二次創作小説(映像)※倉庫ログ

ポケモン 不思議のダンジョン カルムとハリマロンの冒険 ( No.135 )
日時: 2015/09/17 22:56
名前: マルガリータ ◆Ywb2SqBO2Q (ID: 9/mZECQN)
参照:

 ハリマロンに手を引かれてやって来たのは町だった。
 ポケモンをモチーフにされた建物、噴水などがあり、カロスの町とは大して変わらない位、にぎやかだ。
 ──否、変わっているのは、ポケモンがいること位だろうか。
 幾多のポケモンたちが買い物をしていたり、ポケモンたちが会話で花を咲かせたりしている。此処に住むポケモンたちは、それが当たり前なのかもしれないが、人間の僕(今は元だけど)から見れば、どうも人間くさい。
 ハリマロンと僕が歩く中、ポケモンたちはハリマロンに声を掛けている。やぁハリマロン!今日も元気かい?そのポケモンは誰?
 ハリマロンは手を振ってポケモンたちに答える。おはよう!ぼくは元気だよ!また後でね! とてもフレンドリーである。ハリマロンは初めて僕を見た時も普通に接していたし、ハリマロンは誰とでも仲良くなれるのかもしれない。
 ハリマロンを見ていると、懐かしい感じがした。僕が人間だった頃もハリマロンがいたのだろうか。……でも、何だか思い出せない。ハリマロンの他に、多くの仲間たちがいた筈なのに、今では思い出せなくなった。覚えていることは、名前と僕がカロスを旅するトレーナーだったこと、何となくだけどポケモンの名前を知っていること位かな。手持ちのポケモンやライバルのことは忘れてしまったけれども。
 もしかしたら、僕は人間だった頃ハリマロンと出会っていたのかもしれない。
 ハリマロンは僕に声を掛ける。

「此処はポケモンタウン!お買い物のが出来る町で、ぼくが住んでる町なんだ!この町は綺麗だし、ポケモンたちは優しいし、カルムもきっと気に入るよ!」
「「「おーい、ハリマロン!」」」

 ハリマロンがポケモンタウンについて説明した後、ポケモンたちがハリマロンを呼ぶ声が飛んで来た。
 それに吸い込まれるかのように、ハリマロンは僕の手を引いて、声が発生したところにまで向かう。
 其処には三匹のポケモンが立っていた。一匹目は黄色い体にハート型の尻尾、長い耳の先端が黒、そして、赤い頬袋が特徴のポケモンだ。二匹目は青色の体に背中に甲羅を背負ったポケモン。三匹目は灰色の小柄な体に紫色の丸い瞳を灯したポケモンだ。三匹はハリマロンの友人なのだろう。

「ピカチュウ、ゼニガメ、ニャスパー!おはよう!」
「おはよう、ハリマロン君!」
「俺たち、今からハリマロンの家に遊びに行こうとしたんだ。ナイスタイミングだな」
「そうなんだ!……あ、みんなに紹介したいポケモンがいるんだ!カルムだよ!」

 目線が一気に僕の方へと集まる。
 ハリマロンは笑顔を浮かべていて、ピカチュウはきょとんとしており、ゼニガメは顔を歪ませて、今にも泣きそうな表情をしており、ニャスパーは無表情である。
 僕はよろしく、とみんなに挨拶をした。
 ピカチュウはふーん、と素っ気ない返事をして前に出る。

「カルム、ねぇ。アタシはピカチュウ。言っとくけど……アタシと出会ったからには、気を付けてよ?アンタが無防備だと……」

 ピカチュウは小さな手を僕の方に差し伸べた。
 僕は握手なのだろうと解釈し、何も考えずにピカチュウの手を掴む。
 ピカチュウがほくそ笑んでいることには気付かず。
 その瞬間。


「うわぁぁ♪☆$*〇ゝー〃≒∧⊆⊇⊂↓⇒⇒⇒〓↑⊆!!!」
「──悪戯しちゃうから♪」


 ▼僕は ピカチュウ の でんきショック を食らってしまった!▼


「ピカチュウったら、気に入った相手に電撃するんだから……」
「次は……俺だな。ニャスパーです、よろしく、カルム」
「よろしく!ニャスパー」

 ニャスパーはクールな性格らしく、常にポーカーフェイスである。可愛らしい容姿とは裏腹にニャスパーは♂らしく、一人称が俺とは……以外である。
 そして、最後にゼニガメ。なのだが……。

「ゼッ、ゼ、ゼ、ゼ、ゼニガメです……。よ、よろしくお願いしますぅ……」

 顔を歪ませて、赤眼を涙で溢れさせているゼニガメ。何もしていないというのに、何だか罪悪感が芽生えてしまった。

「ゼニガメはとても人見知りで、初めてのポケモンに会うといつもこうなんだ……。親しくなれば大丈夫だけど」
「本当、いい加減にして欲しいわ」
「よ、よろしくね……」

 ……本当に大丈夫なのだろうか、不安になって来た。
 みんなどれも個性的な性格だ。ハリマロンはこんなポケモンとも仲良くなれるとは、大したものだ。それに、彼等を見ていると何だか懐かしい感じがする。ハリマロンと同じ感覚だ。もしかしたら、僕は彼等と出会っていたのかもしれない。彼等と接すると、記憶が少しずつでも蘇って来るのかもしれない。そんな淡い期待を抱き始める。暫くは、彼等といる方がいいかもしれない。