二次創作小説(映像)※倉庫ログ

【すべてはここから始まる】 ( No.4 )
日時: 2015/12/13 19:11
名前: マルガリータ ◆Ywb2SqBO2Q (ID: CjSVzq4t)
参照:

 「よろしくな、ハリマロン!」

 カルムにそう呼ばれ、針鼠のようなポケモン──ハリマロンは嬉しそうに声をかけ、カルムの手を掴んだ。
 セレナやアイニスもポケモンが決まったそうで、それぞれのパートナーに呼び掛けている。
 セレナはフォッコの頭を撫でて、声をかける。

 「アタシはセレナ。よろしくね、フォッコ」
 「ぁぁぁ……よろしくね、ケツマロ……」

 アイニスはケロマツを抱き締め、うとうとしている。名前を間違えられ、ケロマツは不満そうに声を上げた。
 暫く黙っていたトロバがあのう……と口を開く。

 「僕も預かってきたものがあるんです。言い変えれば、ポケモンを深く理解する為のものです」

 そう言ってトロバが差し出して来たものは、薄い機械のようなものだ。

 「なぁにこれ……?新しいタブレット……?」
 「違います。ポケモン図鑑です。出会ったポケモンを自動的に記録していく、ハイテクな道具なんです。因みにプラターヌ博士は、僕たちがポケモンと旅をして、図鑑を完成させることを期待なされています。言い変えれば僕たちの大事なミッションなんです……きっと」
 「もう!トロバっちは真面目なんだから。カルやん、博士からの手紙、君のママに渡してだって!」
 「博士が母さんに?……一体何なんだろ」

 訝しげに首を傾げ、ティエルノからの手紙を受け取る。宛先には「サキへ」と書かれている。

 「よーし!博士に頼まれたおつかいも無事に済んだし、僕とトロバっちとサナっちは、ポケモンを探すとするよ!」
 「よーし、じゃあね!みんな」

 ティエルノ、トロバ、サナは立ち上がり、メイスイタウンを後にして行った。

 「よし、僕も母さんに手紙を渡そうっと!行くぞ、ハリマロン」

 ハリマロンのモンスターボールをバッグにしまい、ハリマロンを左側の肩に乗せる。本当なら戻しても良かったが、もう少しハリマロンと触れ合っていたかったからだ。

 ◆

 「ただいま!」

 アサメタウンに戻り、自宅に帰るとサキがこちらにやって来た。

 「お帰りなさいカルム。お隣さんと何してたのって……そのポケモンは!?」
 「母さん見てよ、ポケモンをもらったんだ!ハリマロンだよ」

 肩にいるハリマロンは片手を上げてハリマローと鳴いた。

 「そっかあ、あなたもトレーナーデビューね、おめでと!!」
 「あ、あと、これ」

 カルムはサキにプラターヌ博士の手紙を渡す。

 「差出人はプラターヌ?何これ、ラブレターなの?」
 「それはないから」
 「何か言った?」
 「いえ、何も!」
 
 ボソリと呟いていたのに聞こえていたとは、やはりサキは地獄耳である。
 サキはプラターヌ博士の手紙を目で通した後、手紙をしまい、こう言った。

 「カルム!ハリマロンとあなたの旅の準備をしましょ!」

 うん!と頷くカルムだが、先程の言葉をリプートさせる。
 "ハリマロンとあなたの旅の準備をしましょ!"
 "ハリマロンとあなたの旅の準備をしましょ!"
 "ハリマロンとあなたの旅の準備をしましょ……"

 「えっ……ええええええ〜〜!!!??」

 本日二度目の絶叫がアサメに響き渡る。