二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- ポケモンサマーコンテスト ( No.284 )
- 日時: 2016/08/07 19:22
- 名前: ユリカ (ID: 32zLlHLc)
真相編であり、これが最後です。一連の事件の黒幕はまさかの大会の重役だった。その人物は狡猾に人々を欺き、ポケモンや人間の絆を嘲笑い、見下す悪党だった…!元凶となったユーベルを倒すべく、WSTは人々の想いを背負い終止符をうつ…!!!
というか前回のらぞ氷についてのコメントが多かったのですがwww別世界の裸族たちもらぞ氷を食べようとするなwww
奏「作者、ユーベルさんが黒幕って、一体どういうことですか…?」
ユリカ「落ち着いて聞いてね。信じられないと思うけど、ユーベルは相当な悪党よ。人間とポケモンの関係や関わりを熟知していて、自分の立場や知識を利用し今まで犯罪に手を染めて来ていたのよ。証拠にアレを見て!」
ユーベルが持ち歩いていたカバンから何かが零れ落ちた。それは高価なアクセサリーやポケモン用のグッズなどであり、被害届けが出されていたもの…。追い打ちをかけるかの如くゲッコウガも続ける。
ゲッコウガ「奏殿、混乱するのも分かるがしっかり聞くでござる。ユーベルは元々は名家の息子であり、たぐれ稀な数々の才能に恵まれた神童であった。幼少期から少年期にかけては彼のことはどこでも話される程であり、地元でも話題が絶えない程であった。そうしてちやほや育てられてきたせいであろうな、あの者の心の内には次第に選民思考が根付いていった…」
ユリカ「ここまで辿り着くのは相当難しかったわ;…ポケモン警察や情報屋の皆さんに感謝ね。でも人付き合いにも長けていた彼はそんなことを顔にも出さず、平穏な日々を送り過ごしていたわ。それはつまらないものであり、やがてポケモンの存在とポケモンと人間の関係について知ったユーベルはそれを自分のために利用出来ないかと考えるようになった。猫を被りあらゆる地を転々とし事業に手を染めつつコンテスト理事会の役員という高い地位に収まった。元々能力は高いようだからそれくらい容易いことだったんでしょうね。…そして今回の事件を引き起こしたのよ」
ゲッコウガ「しらを切っても無駄でござるよ。ユーベル、貴様がポケモンと人間の関係を利用し多くの悪事に手を染めたことは分かりきっている。金や時間を利用して関係ある人物を始末したり顔を変えているのだろうが…」
ユリカ「…思えばずっと引っかかっていたのよね。犯人はずっと私たちをWSTと特定していた。私の武器の細かい特定も出来た。今回の大会は全員偽名を使っていたし変装していたからWSTと分かる機会は少ないのに。あらかじめ私たちがWSTと分かっていた者の犯行だったのね…」
ユリカとゲッコウガの述べたことは事実であり、2人は思い切りユーベルを睨む。彼らが全てを述べると、今まで黙っていたユーベルが口を開いた。
ユーベル「…くくく、ようやく気付いたかWSTの連中め。いや、気付かなかった方が良かったのかもしれないがな…」
情報が知れ渡たり全て隠し通すことが無駄だと悟った重役は本性を現す。そこには紳士的な微笑みではなく邪悪かつ冷たい悪魔の笑みを浮かべる彼の姿があった。
ユーベル「World Saver Team…。子供や若造共のお遊び集団かとたかをくくっていたがどうやら間違いだったようだ。私の過去や行いを調べ上げるとは…。くくっ、少々計算が狂ったかな」
奏「あなた、何をしたのか分かっているんですか!?皆の楽しみにしている夢の舞台を台無しにして、何がしたかったんですか…!?」
ユーベル「ああ、あれか。ああいう姿を演じればほとんどの人間があっさりと騙されてくれるのだ。これを利用すれば良い役職に付いたり何事も自分に優位に働きかけることが出来る。まあ、そんなことより理由を説明するとしよう」
大会でのトラブルを懸念したり被害に巻き込まれた参加者やポケモンを案じる姿は仮の姿であり、本性は目的のためならどんな手を使うことも躊躇わない狡猾な人物だった。彼はどうしてこのような凶行に及んだのか…。
ユーベル「そこの女やポケモンの言う通り、元々私は多くの才能に恵まれた資産家の子供だった。音楽、芸術、勉学…。何をするにも困らなかったし親が多くの家庭教師をつけていたからな。何事も人並み以上に、かつ素晴らしくこなすことが出来た。自分に出来ないことはもはや探すことの方が難しかったのだよ。それに容姿にも恵まれていたからな、私が多少微笑めば大抵のクズ女は虜になり何でも言うことを聞くようになる。力のない無能なオス共は私に取りつこうとやっけになる。環境や人脈に恵まれているから多少の競いごとで上に立つようになるし、運が良いと血を吐くような努力をしている者よりも上にいくことが出来るようになる。恵まれた人間こそがこのような問題のない楽な人生を送ることになるのだ。どうだ、人の世の理にかなった意見だろう?」
たまたま資産家の家に生まれて金があり、神童の誉れを受けて育って来たユーベルは幼い頃から良い思いをして来た。周りの人間も彼に気に入られるためご機嫌取りをするようになり、それが彼をさらに助長させた。これらがきっかけでユーベルは人生をより楽に、より良い方向に過ごしたいと思うようになっていった…。
ユーベル「私が困っている人間に金を出せば馬鹿みたいに崇めありがとうございますありがとうございますと這い蹲り、相手が傷付いている時に上手くコントロールすればそいつを一生自分の操り人形に出来る。例え相手が怒りの感情を抱えていてもほんの少し自分が折れてみせるだけで悪かったと謝り前以上に親密に接してくるようになる。人間の付き合いなど慣れたものだ。こんな風に相手を思い通り操作すれば何もかも自分の思い通りになる。そして誰も自分が利用されているとも思わない。どうだ、素晴らしい人生だと思わないか?」
完全に他者を見下し馬鹿にする人間に場にいる全員が怒りの感情を覚える。生まれてから美味しい思いばかりで何もかも上手くいっていたユーベルだったが、どうしても理解出来ず、さらに嫌な物事があった。
- ポケモンサマーコンテスト ( No.285 )
- 日時: 2016/08/07 20:25
- 名前: ユリカ (ID: 32zLlHLc)
ユーベル「…だがそんな私にも唯一思い通りにならないことがあった。この世界に無数存在するポケモンのことだ。人間も他の生物も支配出来る私だがポケモンだけはコントロール出来なかった。…あの下等生物たちめ、多少人間より能力が優れていたり力に長けるからといって偉そうにするんじゃあない!ポケモン共のせいで人間がどれだけ割を食っているか分からないのか!?ああ、あの理事役員はこまめに動く良い奴隷だったのにポケモン保護団体と繋がりがある野生ポケモンの保護施設を見学しようなどと言うからさっさと追放して正解だったな。それに…」
ユーベル「言葉も通じ合わない人間と下等生物が手を取り合うなど不可能だし馬鹿馬鹿しいにもほどがある」
そう言うとポケモン協会の理事役員はフハハと愉快そうに笑う。この人間は自分がより良い生活を送りたいがために他の人間やポケモンを騙し、夢や絆や努力を傷付けたのだ…!
ユキ「こんな人がいたなんて…」
ユーベル「今回のイベントに力を入れた理由はある。まずはお前たちWSTの活躍によりポケモン世界と他の世界の交流がより活性化していたから。知識も何もない無能な人間共が多く集まるだろうが、多少は私のためになる人材もいるかもしれないがな。それもあのクソガキのせいで少し調子は狂ったが…。そしてそれにより集まった人間共の貴重品を盗み事業拡大の資金にしたり、高価な取り引きをされているポケモンを売り飛ばしたり、多少は使える下等生物を足にするため教育するため利用したりと…。実に都合が良過ぎる大会だった」
ユリカ「どうなっても自分の得になるように動いていたのね…。だったらどうして参加者を襲ったり妨害を仕掛けて来たのよ!人脈を築きたいなら集まった人たちに声を掛けるだけで良かったじゃない!自分の人生を生きやすくするだけならそんなことしなくて良いじゃない!」
ユーベル「だから言っただろう?私は元々ポケモンとかいう下等生物が心底嫌いなんだ。あの生物共が自分が有能だと思っていることは虫酸が走る。それに…」
ユーベル「その下等生物共と元々クズな人間共の絆を壊したらどうなるのか試してみたかったんだよ」
ゲッコウガ「…それだけのために!?」
ユリカ「こんなにクズな人間はそういないレベルだわ…!」
ユーベル「何とでも言え。元から絆だの努力など無駄なことは言われただけで嫌気が刺す。人間同士でも絆を壊されただけでこれからの人生に影響を与えるほどおかしくなるのだからポケモンと人間ならどうなるのか、これからの研究のために生かしたかっただけだ。…以前私と同じ部署で働いていたカップルがいた。私は女に掛け合って惑わせたが頑固な女は靡かない。それでダメ押しにと男には女が他の人間に浮気をしていると吹き込み、女には男が他の女に夢中になっていると吹き込んだ。他にもまあ色々としたが、結果として奴らはボロボロに擦り切れ、おかしいくらいに関係は拗れていった。それなのに私の元に相談してくるのだ、笑えるだろう?…まあ種明かしをした時に女が嘆いて海に身を投げ、男が首を吊ったのは予想外だったが」
奏「ひどい…」
人間と人間、ポケモンと人間が長い時間を掛けて築き上げて来た絆を平気でぶち壊す黒幕に奏はただただ言葉を失う。彼女だけでなく場にいたユリカとゲッコウガやユキら、通信でそれを聞いていた他メンバーたちもだ。多くの人間やポケモンたちもユーベルのせいで夢への道を断たれたり大事な舞台をめちゃくちゃにされたりと被害者になったのだ。整った外見とは裏腹に残酷な行為を繰り返すこの男を何としてでも止めないといけない…!
ユーベル「まあ、そろそろ喋ることには飽きた。コンテスト理事員の仕事もつまらなく感じて来たし、また新しい何かを始めるか。今度は他の世界の人間を利用するのも面白いかもな…!」
ロコちゃん「きゃっ!?放して!」
ユキ「ロコちゃん!!!」
グレイシア「人質を取って逃げるつもりだ!…って大変!何か転がしてきましたよ!?」
そう言うとユーベルはユキの腕からロコンを奪い去り、駆け出していく。素早い逃走に翻弄されるものの、それと同時にイノリがあることに気付く。それは小型だが刺激を与えると大きな爆発を起こす火薬を内蔵した爆弾…!
ユキ「ロコちゃん!ロコちゃん!!!」
ゲッコウガ「あのままだと拙者らやユキ殿が…!作者!」
ユリカ「分かってるわ!…あんのクズ野郎がああああああああああー!!!!!」
最悪な事態を避けようとゲッコウガはユキを、ユリカはグレイシアを抱えて走り出す。そして次の瞬間…。
ドカァァァァァン!!!
一瞬視界が真っ白になり、それと同時に強烈な閃光と耳をつんざく地鳴りと爆発音が周囲に響く。幸い爆発の規模はそこまでではなかったものの、近くにいた作者と忍びポケモンは救うべきものたちを庇って倒れる。
奏「…あなたはあああああ!!!!!」
ユーベル「何だ、追って来た人間がいたのか?私が人質…いやポケモン質を抱えていることは分かっているのにか?」
人やポケモンの気持ちを弄ぶ悪党に心優しい少女は激怒し、パートナーと共にロコンを救い出そうと追尾性の光魔法で攻撃する!かわされるものの、攻撃の手を緩めず次々と追撃していく。
奏「あなただけは絶対に許さない!WSTが必ず正当な裁きを与えてみせる!」
ユーベル「やれるものならやってみれば良い!それにもし逮捕されたとしても大人しく猫を被ったり警官を誑かして早く出れば良いだけのことだ。…第一、人間もポケモンも絆や友情や愛情があっても全て無駄なだけだろう?」
イノリ「無駄って…!」
ユーベル「何が絆だ!ポケモンは人間より能力が勝るというだけで実際は数だけ多い癖に何も出来やしない自然廃棄物の癖にしゃしゃり出やがって!人間も人間だ!そんな下等生物の気を引こうとおべっかを使ったり金を掛けるだけでまるで家畜ごときに手間暇掛ける奴隷のようだ!人間も多くいればいるだけで大して役にも立たないクズだ!…お前たちもそうだろう?WSTなどと集まってお遊びごっこで戯れているが、どうせ異世界の人間のやることやいうことなんて分かり合えもしない!歌だろうが魔法だろうが人間もポケモンも自分が1番であれば何でも良いと考えている!それが性というものだ!他人を思いやり分かり合おうなど初めから馬鹿げている!」
利用できるものは何でも利用しようと考える黒幕の力は恐ろしく、人間とポケモンのコンビネーション攻撃を受け流したり交わしたりする。多くの人間やポケモンを騙し利用して来ただけのことはあり、ユーベルの力は他人より大きく勝っていた。
- ポケモンサマーコンテスト ( No.286 )
- 日時: 2016/08/07 21:15
- 名前: ユリカ (ID: 32zLlHLc)
一瞬の隙をついて2人で組みつこうとしたものの、ユーベルはそれを見逃さなかった。黒いトゲ付きの鎖を放ち、足に絡みつかせて奏とイノリの動きを封じる。急いで解こうとするも、鎖が絡まっており思っているように解けない。
イノリ「ううっ…」
ユーベル「縛ったものをその場に止めさせ、体力を奪う呪いの鎖。魔法のことを知っていたトレーナーづてだから中々のものだな。保険で手にしておいて正解だった」
ロコちゃん「イノリちゃん、奏ちゃん!」
奥の手を隠していた黒幕は奏とイノリに近付き、反抗してきた2人を足蹴にする。足に血が流れる中、ユーベルは手にしたアーミーナイフをちらつかせる。
ユーベル「他者は利用し、用無しになったら切り捨てるのみ。それ以上構うなんて時間の無駄だろう?お遊びごっこをしている暇に自分のスキルを磨いておけば生き延びられたものを…。大人しそうに見せて反抗する精神力だけはマシだったがな…」
まずはお前からだと真っ青になるイノリに醜悪な笑みを浮かべ、結びつきポケモンの主人にアーミーナイフを向ける。その笑みは「お前の信頼している仲間もどうせ同じことを考えているんだろう?」とでも言いたげだった。かわそうとするも、足に鎖が絡まっているせいで逃げられない…!彼女の息の根を止めようと心臓にアーミーナイフを突き立てようとする…!
ユーベル「絆もろとも消え去「うおおおおお!!!!!」
ぶすりとナイフを突き刺そうとしたユーベルだったが、突然第三者の声が響く。見るとユーベルは誰かに全身を使ったタックルを受け、吹き飛ばされていた。完全な不意打ちだったためユーベルは地に転がり、アーミーナイフは手から離れ遠くへ転がる。隙が出来たことによりロコンもユーベルの腕から離れ、急いで遠くへ逃げていく。
ユーベル「誰だ、私の邪魔をするのは!」
???「これ以上お前の好きにはさせない…!」
見るとそれは腹部を刺されたはずのスバルだった…。彼は怪我をしていたものの最後の力を振り絞り、ユーベルにタックルをした後動き出さないよう精一杯押さえつけているのだ。いくら少年といえど1人の人間が上に乗っているため自由に動くことが出来ず、ユーベルは暴れる。
ユーベル「離せ!このクソガキが!今度こそ息の根を止めてやるぞ!!!」
スバル「皆の大好きな夢の祭典を…。ポケモンと人間が、人間と人間が繋がる大事な場所を汚すな…!俺だけじゃなくユキのロコンにまで手を出した罪は大きいぞ…!!!」
傷は塞がっておらず時折顔を歪めるものの、決してユーベルを自由にさせまいと必死に押さえつけ続ける。自分より小さな存在が足掻き続けることに苛立ちを覚えるも、結果的にとりおさえられていることに変わりはない。
ユーベル「人間とポケモンが手を取り合うなど甘い考えなど通じる訳がない!人間は自分のエゴのためにポケモンを利用し、ポケモンはそんな人間を見くびって信用しない下等生物だ!どうして協力し合おうなどという考えが生まれる!?」
スバル「お前には絶対分からないだろうな…!最初から人間もポケモンも他人も信用しないで自分だけで何とか出来ると思っているお前には…!」
ユーベル「何だそれは…!」
苗木「あなたには一生分からないことですよ。自分の欲望のために他者を利用し続けるあなたには。…それだから今こうされているんじゃないかな?」
声をした方を向くとそこにはいつの間に集合していたWSTメンバーの姿があった。逃げ出したロコンは凛音の腕に抱かれ、奏とイノリの鎖は日向のジャバウォックでとっくに切られていた。複数の人間に周りを囲まれ、完全に形勢逆転している。
日向「…確かに絶対分かり合えない奴らはいるだろうし、付き合いや繋がりを持っていても訳分かんない部分もある。いくら仲の良い奴だろうと良いところや悪いところはそれぞれあるさ」
凛音「だけどそんな人たちが手を取り合えばお互いの良いところを生かしたり悪いところを直したり出来るの!1人だけじゃできないこともお互いが理解し合えば何とかなったり、前よりもっと強くなれるの!」
マリオ「それは人間同士だけじゃない、ポケモンだろうが魔族だろうが同じだ。俺も任天堂ヒーローとして多くの場所に行ったり旅をして来たが、それは1人じゃ成し遂げられないことだった。弟のルイージや大切なピーチ姫、ヨッシーやライバルのクッパやワリオ。そいつらの力あってこその場面もある!」
苗木「心を通い合わせた大切な仲間となら嬉しいことや楽しいことはさらに膨れるし、辛いことは軽減出来るんだよ。人が人を育て、仲間の和が広がっていくんだよ。まあ、分かんない人に言っても無駄かもしれないけどね。…奏さん、やられた分はしっかりお返ししてあげて。けじめはちゃんと付けないとね」
彼らの脳裏に浮かぶのはこの事件のために協力してくれた大切なパートナーの姿。依頼のため衣装やアクセサリー、小道具をかき集めてきたギルドの仲間たち。同じステージで競ったライバル、夢破れ自分たちに後を託した被害者たち…。その思い全てを噛み締め、十分に力を込め…!
奏「イノリ、ムーンフォース!」
イノリ「これは今までバカにして来たポケモンたち全部の分よ!」
心を通い合わせたパートナーの存在はイノリにより大きな力を与え、最大級のパワーのエネルギーを放つ。スバルが退いた隙をついて逃げ出そうとしたユーベルだったが光の光線は的中し、相手を大きく吹き飛ばす。光線は相手ごと大きく押し出し、最後は待機させておいたパトカーに突っ込まれていった。
ユーベル「何故だ…。何故こうなったのだ…?」
イノリ「そんなの当たり前よ…」
奏「あなたが絆や信頼を軽んじていたからじゃないですか?」
人間にせよポケモンにせよ、時としてとんでもない力を発揮することがあるのだ…。
- ポケモンサマーコンテスト ( No.287 )
- 日時: 2016/08/07 22:16
- 名前: ユリカ (ID: 32zLlHLc)
後日、事件の整理をしようとWSTメンバーたちはギルドに集結していた。ケガをしている人物はいたものの後遺症はなく、何とか全員動けるまで回復していた。
その後事件の黒幕であるユーベルは警察へと引き渡された。そして今までの犯行をも暴かれることになった。聞くとユーベルは今回の件の他にも恐喝や犯罪を繰り返していた。その後彼は神々の判断により、警察とは違う場所へと連れて行かれた。その件についてはあまり詳しく言えないが、いつもはおちゃらけているクレイジーハンドが「世の中には知らない方が幸せなこともあるぜ?」と冷たく言い放ったそうだ…。
ルカリオ「聞いた話によるとあのユーベルという男、想像以上の悪党だったようだ。各地方で名前や顔を変えて色々仕出かして来たらしく、国際警察がマークしていた人間らしい」
ゲッコウガ「きっと金やその場所で得た権力を利用して悠々自適な暮らしを送っていたのだろうな…。外面は良いのだ、騙された人間も多かっただろう…」
彼の話の通りユーベルは元々有名な資産家に生まれ、幼い頃から英才教育を受けて来た。何をするにも苦労しない環境で育った彼はたまたま才能に恵まれ、周りもユーベルを神童だと持ち上げ、彼に取り込もうとした。このことは結果的に彼にとって最悪な方向に転がっていった…。
凛音「自分は選ばれた人間だって選民思考を持つようになったんだね。周りの人たちも何でも言うことを聞くからやりたい放題…」
日向「それで性格も大きく歪んだんだろうな。人より何でも出来るから他人なんかと思うようになる。自分に近付いてくる人間を基本的にバカにしているし、ちやほやされてるからさらに自分は何でも思い通りにいくと思うようになる…。悪循環にもほどがあるな;」
マリオ「才能があるっていうのもある意味考えものかもな」
苗木「確かにそうかもしれないけど、でもまだやり直したり周りがブレーキを利かせることは出来たはずだよ。普通の人間だろうが特別な人間だろうが変わりない部分もあるんだし。超高校級の才能を持つ皆だってそうじゃないか。…だから不幸な環境に思うところはあるけれど、同情出来るとは思ってないよ」
意見を交わし合う中、ポケモンたちへの態度へ移る。人間の思考やコントロールの仕方を把握し切ったユーベルだが、高い能力と優れた理解力を持つポケモンはそう上手くいかなかった。これにより彼はポケモンに対して強い怒りと恨みの感情を抱くようになり、それと同時に人間とポケモンが手を取り合うことも馬鹿馬鹿しいと考えるようになった。
シルヴィア「自分が初めて思い通りにいかないことだったから、さらに考えが歪んだのね…;」
あべたかかず「そんな思考でよくポケモン世界で生きて来れたな…。うわあ…;」
今回の件についてはより詳しくまとめ、分析する必要があると結論付ける中、ギルドに来客がやって来た。見るとそれは今回の事件に大きく関わることになったユキとスバルであり、傍らには彼らのポケモンたちが主人に甘えていた。ちなみにスバルはその後WSTの治癒四天王たちや治癒能力の使い手たちの奮闘もあり、より早く完治出来たのだった。
ユキ「今回は本当にありがとうございました!あの人からロコちゃんを助けて貰って…!」
ルカリオ「当たり前のことだ。人質を取られる環境にしてしまった我々にも責任があるからな。今回のことは巻き込まれたこともあるから大変だっただろうが、頼れるパートナーたちと共に夢に向かって邁進していって欲しい」
エルブ「そういやお前、いつユーベルが怪しいと思ったんだ?迷わずタックルをかましたみたいじゃないか」
スバル「いや、その…。実は調整が終わってトイレから帰って来る途中、変な物音が聞こえたんだ。嫌な予感がして見てみたら血塗れの人間をゴミ箱に突っ込んでいるユーベルの姿があって…!警察や警備員に報告しようと離れたんだけど見つかって刺されたんです;」
マージ「口封じのために始末する予定だったのかもね。でもケガだけで済んで何よりだわ」
なのはさん「本当、不幸中の幸いだよね。しかも最後の最後であいつの動きを封じた挙句ロコちゃんを助けたのよ。もう大手柄なんだから!」
スバル「そんなの大したことじゃないし、これ以上奴の好き放題させて堪るかって体が動いてただけです。それに俺、あの時ピリピリしてて迷惑掛けたみたいだし…。そのことはすみませんでした;」
奏「気にしてないから大丈夫。本当に助けてくれてありがとうございました!」
ユキ「うん、何度も言うけどロコちゃんを助けてくれて本当にありがとう…!2回も助けて貰ったね。すごくカッコ良いよ…!!!ね、ロコちゃん」
ロコちゃん「うん!」
スバル「いや本当に大したことじゃないから!もう恥ずかしいから何度も言うのはやめたくれ…!!!」
ユリカ「…さ、そろそろおやつにしましょうか。皆にも贈り物や差し入れがたくさん来ているのよ!食べられなくても知らないからね?ユキちゃんたちも食べてね」
グレイシア「わざわざありがとうございます、恩に着ます;」
少年の腕にしがみ付く少女の姿は微笑ましく、見ていた一同も和む。作者がそんな一同を促し寄せられた差し入れ(No@hさんからリラックスミントティーと茶菓子、ポケモン用に美味しい水とメンタルケア用ポフレ)を食べようとするも、テンションの上がったマリオとあべたかかずが服を脱いで裸舞の舞を披露しようとしたためルカリオとゲッコウガと苗木と日向に殴られたのは言うまでもない。
誰もいなくなったギルドのリビング。そこには5つのヒマワリをかたどったトロフィーと額縁に飾られた写真があった。そう、彼らは優勝したのだ。そこには新緑の剣を構えるジュカイン、白い翼を優雅にはためかせるトゲキッス、キュートにダンスを披露するニンフィア、妖艶な笑みを醸し出すムウマージ、そしてパートナーとお揃いのポーズを決めるたくましいカイリキーの姿が鮮明に映し出されていた。
おしまい
「登場人物紹介」
・ユキ
カロス出身だがカロス人の父とカントー人の母の間に生まれた新米トレーナーの少女。朗らかで心優しい少女であり、大会に参加していた奏と仲良くなった。初めて出場した大会で惨敗し、その際励ましてくれたスバルに好感を持つ。その後夢に近付くため、もしかしたら再びスバルに会えるかもしれないという期待も込めてサマーコンテストに参加したものの、事件に巻き込まれることになる。パートナーはロコンのロコちゃん。
・スバル
シンオウ出身の実力派ポケモンコーディネーター。性格は自他共に厳しいが本来は親切で責任感の強い少年。だが大会中は妨害の件でピリピリしていた一面もあった。コンテスト前の調整中、たまたま黒幕の犯行を見てしまい口封じに襲われるものの、最後の最後で一矢報いる。パートナーはグレイシア。ちなみに♂。
「あとがき」
というわけでポケモンコンテスト関係の依頼のお話でした。ポケモンは大好きだしこうして書けて嬉しい部分が大きいです。演技の描写と襲撃犯の取り調べには大きく力を入れました。始めスバルが黒幕かと考えた人は挙手(笑)。
黒幕は意外な形になったものの、割と上手く表現出来たのではないかと思ってます。それに同士でも意思疎通や信頼しあうことは難しいんだから、人間とポケモンならもっと難しいんだろうな…と書いていて思ってみたり。最後に言いますがポケモンが好きな皆さん、ポケモンをプレイしている皆さん、本当に申し訳ありませんでした;…関係ないですがユキちゃんとスバルは書いていて気に入ったのでいつかまたどこかで出してあげたいなと思ってます。
長かった;感想OKです