
「気にしないで頂戴。みんなで一緒に楽しみましょうって事よ。」
「うん…! おじちゃんも一緒に楽しもう…!」
ニッコリと笑うリリィの顔が、アラフォーのオジサンの心を貫いた。
「オーケーカワイイ子猫ちゃん! 今宵はパーティータイムよー!! んふふふー☆」
「…なんか憑いてねえか?」
気の所為か悪寒を感じたナガミミは、ホットコーヒーを注文した。
「じゃー、僕はクレームブリュレもらおうかなー。」
凪を筆頭に、各々注文をしていった。
- ノーデンスエンカウンター ( No.575 )
- 日時: 2015/11/01 22:20
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: .Cs7UCz5)
そしていつしか時は過ぎ、夜になった。
「もう真っ暗だねー。早く帰らないと昴さんが心配しちゃうよー。」
「そうですわね。連絡して、そろそろ帰り支度をしましょう。ジュリエッタさんと純粋組談義、楽しかったですわ。」
「アタシも楽しかったわ。イイモノいっぱいもらっちゃったしね!」
牡丹と和やかな会話をするジュリエッタの手には、鏡達が写った写真が何枚も握られていた。
「帰りもタクシーでいいな。オイ、ポケット。送ってやれ。」
「ハイハイ。ううっ、財布に木枯らしが吹くわ…。」
少し泣きながらも、財布から所持金を出して凪に渡した。そう、諭吉氏を三枚程。
「お釣りは要らないわ。」
「わー、かっこいー! ありがと、ジュリエッタ!」
「いいのよ。また遊びにおいでね、カワイコちゃん達。」
「うん! 今度はミネットやレヴもつれてくるね!」
ジュリエッタの懐の大きさに、ローズはキラキラと目を輝かせながらお礼を言った。遊びに来る約束も取り付けて。
「じゃー、答えが出たらまた来るよー。」
「そん時はチビスケは置いてこいよ。どう考えてもあのオカマが暴走しかねないから。」
「安心してー。抜かりないよー。」
そう言う凪の手には、ジュリエッタの帽子が握られていた。
「帽子だけでなく、命も握ってるってか? フヒヒヒ…。」
「どうだろうねー。」
(な、何かしら。寒気がするわ…。はっ、帽子がないわ! そうか、帽子がないから寒気が…って、そんなわけないじゃない!)
一人ノリツッコミを展開するジュリエッタ。その背後では凪とナガミミが怪しく笑っているのは、気のせいにしておく。
「澪ちゃん、クッキー美味しかったよ。ありがとう。」
「いえ、いいんですけど…その、何で料理作っただけであんなモザイク処理の塊が生まれたんですか。」
「何も聞かないでくれるとありがたいな…。」
死んだ目を浮かべる風花に、澪はこれ以上触れたらいけない気がして、話を打ち切った。
「それに、料理しただけで生物作り出すってどんな仕組みですか。おじいちゃんが飛んできそうなんですけど。」
「那雲さん、そのお話もスルーしてください。」
あぁ、親友が作った数々の生物料理について話したんですね、理乃。澪の目が若干死んでるのは、もうスルーしておこう。
「さて、名残惜しいけど、タクシーが到着したみたいね。」
「そうだな。んじゃ、宴会はここでお開きっと。オマエ等、気を付けて帰れよー。」
「みなさん、また来てくださいね!」
ジュリエッタ、ナガミミ、澪に見送られ、全員、エレベーターに乗り込んだ。
「はー、面白い子達だったわね。」
「面白いくらいに金が出ていったな。マア、会社の金じゃねえし、問題ないな。」
「お金が出ていったの、大体ナガミミちゃんのせいだよね。」
「こまけーこたあ、いいんだよ。」
「良くないわよ! アンタ、人のお金をなんだと思って…。」
「ハイハイ、オレ達は仕事に戻るぞ。あとジュリエッタ、始末書忘れずに作れよ。」
ナガミミの口から“始末書”という単語が出たので、ジュリエッタは凹んだ。
「それから、提出する前にオレサマに見せろ。真面目に書いたか確認して添削するからな。」
「ちょっと! それ、ある事ない事好き勝手に書くつもりでしょ!」
「オレサマはいつでも本当の事しか書かねえよ。」
「あ、確かに。」
澪は納得して頷いた。
「ミオちゃんまでヒドイ! こんな会社、とっとと乗っ取ってやるー!」
「無理だな。」
「無理ですね。」
「そんな余裕でいられるのも今の内よ! 我らが13班が黙っていないわ!」
「オレ達の13班でもあるがな。さて、どちらに正義があるかな?」
「ナガミミの勝ちよ。」
口論に割り込んで入ってきたのは、赤い長髪と巨大な胸の女性だった。
「り、リオナ!」
「ジュリエッタさん。私欲しかないのなら、13班としても、私個人としても、協力する事はできないわ。」
「そんな…。」
女性—リオナにハッキリと宣言されたジュリエッタは、ひどく凹んだ。
「フヒヒヒ…13班のリーダーは重みが違うな。」
「言葉の方はともかく、胸が重いのは確かね。」
「そんな事、堂々と言っちゃダメだよ…。」
本人も言った通り大きな胸を見ながら、澪はポツリと呟くように言った。
「ところで、リオナは何しに来たの?」
「休憩してたら、社長に頼まれたのよ。『ジュリエッタを呼んでくれ』って。また何かしたの?」
「あぁ、多分オマエ等を呼び出したアレ絡みだな。あとは…うん、客に、しかもどう考えてもオコサマに手を出そうとした件もか。あれはコムスメもドン引きしてたしな。」
「あー…。」
ナガミミの言う心当たりに、澪も遠い目を浮かべてしまった。
リオナは生暖かい目でジュリエッタを見た。
「ジュリエッタさん。せめて、性欲は社内の人間で満たしてね。」
「そんな変態みたいな事言っちゃダメだよ!」
「オレやコムスメまで巻き込まれてんぞ!」
「え、ミオちゃんやナガミミをなめ回すように見つめていいなら考え」
全てを言い終わる前に、ジュリエッタの片頬に鋭い風が吹いた。風下の床にはカードが刺さっている。
ジュリエッタの頬からは、涙のように血が流れる。
「ただし、澪とナガミミは除く。」
「ハイ。」
腰を抜かすジュリエッタに、リオナは平然と無表情で言い放つ。
その直後、リオナは何故か項垂れてしまった。
「ああ、とうとうジュリエッタさんに手を上げてしまったわ…。」
「非戦闘員を傷つけるのは主義に反するってか? フヒヒヒ、これも平和の為だ。会社と、客のな。」
「もう、切り傷が痛いわ…。リオナ、魔法の口づけで治して頂戴?」
ジュリエッタがおねだりすると、リオナは心と共に身を引いた。
「デュアルアタック!」
タイミングを合わせて、ナガミミがリオナの前に現れる。そして、空っぽのコーラ瓶でジュリエッタを沈めた。
(まるでバディみたいだけど…何か違う!?)
「これが…絆…。」
(そっちも違う!)
澪はナガミミの攻撃とリオナの台詞に心の中で何度もツッコミを入れるも、届く事はないし、届ける気もなかったそうな。
「とにかくジュリエッタ、オマエはさっさと社長んとこ行け。そしてこってり絞られてこい。」
「うぅ、アタシの油で炒め物ができそうなくらいにこってりと絞られてくるわ…。」
こうして、ジュリエッタは社長の部屋へと行き、他の三人は仕事に戻ったとさ。
- ノーデンスエンカウンター 後書き ( No.576 )
- 日時: 2015/11/01 22:25
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: IkrWl/TY)
後書き de 雑談
私
—理音に手伝ってもらった作品。ナナドラ3発売&クリア記念だよー! まぁ、クリアしたの、大分前だけど。発売してから四日か五日くらいだけど。
昴
「案外早いクリアだったよな。しかも裏ボスまで撃破したし。裏ボス攻略までやったのが今作が初めてだよな。」
私
—そうだね。一応私は無印、2020(続編含む)もやってるけど、クリアはしたけど裏ボス攻略はしてなかったしね。無印に至ってはクリアさえしてねぇと言う。
昴
「それと、作中で出てきた13班はうちのじゃなくて、理音のなんだよな。」
理音
「初めましての方は初めまして。お久しぶりの方は惑星投げ。ナナドラ初心者にして小心者の、陰日向理音です。今回はセブンスエンカウントを創世ノートの住人に遊ばせるだけに留まらず、なんと、会社の人物と話をさせてしまいました。どうしてこうなった。ボリュームがえげつないです。」
昴
「あ、今回はいたのか。あと惑星投げるな。一話でボリュームがこうなるのは割と初めてかもな。まあいい。今回はこいつにも手伝ってもらったどころか、キャラの提供もしてもらったぞ。ちなみにうちの13班は今回の話に出てきたあのメンバー。職業も本編と同じだ。容姿やボイスが気になるなら、連絡くれれば教えます。んじゃ、理音。とりあえず出てきた奴等だけでも職と容姿と声ぐらいは出してやろうか。」
理音
「創世ノートの世界においては大して重要人物になり得ないとは思いますが、自慢も兼ねて紹介しましょう。」
昴
「おい。」
理音
「まずは、わたくしの1週目の主人公から。」
名前:リオナ
外見:エージェント女A1
職業:デュエリスト
VO:ボイスタイプC
備考:主人公として好みの外見がなかったので、胸でかねーちゃんを採用。
ナナドラ自体初めてだったので、うまく組み合わせる事ができるか心配だったが、初めてにしては上出来だと思っている。
13班の中で一番、胸が大きい。
昴
「外見は公式サイトの説明を意識したのか。この場合はフェイスタイプがAで、カラバリは真ん中のだな。ちなみに、ボイスタイプCは甲斐田裕子さんだ。BASARAのまつ姉ちゃんやブレイブリーシリーズでのエインフェリアの中の人だな。あと好みの外見が見当たらなかったからといって巨乳を採用すな。」
理音
「どちらかというと、大人っぽい若者を採用したつもりです。特徴が巨大な胸であるだけで。続いては、最初に顔出ししたヒャッハーくん。もとい、カーソルです。」
名前:カーソル
外見:エージェント男A1
職業:エージェント
VO:ボイスタイプH
備考:名前以外は体験版と全く同じ。声も同じはず。
体験版で気に入り、製品版でも採用。RPGでも異色の職業であるエージェントかつ、堂々とした性格故に、1週目ではゲーム的にお付き合いしたいと思いました。
13班の中で一番、視力が良い。
昴
「確かに同じ外見のエージェントが体験版でデフォルトキャラとしているな。ちなみにボイスタイプHは神谷浩史さんだ。黒バスの赤司様や戦国無双の長政様を演じてる。」
理音
「アニメはあまり見ない上、遊ぶゲームの範囲も狭いので、声優の方には詳しくないのです。聞いたことのある名前はあってもピンと来ないのです。続いては、光のメイジ、スカーレットです。」
名前:スカーレット
外見:メイジ女A1
職業:メイジ
VO:ボイスタイプM
備考:女性のボイスタイプMが気に入ったので採用したのはいいが、勝利時に投げキッスをするとは思わず、かっこいい女戦士のイメージの声とギャップができてしまった。戦闘中はかっこいいのに…。
光のメイジと呼んだ理由は、中の人の別の役が光の戦士だから。
13班の中で一番、遊びが苦手。
昴
「女ボイスタイプMは斎賀みつきさん。ブレイブリーシリーズのティズの声だな。光のメイジと呼ぶ由縁はそこか。…あるいは、次のメイジも原因の一端か?」
理音
「奥義は必聴です。光の戦士してますから。次のメイジ…あの…そろそろ帰っていいですか? 今、2週目をやっているので。」
昴
「駄目だ。つか2週目の主人公も」
理音
「言うな! お願い! 恥ずかしい!」
昴
「合体事故で生まれたメイジが何か心の中にすっぽりと入り、外見と職業を変えて主人公格にしてるのはどこの誰だっけ。」
理音
「誤解だ! 外見を変えたら怖くなくなるかどうか実験してただけだ! あと、サディストが主人公できるかも確かめたかったんだ!」
昴
「いいからさっさと紹介しろ。お前の何だかんだでお気に入りを。」
理音
「後で熊肉贈ってやる! 未処理のままで! …では、最後にこちら。やたらでしゃばりやがりました、この悪魔メイジもとい9番目のメンバー。」
名前:ベル
外見:メイジ男B1
職業:メイジ
VO:ボイスタイプM
備考:感じ方には個人差があります。ご了承の上、お読みください。読み飛ばしても構いませんが。
初めは、外見に合う声を選んだだけだった。サンプルボイスもちゃんと聴いたし、何も問題はないと思っていた。
事件は、前衛に出して戦わせた時に起こった。サディストな台詞を吐きながら魔法を放つ声。ヒーリングマナ等が発動した時や勝利時のくすすと笑う仕草。優雅に見下すかのような勝利時の一言。やばい。こいつ、悪魔だ。とんでもない奴を生み出してしまった。そんなつもりはなかったのに。
パーティー分散時も、ビビりながら戦わせていた。油断してたら首筋をカプリといかれそうだ。プレイヤー的な意味で。インソムニア・オルタ戦では、即死攻撃で沈んでしまったが放置してしまった。後が怖いと思ったものだ。
裏ダンジョン攻略時は、何をトチ狂ったのか、同じメイジであるスカーレットではなく、ベルを採用してしまった。能力もスキルもスカーレットと全く同じなのに。わざわざ、光のメイジではなく悪魔メイジを採用した理由が分からない。タイムマシンがあったら、その時の自分をぶん殴りに行っていたかもしれない。裏ラスボスを攻略する頃には、すっかり頼もしい存在へと成った。頼もしいと思わせるなんて…やはり悪魔か。粗相をしでかしたら、運命の十字架を放ってやろう。弾幕で。
理音
「あとは…。」
昴
「なげーよ。後書きここまで使って一人を紹介すんなし。他の面子あんな短いのに何でこいつ長いんだし。ちなみに男ボイスタイプMは小野大輔さん。ああ、FE覚醒のフレデリクの中の人だ。」
理音
「滅びよ悪魔! 滅びよ地球!」
※しばらくお待ちください。
昴
「落ち着いたか? 大丈夫。かけたのはペリエだ。」
※炭酸水をぶっかける。
理音
「お見苦しい所をお見せして、申し訳ありませんでした。そうそう、ベルは13班の中で一番、猫とコタツが好き。です。」
昴
「長くなったから、この辺りで終わらせるぞ。」
理音
「本編も長くなりましたからね。いずれ、ナナドラベテランとナナドラアマチュアで、座談会でもしたいですね。知らない方にとってはチンプンカンプンなので、載せる事は考えていませんが。」
昴
「だな。じゃ、またなー。」
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感想ok