二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 【毬栗から棘鎧への進化】 ( No.110 )
- 日時: 2016/01/28 18:44
- 名前: マルガリータ ◆Ywb2SqBO2Q (ID: 8R/poQo9)
- 参照:
ハリマロンの想いが進化を遂げた。カルムを守りたいという強い想いが、ハリマロンをハリボーグにさせたのだ。
ハリマロンとカルムはハイタッチを交わし、サナは良かったねー♪と声をかける。
フレア団のしたっぱはぐぬぬ、と唇を噛み締め、ズルッグをモンスターボールの中に戻す。
「お前ら……一体何者なんだ!オシャレスーツが台無しになったじゃないか!」
「通りすがりのポケモントレーナーですが、何か?」
「ああいう、戦闘中にピンチになってトレーナーの期待に応えようとしてポケモンが進化するってパターンが嫌いなんだ!もう一回……と言いたいところだが、此処にはもう用はない。金になりそうな化石もねぇし、『ディアンシー』もいない。何なら此処は用済みだ!」
「お、覚えてろ!」
よくわからない単語を残し、フレア団の団員は逃げて行った。これで次に進める。
自分が幸せになる為なら手段を問わないオシャレ組織(仮)フレア団。彼等とは今後また対峙することになるだろう。その時には、彼等を率いるボスや幹部もいるかもしれない。その時は、倒すまでだ。
背後から、白衣を着た男性が化石を抱えながらやって来た。彼が助手だろうか。
「やぁ、君たちも化石を探しに来たのかい?」
「大丈夫……なの?フレア団来なかった?」
あまりにも平然とした表情をしている男性を見て、サナは訊ねる。フレア団と遭遇しなかったのだろうか。
サナの質問に対し、男は首を傾げて
「ふれあだん……?なにそれポケモン?」
化石を探すのに夢中だったらしく、周囲のことがよくわからなかったらしい。
男がやって来たのは、ポケモンバトルの音に気付いてやって来たのではなく、化石を見つけたので帰宅しようとしていたのだ。
カルムとサナは半分安堵と半分呆れた溜め息をつく。
「そう言えば、君たち。今化石を見つけたんだ。とはいえ、既に見つけたものだから、君たちに分けてあげたいんだけど……一つしかなくてね。どちらか貰うか、決めてくれないかな?」
二つなら分けてあげられるが、一つでは分けられないのもある。だからと言って奪うことは禁忌である。
サナはどうしよっか、とカルムを見る。
すると、カルムは紳士が行う挨拶のポーズを真似て、
「レディーファーストでどうぞ?」
容姿はイケメンである彼には似合っているが、性格が軽い為、何だか不自然さを感じた。
化石はサナが貰うことになり、サナは七色に輝く化石──鰭の化石を手に入れた。
「化石は化石研究所で、ポケモンに復元しますよ!せっかくなので、一緒にコウジンタウンに戻りましょう!」
◆
助手と一緒にコウジンタウンに戻った後、カルムたちは化石研究所に寄り、鰭の化石を復元してもらった。
鰭の化石から復元されたポケモンは、アマルスという恐竜のポケモンで、大きな睫毛と愛らしい瞳の持つポケモンだ。
かつてアマルスは一億年前、氷付けにされていた体の一部らしく、寒い土地に生息をしていたポケモンだ。見た目通りおっとりした性格だ。
アマルスを見たサナは可愛い!と興奮をして抱き締めた。可愛いもの好きのサナだ。可愛いアマルスを見て可愛いと言わない筈がない。
化石研究所を後にして、カルムとサナはコウジン水族館にいた。
ショーケースのガラスの向こうから、水中を気持ち良さそうに泳いでいる水ポケモンがおり、それを興味津々に見る男児と幼女がガラスにくっついている。
それに釣られて眺めるカルムとサナ。
数時間が過ぎて、二人は水族館の出口に出た。
暫く黙っていた二人だが、サナが沈黙を撃ち破ってカルムに話かける。
「あのね、カルタロ。あたし、男の子と一緒にサイホーンと乗ったの初めてなんだ。だから、カルタロと一緒にサイホーンに乗った想い出、大切にするね!」
「……そっか」
「おかげでアマルスちゃんとも出会えたし、これでまた大切な想い出が増えたよ!ありがとう、カルタロ♪これからエネコちゃんとペロッパフちゃんにアマルスちゃんのことを紹介したいから、あたしもう行くね!じゃあね♪」
「ああ、また会おうぜ!」
8番道路にへと消えていくサナ。
カルムは手を振り返して、彼女を見送った。
サナが消えて、カルムは手を振るのをやめて踵を返す。