二次創作小説(映像)※倉庫ログ

生と死の狭間で【ポケモンXY】 ( No.8 )
日時: 2016/02/17 23:58
名前: マルガリータ ◆Ywb2SqBO2Q (ID: f/YDIc1r)
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 そんなこんなで始まったカルムと相棒のハリマロンの旅。どうしてこうなったのかわからないが、サキは「ポケモンと一緒の旅は素敵なことよ」とのことで荷物を旅用の運んでくれたり、着替えなどを持って来てくれた。
 カルムもポケモンとの旅に憧憬を抱いていたので、異議は無しだ。
 サイホーンと共にいってらっしゃい!と声をかけてもらい、旅が楽しみになって来た。

 「よろしくな、ハリマロン!」

 マロハリー!
 パートナーはにっこりと笑い返してくれた。

 ◆

 ハクダンの森。其処には沢山の虫ポケモンが生息しており、その森を抜けると、次の街ハクダンシティが見えるのだ。
 森なので薄暗く、少々不安だが、ハリマロンがいるので安心だ。
 カルムが森の中を歩き回っていると、サナに呼び止められる。

 「カルタロ!一緒に行こっ♪一緒だと何だかワクワクしそうなんだもん♪」
 「おっ、良いよ!一人で行くより二人の方が心強いしね」

 互いの意見が一致し、カルムとサナは一緒にハクダンの森を抜けることに。

 「ねぇ、カルタロ。この森にはね、ピカチュウっていうポケモンがいるんだって!」
 「ピカチュウ?」
 「とーっても可愛いポケモンで、電気タイプのポケモンなんだって!だからね、あたしこの森でピカチュウに会ってゲットするんだ♪」

 カルムはピカチュウ見たことが一度もない。見たことあるとしたら、サキのサイホーンにヤヤコマ、そして、ハリマロンたち位だ。なので、ピカチュウがどんなポケモンなのか興味があった。

 「いいな!僕もピカチュウを見てみたい!」
 「でしょ?一緒に探そうよ!」

 カルムとサナは一緒にピカチュウを探すことになった。
 しかし、どれだけ探しても、どれだけ呼んでも、結局ピカチュウらしきポケモンは姿を現さなかった。

 「ピカチュウ見つからないね……」
 「見つかるのは、虫ポケモンとヤナップたち位だ……」

 探し疲れてぐったりと座り込むカルムとサナ。
 ピカチュウは滅多に姿を現さないポケモンだとトロバから聞いたとサナは言っていたので、もしかしたらピカチュウはこの森にはいないのだろうか、と絶望し始める。
 いいや、そんなことないとカルムは打ち消し、立ち上がる。

 「僕は諦めないぞ!必ずピカチュウを見つけてやる!」
 「サナも!」

 カルムとサナは元気を取り戻し、もう一度ピカチュウを発見しようと再開する。
 そんな時、カルムの頭上から何かが落下して来た。

 「わっ!何だ?」
 「!カルタロ、ピカチュウだよ!」
 「えっ、本当!?」

 『No.36 ピカチュウ 鼠ポケモン
赤い頬っぺたは電気袋であり、元気のない仲間に分け与えることが出来る。ピンチの時には放電する』

 カルムの帽子の上に乗ってきたのは、黄色い体にピン、とたった先端が黒い耳、愛嬌たっぷりの顔立ちと瞳、そして、ギザギザの尻尾にはハートのような形になっている。このポケモンこそが、カルムとサナが探し求めていたポケモン、ピカチュウである。
 ピカチュウは小悪魔のようなと笑みを浮かべて……電撃を放った。

 「ぎゃあ♯∝∽Aヱヴ♪ゐΔヱ¶∝♭ゐヵ!!?」

 ピカチュウの電撃を受け、人形の糸が切れたかのように倒れるカルム。
 サナはカルムに駆け寄る。

 「カルタロ、大丈夫!?」
 「な、何とか……」

 サナに支えられて、後頭部を抱えながら上半身を起こす。
 ピカチュウは、悪びれた顔もせず、クックックッと片手に口を寄せて笑っている。その片方の手には、カルムのお気に入りであるサングラスがあった。
 あれは、僕の大切な、サングラスだ。カルムはピカチュウが持っているサングラス目掛けて手を伸ばす。

「! それを返せ!」

 しかし、ピカチュウは嫌だよぉ、と言わんばかりにあっかんべーをし、走り去っていく。それを、カルムが見過ごす訳にはいかなかった。