二次創作小説(映像)※倉庫ログ

日和パロ ( No.670 )
日時: 2015/12/13 00:28
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 6Ex1ut5r)


—今回はギャグマンガ日和GBからのパロディです。悠のキャラ崩壊に注意してください。ええ。変態です。





『名探偵すぎるよ! 由梨ちゃん』


BEMANI学園高等部の三年生の由梨ちゃんはどんな事件も解決する名探偵。さて今回はいったいどんな事件が起こるかな? それとも起こらないかな? 起こらないんだったら、お話が始まらないからなにがしかの事件が起こると考えてもらって差し支えないよ。





【金曜日の事件】


それは、とある金曜日のBEMANI学園三年クラスにて。

「おはよう、理乃、由梨。」

悠は先に来ていた由梨と理乃にごく普通に挨拶をした。

「おはようございます、鳴上さん。」
「ちーっす、悠。悠っていっつも学校来てるよな。」
「普通来ると思うけど…。」

そんな挨拶もそこそこに、普通に授業をして、放課後を迎えた。勿論その間、特に何も起きなかったそうな。

「では皆さん、また月曜日に会いましょうねン。宿題も忘れちゃ駄目よン♪」

担任のまどか先生が教壇に立ち、そう告げてH.Rが終わろうとしていた。

「はー、今週は何も事件がなかったな。悠、駆け込みでポップコーンみたくPONとはじけろよ、急に。」
「駆け込みで無理難題言うなよ由梨。できてもかなりグロいぞ。来週に期待しろって。」

余程事件を起こしたいのか、起こした事件を解決したいのか、由梨は悠に無理難題を押し付けた。
そんな時、まどかが口を開く。

「あ、そうだわ。このクラスでジャージが盗まれたの。何か心当たりのある人は先生に教えてねン。」

そう、由梨にとっては願ってもない事件が舞い込んできたようだ。

「えっ、事件!? まさかの駆け込み的事件大発生だぞ、由梨。うわっ!」
「…。」

悠がその顔を覗くと、由梨は目を“カッ”と開いていた。

(由梨の目が鋭くなって口元がちょっと笑ってる。怖い。)

さながら、ペルソナでも出るんじゃないかというくらいに“カッ”と開かれた目。そして薄ら笑いを浮かべた口元。
これが、由梨の推理の始まりだった。

(由梨は事件を推理する時、インスピレーションが働くと目が鋭くなる上に駆け込み的に事件が起こって口元ちょっと笑ってる。怖い。それにしても流石由梨。もう犯人に目星がついた上に口元ちょっと笑ってる。怖い。)

その目はじっと、悠を見ていた。食い入るように、ガンを飛ばしながら。

「やってくれたなこの変態裸族が。」
「えっ、俺!? 俺を疑っているのか!? 嘘だろ!?」
「この広い世界でジャージを盗むとしたらそれはテメェくらいのものだろ。」
「疑い方力強っ!」

どうやら、由梨は犯人が悠だと疑っているようだ。まぁ、当然だろうな。
だが疑われた悠も黙ってはいられない。

「そりゃ俺だって少しはスケベな所もあるが…。」
「…“少し”?」
「手に負えない程のスケベかも知れない。だが、ジャージを盗んだりなんて下劣なことしないぞ!」
「…少しもか?」
「少しはすることもあったとしても違うぞ! 俺じゃない!」

悠の言葉に、ややそっけなく返す由梨。疑いの目は変わらない。

「これが冤罪だったらどれだけ俺の心が傷つくと思っているんだ! 適当に推理するのはやめてくれ!」
「だって悠が犯人だから…。」
「犯人って言うなよ! 断じて違う!」

まどかに聞こえないような声でギャーギャー騒ぐ悠と、冷静に答える由梨。
そして、まどかはジャージが盗まれた被害者である陽介を前に出した。

「というわけで、ジャージを盗まれた花村君から一言あるそうよ。」

まどかの言葉に、二人は黙り込んで陽介の方を見る。

「俺のジャージ盗んだ奴、さっさと返せ。以上。」

陽介はそれだけ言うとさっさと席に戻ってきた。
由梨は“カッ”となっていた目を戻し、唖然としていた。そう、ジャージを盗まれたという被害者は陽介。つまり、男。

「ほらな、盗まれたのは陽介の。つまり男子のだ。言っておくが、俺にそういう趣味はない。」
「そんな…。アタシの推理が外れたっていうのか…?」
「よくも俺を変態扱いしてくれたな、由梨。人を疑う怖さがわかったか?」

勢いを取り戻した悠は、さらに続ける。

「由梨、俺は以前こう言ったよな。『変態じゃないよ。仮に変態だとしても変態という名の紳士だよ。』と…。」
「は? 何? 知らないけど。」
「俺の名台詞だぞ! 忘れないでくれよ!」
「何でそんなろくでもない台詞覚えてなきゃいけないんだよ…。(第一、メタ発言すると今までの小説内でそんな言葉使ったこと一度もないだろうが。)それがなんだって言うんだ?」

由梨が訊ねると、悠はドヤ顔を決め込んだ。

「あの言葉、今ここで訂正する。俺はな、由梨。スケベかもしれないけど変態じゃない。仮に変態だとしても変態という名の紳士なんだ。」
「一文字も訂正してねぇじゃねぇか。」
「だからもう二度と俺を変態扱いするな!」

最後にそう宣言すると、由梨との会話を打ち切った。

「それじゃあ、これでH.Rは終わりよン。みんな、気をつけて帰ってねン♪」
「はーい。」

そして、まどかによるH.Rは終わりを告げたが…。

「あ、そうそう。今日、女子の縦笛を十本盗んだ鳴上君は残ってね。職員室でお話があるから。」

まどかのこの発言で、由梨は再び目を“カッ”と見開いて、悠を見た。

「ふぅ…。」

悠は溜息をつき、肩ひじをつきながら由梨を見た。

「で? いいオチついたみたいな感じだけど…。何これ? 違うよな。今はジャージを盗まれた話をしてるんだから。話のすり替えだよな、これって。」

そう言いながらも、悠はまどかによって職員室へと連行された。

「そりゃもちろん、縦笛をちょっと盗んじゃったのはいけない事さ。ちょっとっていうか…十本? そりゃ変態扱いされてもしょうがないのかもしれないけど、でも何本までなら許されるのかって話になってくるよな? となると四、五本だとちょっとあやしいけど、一本なら間違いなくセーフなわけだし、そう考えるとここで一つの真実が浮かび上がってくるんだ。十本もまた一本の集まりに過ぎないってことだ。俺が盗ったのもたった一本の集合体なんだ。そう、俺は変態じゃない。変態なんかじゃないんだ由梨。信じてくれるか?」

悠は動機についてこう語っており、そして彼の身柄は警察署へと移されたとか…。

日和パロ ( No.671 )
日時: 2015/12/13 00:34
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 6Ex1ut5r)

【日曜日の事件】


ジャージ事件があってから二日。日曜日。
由梨は暇なので街をぶらぶらと散策していた。

「暇な休日だな。事件がないったらありゃしねぇ。」

そうこうしているうちに、聖域近くの公園にまでやってきてしまった。

「公園にでもないかなー。事件の類。」

由梨は何の気なしに、公園に入る。今日は珍しく、聖域近くの保育園の園児達はいない。
代わりにいたのは…。

「おっ、あのシルエットはまさか…。」
「シルエットで判別するな。こんな昼間に。」
「やっぱ悠か。」

ブランコに乗っている悠だった。

「どうしたんだよ、元気ないみたいだけど。」

由梨は悠に近寄って声をかける。だがその問いは、自問自答を経てすぐに頭の中に導き出された。

「ああ、金曜の事件でとうとうあれか。懲役。」
「いや、そこら辺は叔父さんと母さんが何かと都合付けてくれたからまだなってないさ。」
「お前いっぺん滅びろ。じゃあ何でふさいでんだよ。」
「ジャージ泥棒と疑われた気持ちなんて誰にも分らないさ。」
「まだ根に持ってんのかよしつこいぞ。」

どうやら、悠に元気がないのは、由梨にジャージ泥棒と疑われたからのようだ。

「つか縦笛を十本も盗む方の気持ちの方が分かんねぇよ。でも、その様子じゃ今日は何も事件を起こしそうにないな。」

由梨はどこか残念そうにそう呟いていると、ガチャガチャと金物がこすれる音が聞こえた。

「おお、由梨ではないか。」
「ハインケルのおっさんじゃん。どうしたんだ?」

現れたのは、現職警察官であり、ナイトのアスタリスク所持者である騎士アルジェント・ハインケル。大きな盾と全身鎧(フルアーマー)が特徴的な男だ。ちなみに、元イデアの上司でもある。

「いやな、この公園でこういった…。」

ハインケルはあるノートを由梨に見せた。
そこに描かれていたのは、半ズボンらしきものが丁度股間の位置だけ切り取られているかのような絵だ。

「股間の部分がないズボンで、下半身を露出させてウロウロしている変質者がいると通報があってな。」

直後、由梨が“カッ”と目を見開いて悠を見たのは言うまでもあらず。
その悠は必死で何かを隠すようにブランコの上で身を抱えた。

「いや、俺ブランコ乗ってて忙しいし…。別に今立つ必要ないから…。何で立たなきゃいけないのかがまずわかんないし、いや立つ時はそりゃ立つぞ。例えズボンの一部が開放的になっていようがいまいが俺はちゃんと機を見て立つし、何なら走り回るし…。でも今はその時じゃないっていうか…。休日の貴重な時間を交番やら警察署やらであれこれ聞かれて無駄にするなんて馬鹿げてると思うし、そういう正論が通用しない人と話しても時間の無駄」
「いいから立て。」

頑として立とうとしない悠を、由梨とハインケルは無理矢理持ち上げて立たせた。

「ああっ、やめてくれ! 持ち上げないでいたたたたっ! お、折れる!」

まぁ、当然の如く犯人だったわけで、そのままハインケルによってお縄についたとさ。

「…やれやれ、とんだ休日になったもんだ。だが一つだけ言わせてくれ。ユニークなズボンをはくことがそんなに悪いっていうなら…。それはそうなのかもしれないが、でも俺は変態じゃないんだ。度が過ぎたユニークにすぎないんだ。信じてくれるか?」

パトカーに乗せられて去っていく悠の言葉を頭の中でそっと消しながら、由梨は帰路についたとさ。

日和パロ ( No.672 )
日時: 2015/12/13 00:39
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 6Ex1ut5r)

【月曜日に事件解決】


そんな波乱万丈な休日が明けて、月曜日。

「おいっす、悠。もう釈放されたのか。」
「ああ。ジャージを盗んだ犯人扱いされた人が来たぞ。」
「しつけえよ。」
「いや、あれには参ったぞ…。」

どの件だかわからないが、悠はやれやれと肩をすくめる。だがどっちにしろ自業自得。普段の行いが悪い。

「おい鳴上。」

そんな悠に、陽介が声をかけた。

「俺のジャージ、返してくれるか?」

そう言って、陽介は悠に手を出した。さっさと返せ、と言っているのだろう。

「えっ、な、何だ!? 陽介! 急に何だ!」
「俺、昨日家でパソコン見てたら、偶然お前のブログみつけたんだ。そこにお前がジャージを着て微笑む写真があったんだよ。王冠みたいなアップリケがついてたからよーく分かったよ。」

どうやら、悠は自ら犯罪を露呈したようであるが、これはおかしい。

「ちょっと待てよ陽介、おかしいぞ。こいつが男のジャージを盗むわけないだろ。」
「そうだ! 理乃や由梨のならともかく、陽介の服になんて興味を示さないぞ! 相棒の俺を犯人扱いするなんて酷いぞ陽介! 半年は言い続けるぞ!」
「なげーよ。どんだけ根に持ってんだよ。」

由梨は思わず突っ込んでしまう。しかも今の陽介、悠の事は相棒なんて思ってないし。

「でも、ブログの写真にはあったんだよな。」
「何か裏がありそうだな。どっかにヒントがあるはずだが…。」

ガシガシと頭をかきながら、由梨はうなる。だがそのヒントが意外なところからもたらされた。

「王冠型のアップリケなんて、かわいらしいですね、花村さん。」

由梨の横にいた理乃が放った、この言葉に陽介が返した言葉。

「ああ、あれ、小西先輩のおさがりだから。」

それがヒントとなり、由梨は“カッ”と目を見開いた。そう、全てはつながった。
由梨は悠を正座させ、見開いた眼で事件のあらましを伝えた。

「…これが噂の年貢の納め時ってやつだな。そうさ、俺だよ。アップリケで足が付くなんてな…。いや、反省はしてるさ…。」

いつしか彼の周りにはクラス中の人間が集まり、彼を見ていた。

「だが、ブログをやること自体は悪い事ではないし、陽介が勝手に人のブログ見たりしなければよかったという側面もあってだな…。勿論悪いのは俺だ。そこは認めるけど…ただ…。元を正せば、小西先輩が今年から大学生で、高校時代のジャージがまさかの尚紀じゃなくて陽介におさがりになるというハプニングが事の発端というか諸悪の根源というか…。」
「あー、もしもし、ハインケルのおっさん? ちょっと早急にそっちに連行してほしい人間がいるんだけど。うん、BEMANI学園までよろ。」

悠が弁解をしている間に、由梨は冷静にスマホを取り出し、即座にハインケルの番号にかけたとか。

「ちょっ、通報しないで! 反省している最中に何で通報するんだ!? 意味が分からないぞ!」

数分後、駆けつけたハインケルによって、再び御用となった悠だった。

「本当に意味が分からない。何で毎度こうなるのかとかもう意味が分からなくなってきたんだ…。信じてくれるか?」

パトカーへと連行される悠が呟いた言葉を、由梨は陽介と共に打ち消しながら、授業へといそしんだとさ。

日和パロ 後書き ( No.673 )
日時: 2015/12/13 00:44
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 6Ex1ut5r)

後書き de 雑談



—ひっさびさにパロディ物。今回はギャグマンガ日和GBの『名探偵すぎるよ! うさみちゃん』からやってみた。クマ吉は悠に即座に決定したのは言うまでもない。イフリートとも迷ったけど。

由梨
「何でアタシうさみちゃん!?」


—BEMANI学園にて悠と同じクラスのツッコミ役だから。ちなみに八十稲羽時代だったらこの立ち位置は千枝ちゃんになってたのは言うまでもない。イフリートにしてたら強制的に由梨ちゃんになってた。

由梨
「まぁ、そうだよな…。で、ハインケルのおっさんは? 何で犬のお巡りさんポジ。」


—あだっちーとも迷ったんだけど、でも堂島さんと一緒に稲羽に残ってるから来るのもおかしいかなって思って。稲羽と聖域はかなり距離がある設定だからね。で、現職警察官いるかなーと探していたら、ブレイブリー組に丁度いたわと思って。で、ハインケルさんが抜擢されたのです。

由梨
「マジか;確かにあの人セカンドで何故か鬼刑事になってたし…。」


—このうさみちゃんが最新作だけど、これからも前の作品とかでうさみちゃんパロしてみようかな…。

由梨
「そしてアタシが何度もあの変態裸族を通報するんですね。」


—がーんば。

由梨
「…;えー、話題もないから終わらすぞ。またなー。」