二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- ポケモン 不思議のダンジョン カルムとハリマロンの冒険 ( No.137 )
- 日時: 2015/09/20 01:25
- 名前: マルガリータ ◆Ywb2SqBO2Q (ID: 9/mZECQN)
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ゴーストの洞窟は名の通り薄気味の悪い洞窟で、ムウマやゴースといったゴーストタイプが生息している。これもニャスパーたちに怖がられている理由の一つなのだろう。此処の洞窟に入るポケモンは勇敢か馬鹿位しかいないだろう。最もピカチュウは馬鹿でも勇敢でもないが。
ピカチュウは何故この洞窟に入ったのだろう。この洞窟の噂について知っていながら入るなんて、何か理由があるのだろうか。僕はピカチュウではないのでわからない。とにかく、ピカチュウは此処にいる。早く助けなければ。
暫くハリマロンと歩いていると、一匹のムウマが現れた。
「ベロベロバァ!」
「うわぁ!!」
ムウマはハリマロンを驚かし、ハリマロンは驚きのあまりに怯んでしまう。
それを見たムウマはもう一度ハリマロンを驚かそうとする。
何とかしなくちゃ!そう思った僕は自分でも気付かずに技を使ってムウマを攻撃する。
「たぁぁッ!」
ムウマに攻撃をすると、ムウマは攻撃を食らって逃げていった。
僕はそれを呆然と立ち尽くしていた。
夢中だったから気付かなかったからわからなかったけど、僕……技を使ったんだ。姿だけだったから実感が湧かなかったけど、僕本当にポケモンになっちゃったんだ。
ぼうっとしていると、今まで怯んでいたハリマロンが駆け寄って来るのが見える。
「助かったよ、ありがとう!」
「う……うん」
「君に借りが出来ちゃったね。でも、ピカチュウを探してからにするよ。さ、早く行こう!」
◆
洞窟を進むと、今までとは違う雰囲気の漂った洞窟に変わっている。薄気味の悪さが増していて、今何が起きてもおかしくない位、不気味だ。暗さも増しているが、"フラッシュ"を使う程ではないので安堵した。僕もハリマロンも"フラッシュ"を使えないし。
歩いて行くと、倒れた人影(ポケ影って言うべきかな?)を見付ける。
間違いない、ピカチュウだ。
僕たちは彼女を見付けた後、何も考えないで、彼女の元に駆け寄る。
良かった、見付けられた!
ピカチュウ、と叫ぶと彼女は半目になるが、目を見開いて唐突に叫び出す。
「来ないでッ!!!」
「え?……何で?」
「いいからッ……!今はこっちに来ちゃ……!」
状況が読めず、僕とハリマロンは首を傾げて立ち止まったままだった。
何故彼女は、僕たちの助けを拒むのだろうか?
冷静に考えていくうちに、ハリマロンの言葉が頭を横切る。
─奥にはとーっても怖いお化けがいるって噂されているんだ!─
僕は理解した。もしかしたら、彼女は──!
僕が答えようとしたその瞬間は、もう遅かった。
紫色の幻影が現れ、僕たちの前に存在を示す。
「ケッケッケッケ!まぁた、お客様か」
「!お前はッ!?」
「俺様はゴースト!此処の洞窟の住人さ!ポケモンを驚かすのが大好きでな、此処にやって来るポケモンが現れては驚かしているのさ!」
「じゃあ……奥には怖いお化けがいるっていうのは……」
「そう、俺様のことさ!」
やはり、彼がピカチュウを襲っていたのか。そして、とーっても怖いお化けの正体も理解した。
「お前たちが此処に来たからには、たっくさん驚かして恐怖を覚えさせるまでだッ!!覚悟しろ!」
ピカチュウはその場に倒れ込んでいる。ゴーストにより気絶しているのだろう。
ならば此処はゴーストを倒してからではいけないのか。
僕はハリマロンを見ると、彼は真剣な表情で応えてくれた。
「いいかい?いくよ!」
「うん!」