二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- ノートの世界のTwitter事情:物語版 その一 ( No.738 )
- 日時: 2016/01/23 22:07
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: PZ90N.oj)
『お母様の有り難いお言葉』
創世ノートの世界。ブレイブリー組の寮。
「お父様、お母様、結婚記念日おめでとー!」
イデアやリングアベルの手に握られていたクラッカーが大きな破裂音を鳴らす。
そう、今日はイデアの両親であるブレイブとヲカエの結婚記念日なのだ。
ここには息子同然のアナゼルとリングアベル。そしてブレイブの親友であるカミイズミがいた。
「うふふ、ありがとう、イデア。」
「むぅ…。」
ヲカエは素直にお礼を言うも、ブレイブは恥ずかしいのか、小さく唸るだけ。
「あれー? お父様、照れてるの?」
「し、仕方ないだろう。正直、結婚記念日なんて一度もしたことがないし、こうして祝われるのだって慣れていないからな。」
どうやらブレイブはこういった宴の席には慣れていないようだ。
「何だ、ブレイブ。元とはいえエタルニアを治める元帥が聞いて呆れる。」
「それとこれとは話が違うんだ、ノブツナ。」
「はいはい、喧嘩しないの。ほら、リングアベルとアナゼルが用意してくれたご飯を食べましょ。」
「なんであたしが用意してないってわかったの!?」
「イデア、貴方の用意した料理は確実に練乳がたっぷりかけられていたりとか、ハンバーグにアイスとかをやらかすでしょ? 人様に出せる料理を作ってから言いなさいね。」
母の言葉に、反論できないイデアの後ろで、その通りだと言わんばかりに頷くアナゼルとリングアベルだった。ちなみに、今回の料理は全部アナゼルとリングアベルが協力して作りました。
しばらく、料理を囲んで談笑をすることになった。
「む、この肉じゃがうまいな。」
「まぁ、由梨に色々と教わったしな。」
カミイズミはリングアベルの作った肉じゃがを頬張りながら、感想を言っている横で、
「ねぇねぇお母様。」
「なぁに、イデア。」
イデアがヲカエに近付いた。
「お父様と離婚とか、考えたことある?」
娘として考えた、ただの好奇心。
「あらあら、そんな質問をしてくるなんて。」
ただの、好奇心。だったはずだ。
「もちろん、離婚を考えたことは一度もなかったわ。」
次の言葉で場が凍りつくまで、この質問に後悔など、なかった…筈だった。
「ただ、ただ、ね。…腕を折ってあげようかしらと考えたことは何度もあったけど。」
「」
剣士の命である、腕。それを折ろうと幾度も考えたと? 人畜無害そうなヲカエさんが?
この発言にはこの場にいた全員フリーズ。
「は、はは、ヲカエ、冗談がうまいな。あは、あははは…。」
いち早く凍結から回復したブレイブだが、食事のスピードが先程よりも段違いに早くなり、
「り、リングアベル。イデアはお前に任せた。(絶対イデアも将来…うぅ、考えたくない…!)」
「な、何を言ってるアナゼル。お前こそイデアと共にいるべきだ。(ダメだ、あの母にしてあの娘ありなら、俺の将来が危うい! イデアは大事だが、俺がやられたら誰がイデアを守ると…!)」
アナゼルとリングアベルは自分の将来を考えてイデアを互いに譲り合い、
(ふむ、これが終わったら、先程の肉じゃがの作り方を由梨に教わるか…。)
カミイズミは湯飲みを片手に窓際まで逃げて現実逃避をした。
ちなみにイデアは、しばらくフリーズしたままだった。
「…えー、お母様。もしかして、それは…“今でも?”」
(それを聞くなイデアあぁぁぁぁっ!)
頭が真っ白になって何も考えられないのか、冷静になればとんでもないことを聞いてしまったと思ったイデアだが、出てしまった言葉は取り消せない。周りが止めても、もう遅い。
「あらやだイデア。」
ただの、ただの言葉。ただの疑問、だったはずだ。
「今でも思っているに決まっているじゃない。」
「」
だが、こんな爆弾をかまされては、周りは凍りつくしかできない。
(ヲカエ怖いヲカエ怖いヲカエ怖いヲカエ怖いヲカエ…。)
ブレイブは料理に刺したフォークを、カミイズミは持っていた湯飲みをお茶がこぼれるほどガタガタと震わせ、
「リングアベル、頼む、イデアを嫁にもらってくれ! 割と切実に! お前達は愛し合うカップルだろ!? 認めたくないが!」
「いや、お前がイデアを幸せにすべきだ、この世界の俺! 家族同然に過ごした日々はお前達の方が長いだろ!? お前が幸せにすべきだ! 俺が幸せにしたいが、無理だ!」
「いや、お前が幸せにしろ!」
「いや、お前が幸せにしろ!」
アナゼルとリングアベルが更にイデアの譲り合いをした。
イデアはというと…。
(あー、今わかった。烈の気持ち。お母様が怖いと、子供ってこんな気持ちになるんだねー。あっちは旦那さん尻に敷いてるけど、こっちはいつお父様を尻に敷くかなー。)
から笑いをしつつフリーズしながらも、同じ境遇にある烈にやや親近感を覚え始めていた。
- ノートの世界のTwitter事情:物語版 その一 ( No.739 )
- 日時: 2016/01/23 22:11
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: PZ90N.oj)
『you kill me day it fool cool.』
ある日のこと。BEMANI学園寮にて。
「それで、ここはこう、代入すれば…。」
「えっと、あっ、わかったー! ありがと、理乃ちゃん!」
現在、理乃と千枝は二人で仲良く勉強会をしているようだ。とは言っても、千枝が教わる方が多いのだが。
「ふふっ、千枝さんの理解が早いから、教えている私も楽しいですよ?」
「いや、遅い方だと思うんだけど…。」
「いいえ、早い方ですよ。“七海に比べれば”。」
「基準がすこーし、いや、だーいぶおかしくない!?」
「あぁ、“昔の由梨や葉月に比べても早い”ですね。」
「どんだけ馬鹿だったの、あの二人も!?」
取り合えず、今の発言で理乃の苦労を垣間見た千枝だが、何かスルーした方が良さそうだと気づき、理乃もこれ以降何も答えずにはぐらかされたので、それ以降はスルーした。
「…ん?」
ふと、理乃のスマホが鳴り響いた。つか着メロにサイレントさんの担当である“音楽”は止めてください。あと流れた瞬間こっそりエアーで叩かないで。
「あ、ミナからだわ。」
「ミナって、理乃ちゃんの従姉妹だっけ?」
「はい、母の妹の娘である、神崎聖名子(みなこ)です。里中さんには何度かお話ししましたよね?」
「うん。写真を葉月ちゃんから見せてもらったけど、どー見ても瓜二つの姉妹だわ。似すぎっしょいくら従姉妹でも…。」
千枝いわく、二人は相当似ているらしい。もう一卵性の双子じゃないかと言うくらいに。
「違いは胸だけって、これで胸も同じだったらマジどっちがどっちかわからなくなる自信あるよ。」
「本人、葉月並みに気にしてるので触れないであげてください。…あ、メールだわ。」
理乃は早速、聖名子からのメールを開いた。
『All moon tea,
more tea more tea,
you kill me day it fool cool.』
「…は?」
送られてきたのは、たったのその一文。これには理乃も千枝も「は?」の一言しか出ない。
「え、意味がわかんないけど…。」
千枝は、意味をなんとか解読しようとしている理乃の横で、エキサイト翻訳を開いて今の文を入力し、翻訳させてみた。
「“すべての月茶〈より多くの茶より多くの茶〉あなたは、私を殺す日それ冷たい馬鹿 。(Byエキサイト翻訳)”…?」
「この英文自体には特に意味はないようですね。意味がわかりませんから。何かの暗号かしら…。」
理乃はこのまま二人で悩んでいても仕方がないと感じたのか、Twitterを開いた。
「皆さんに伺ってみましょう。白鐘さんならば何か分かってくださるかもしれません。」
「だね。直斗君に頼ってみようか。」
千枝と頷きあってから、すぐにあるツイートを流す。
『光と風の姫神子 @wind_shine_godchild
従姉からメールが来ていて何か連絡かなと思いつつ確認。
All moon tea,
more tea more tea,
you kill me day it fool cool.
とメールが来たんだけど、何なのこれ。
聞き返す勇気もないし、なんか怖くて眠れない…。』
「これでよし、っと。では、しばらく待ってみましょうか。」
「うん。じゃあ、続きを教えてくださいお願いします。」
千枝達は普通に勉強しながら待っていたが、暫く待っても、誰からも来ない。
「暗号解読に苦戦しているのかしら…。」
「まぁ、明日になってみれば誰かから来るよ。今日は眠っとこう?」
「…ですね。訳がわからないのは気持ちが悪いですが、明日も学校ですから、眠りま…あら?」
寝る直前になり、誰かがリツイートしたようだ。
理乃が見てみると、それは意外な人物だった。
「七海?」
そう、どう考えても暗号解読には縁の無さそうな七海だった。
期待しないで、理乃はその内容を見た。やはり、自分の送った謎の暗号についてへの返信だった。が、見た瞬間、それが間違いだった事に気づいた。
『土と闇の戦姫 @earth_dark_battler
@wind_shine_godchild
おもち
もちもち
ゆきみだいふく
まで解読したけど、意味は分かんない。』
「(…All moon tea。おーるむーんてぃー。おーもち、もーちもっち、ゆきみだいふ…。)ぶふぉっ!!」
親友によりもたらされた、まさかの空 耳 。だが、理乃は何故か、これが答えだと確信した。
そして、理解した瞬間にしょうもない答えに悩んでいた自分と、しょうもない答えを送ってきた親友と、しょうもない問題文を送ってきた従姉妹に対してと、しょうもなさすぎた答えに思わず吹き出した。
「や、やめ、やばっ、やめえぇぇん!! うふふふふっ、あはははははははっ! な、なんなのこのしょうもない答え! あはははははははっ!」
(うわー、始まったよ理乃ちゃんの大爆笑。さて、酸素ボンベ用意してから寝るかー。)
もう一年近く共同生活をしているので慣れたのか、千枝は手際よく理乃に酸素マスクを装着させ、酸素ボンベを手渡してから、耳栓をはめて眠ったそうだ。
ちなみに、理乃は一晩中笑っており、気づいたら朝だったそう。
朝イチで彼女がしたことは、
『何てモノを送ってきたのよミナwwwww貴方のせいで眠れなかったんだけどwwwww何で雪見大福wwwwwお腹痛いwwwww』
聖名子に草生やしまくりの苦情メールを送ることだった。
ちなみに、しばらくしてからの返信は、
『お風呂入ったらふと思い付いてさーwww笑わせてやろうと思っただけで深い意味はないけど、マジで笑ってくれるとは思わなかったわwwwww』
だったそうな。
ちなみに、この返信を登校途中に後ろから見た千枝は、
(仲いいな、この二人は。)
と、冷めた視線を送ったそうな。
- ノートの世界のTwitter事情:物語版 その一 後書き ( No.740 )
- 日時: 2016/01/23 21:54
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: PZ90N.oj)
後書き de 雑談
私
—逃走中ばかりってのも何だし、息抜きに書いてみた、過去のTwitterネタを実際に物語にリメイク(?)してやってみた作品。試験的に最新作から二つ、だね。
昴
「恐怖のヲカエ婦人と雪見大福かよwwwリアルで役どころが一発で決まった二つwwwww」
私
—ヲカエさんのは一発でじゃないけど、候補としては絞れてたけどねwwwww
ブレイブ
「ヲカエが怖すぎるが、寂しい思いをさせた報いだから何も言えん;」
ジャン
「自業自得だが、同情するぜ、おっさん;」
りせ
「奥さんに尻に敷かれないよう気を付けてね;最終形態が多分烈んちのだから、ああならないよう祈っとくよ;」
理乃
「ミナのはwwwww何でwwwww七海がわかったのwwwww」
七海
「へ? 雪子が繰り返し声に出してたから。てか、聞いてよ! 私がその答え出したら雪子が大爆笑して眠れなかったんだけど!」
昴
「こっちはお前のせいで酸欠になりそうだったんだがwwwww」
鏡
「凪もwwwww翌朝死んでたwwwww酸素ボンベをあげたら生き返ってたwwwww」
風花
「あぁ;思わぬ被害が出てる;私もヤバかったけど…w」
私
—あ、もし、このTwitterネタでやってほしいとかありましたら、是非。私自身のいい気分転換にもなりますし。あと、逃走中の方もよろしくお願いします。
昴
「色々と覚悟して見なきゃ駄目なシーンがこれから出てくるから見れないんだろうがよ;んじゃ、またなー。」
■
感想OKです。我ながら思う。自分のギャグとシリアスの温度差は何とかならんのか、と。