二次創作小説(映像)※倉庫ログ

【毬栗から棘鎧への進化】 ( No.109 )
日時: 2016/02/18 00:50
名前: マルガリータ ◆Ywb2SqBO2Q (ID: f/YDIc1r)
参照:

「ズルッグ、ずつき!」
「棘を固めてガードだ!」

 ズルッグはハリマロン目掛けて勢いよく頭突きをかますが、ハリマロンは頭部にある棘を固めて頭突きを防ぐ。
 ハリマロンの棘がズルッグの頭に当たってしまい、ズルッグは悲鳴を上げて後退した。

「ズルッグ、だましうち!」
「ハリマロン、つるのムチ!」

 後退するズルッグだが、何とか姿勢を直して、ハリマロンを打つ。
 対するハリマロンは緑色の鞭で向かい打つ。
 つるのムチとだましうちが弾かれる。

「……中々やるな」
「僕のハリマロンを甘く見ちゃ困るなあ。何たって、一緒に旅をしてきたんだから」
「そう笑っていられるのも今のうちだ!ズルッグ、いばる!」

 ズルッグはハリマロンに胸を張って威張る。
 ハリマロンは文句を言い出すかのように鳴き声を上げて、目を吊り上げる。そして、つるのムチでズルッグを叩き付けようとしたり、ころがる攻撃を繰り出す。
 いばるは、相手のポケモンの攻撃力を上げる代わりに、相手を混乱状態にさせる損と得の技だ。
 混乱状態はトレーナーの指示に訊けず、訳もわからなく自らを攻撃したりする厄介な状態異常。これは辛い。

「わわっ!」
「ハリマロン……!」
「この隙にズルッグ、だましうち!」

 ズルッグはハリマロンを打ちまくる。
 混乱状態なのか、ハリマロンはズルッグの攻撃を受けている。
 更にハリマロンは先程の戦闘で毒状態のまま。これはキツい。

「ズルッグ、とどめのずつき!」

 勢いよく頭突きをされ、ハリマロンは地面に衝突した。体がボロボロである。
 カルムはハリマロンの元に駆け寄る。

「ハリマロン!!」

 カルムの支えを余所に、ハリマロンは立ち上がる。しかし、戦闘のダメージを負っているせいか、膝をつく。

「もうよせ、僕はお前に無理してまでも戦って欲しくない。ボロボロになってまで強くなって欲しくないんだ」

 カルムの言葉が、ハリマロンの頭を殴ったかのような衝撃が走る。
 強くなって欲しくない……?それって、ぼくはいらないポケモンだから……?プリズムタワーでカルムを落としちゃったから……?
 ハリマロンの心の中が不安で覆い尽くされる。

「僕は意地っ張りなお前じゃなくて、いつものお前が好きなんだ。友好的で優しいお前が。確かに強くなりたいのはわかる。だけど、そこまでしなくても良い。少しずつで良いから、僕と一緒に強くなろうぜ?」

 微笑むカルム。いつだって彼は優しい。その優しさがあるからこそ、今の自分がいるんだと改めて実感した。その実感は、ハリマロンの決意を固まらせた。
 手を差し伸べてくれた。一番始めに選んだくれた。それが一番嬉しくて、やっと、自分の生きる道を見出してくれた。だから、ぼくは、あのポケモンみたいに、強くなりたい。カルムと一緒に、前に、出たい。

 瞬間、ハリマロンの体が光を帯び始める。苔よりも明るく、綺麗な光。
 カルムたちは驚愕した。

「これって……!」

 光が消えた時には、ハリマロンの姿がなくなったのと同時に、別のポケモンがいた。
 長く尖った鼻に、丸い体、そして、二本の棘が生えたポケモン。

『No.2 ハリボーグ 棘鎧ポケモン
体を覆う頑丈な殻で、敵の攻撃を弾き返す。自ら戦おうとしない友好的な性格』

「ハリマロン……お前、進化したんだな!」

ハリボー!

 ハリボーグは頷いた。
 進化によって、今までの傷や毒も治っていた。

「何だと!?だが、進化したって何が変わるんだ!ズルッグ!」
「ハリボーグ、お前の力を見せてやれ!」

 ハリボーグは両手を地面に叩き付ける。
 すると、地面から草が生えて、ズルッグを攻撃した。見たことのない技だ。
 図鑑によると……くさのちかいという技らしい。
 くさのちかいを受けて、ズルッグは倒れた。


カルム vs フレア団のしたっぱ
ハリボーグ ズルッグ(瀕死)

winner カルム