二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 【壁】 ( No.128 )
- 日時: 2015/09/12 23:17
- 名前: マルガリータ ◆Ywb2SqBO2Q (ID: v6.r5O3g)
- 参照: キャラ崩壊注意
ブティックで新しい服を購入して、外に出るカルムとセレナ。
カルムは下を向いて、服装を確認する。今までずっと青ジャージを着ていた為、半袖のTシャツに黒のカーゴパンツとは新鮮だ。まるで自分が別人のようだ。
セレナの服装や髪型が違っていたことには当初は驚いていたが、今ではもう慣れている。
本当、僕のお母さんみたいだ。
「セレナは次どうするの?」
「アタシはショウヨウジムに行くつもりよ。貴方は?」
「僕は街を回るよ、新しい服を着ているからか、何だかジムどころじゃないんだよ!もう嬉しくって!」
キラキラとした眼差しでセレナを見るカルム。毎日同じ服を着ているカルムからすれば、新しい服を着るということは滅多にないからか、とても嬉しそうだ。
セレナは呆れ顔を浮かべて、そ、そうと言った。
「ということで僕はもう行くよ!ジム戦頑張ってね"お母さん"?」
ヒラヒラと軽く手を振り、10番道路の中へと消えて行くカルム。
それを見て、セレナは溜め息を吐き、困惑した顔を浮かべる。
「……貴方を育てた覚えはないんだけどね」
◆
新しい服を着て上機嫌になるあまり、ハミングをしながら歩く。かつて幼馴染みと視聴していた、突然変異した4匹の亀が悪と戦うアニメの歌だ。
10番道路の先を進むと、数え切れない程の巨大な謎の石が並んである。一見、ただの飾り付けのようにしか見えないが、近くで見ると何とも言えないエネルギーが発せられている。
その石の魅力に惹かれたのか、多くのバックパッカーやサイキッカーが訪れている。
話によると、アクロマという男性がこの石には何かしらのエネルギーを放っているらしい。
もしかしたらこの石は、メガシンカに関わっているのではないか、と思い始める。
もっと奥に進んでみようと思った。
歩き続けていると、とある光景が視界に入る。
「やっと見つけたぞ……イーブイ!」
『No.77 イーブイ 進化ポケモン
様々な進化の可能性を持つ珍しいポケモン。不安定な遺伝子により、厳しい環境に対応することが出来る』
赤い服と赤い髪が特徴的な男性が、ポケモンを見て、襲いかかろうとしていた。
そのポケモンは、雪のように真っ白な白銀の体を持ち、兎と同じ位の長い耳、そしてつぶらな瞳をした可愛いポケモンだ。
首にあるモフモフと大きな尻尾を見た瞬間、カルムの頬は赤く染まり、手をわなわなと震わせる。
「かっ……可愛いッ!!あの毛皮をモフモフしたい!あのポケモンをスリスリしたい!あのポケモンを抱き締めてみたいッ!!!」
▼ カルムは メロメロに なった!▼
可愛いは正義というのは、正にこういうことなのだろう。良い子の読者さん、もしくは閲覧者さんは決して真似をしないでね。
銀色のポケモンに夢中になっているカルムだが、赤い服の男を見て、我に帰った。
赤い髪に赤い服、そして、赤いサングラス、何処をとっても赤ずくめの男には見覚えがある。
「ふひひひ……こいつを捕まえて女王に渡せば、給料も上がるぞぉぉ!」
黒い手袋が怯える銀色のポケモンに向けられた。 瞬間、
ニャパァ!
謎の光線がフレア団とポケモンの間を遮る。
謎の光線により、煙が発生し、視界を防ぐ。
晴れ上がった後、フレア団は謎の光線が発した場所に顔を向ける。
カルムと目が合った。
カルムを見たフレア団は顔を青ざめて、
「ひいええええーーー!!!」
だらしないな、と呟くとカルムの意見に賛成するかのようにニャスパーは頷いた。
カルムはニャスパーにお礼を述べてニャスパーをボールの中に戻し、イーブイがいた場所の元に歩み寄る。
「もう大丈夫だぞ……ってあれ?」
既にイーブイはいなかった。どうやらサイケこうせんが発した煙を利用してその場から逃げてしまったのだろう。ともあれ、フレア団からイーブイを守れて良かった。
「……モフモフしたかったけど、ま、いっか!」
そろそろショウヨウシティに戻るとしよう。きっとセレナのジム戦も終わっている筈だ。
カルムは踵を返して10番道路を出た。
「……ブイッ」
銀色のモフモフが見ていることに知らず。