二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 【壁】 ( No.146 )
- 日時: 2016/02/18 00:15
- 名前: マルガリータ ◆Ywb2SqBO2Q (ID: f/YDIc1r)
- 参照:
ショウヨウシティに戻り、ポケモンセンターでニャスパーを回復させた後、カルムはジムに向かった。
すると、セレナが扉の中から現れる。
「セレナ、どうだった?」
「お隣さん……。そうね、壁に落ちないようにね。じゃ、アタシはもう行くわ。お隣さんも頑張ってね」
壁とは一体何のことか、全く理解出来ずに首を傾げたまま、消え行くセレナの背中を見つめていた。
「壁って何だろ?……まぁ良いや。取り敢えず、ジムに挑戦だ!」
◆
壁とはこういうことだったのか、と理解をした。
ジムに入った瞬間、目の前には大きな壁が、カルムの前に立ちはだかるように立てられている。
石はカラフルの彩りで出来ており、そして、大きな壁の頂上には、長身の男が立っている。此処からだと容姿はよく見えないが、褐色の肌とカラフルな髪飾りが特徴的である。
男はカルムを見下ろして言った。
「ようこそ、ショウヨウジムへ。私は此処のジムリーダーのザクロです」
「アサメからやって来ました、カルムです!ジムに挑みに来ました!」
「では、チャレンジャー。私と戦いたければ、この高い高い壁を乗り越えて下さい」
「へッ!?」
耳を疑った。こんな大きな壁を登れだと?そんなの無理だろう。こんな高い壁を登りきって一体何があるというのだ。疲労をさせて指示をしにくくする作戦だろうか、驚愕さぜるを得なかったが、
「よし、登りきってやるッ」
黒い帽子のつばを後ろに回し、カルムは正面にある壁を登り始めた。
◆
どれだけ登り切ったのだろうか。沢山沢山頑張って登っていても、先は程遠く、スポットライトに照らされたジムリーダーが立ちはだかるように見下ろしているのが見える。
汗が首筋を辿る。
壁はこんなにも険しくて苦しいものとは思いもしなかった。
辛さが大きいせいか、片足が宙にあることを感じ取った。其処で我に返る。
「ッ、うわっ……」
気付いたカルムは何とか別の石で抑える。しかし、安堵をしている暇はない。正面にある高くて大きな壁を、登りきらなければいけないのだ。
登るスピードが急上昇し、一気に頂上へと辿り着く。
疲労のあまり、両手に膝を付けて乱れた呼吸を整える。
汗がだらだらと流れる。せっかく買ってもらったTシャツなのに、と思ったが今は気にも留めなかった。
壁はこんなにも大きくて高いとは思いもしなかった。まるで、自分のピンチに立ち塞がるようなものだった。
顔を上げると、視界に大きな滝が流れているのが見えた。
カルムは思わず歩み寄る。
流れる滝から水飛沫を立てていて、滝の中央から虹があるのを目撃する。
綺麗だ。それしか言えない。
疲労も身体の痛さも全て、吹っ飛んだ。
暫く滝を眺めていると、男性が拍手をしながらこちらに向かって来るのが見える。
先程の男の容姿がくっきりと映る。スラリとした体型と長身の男で、頭にはカラフルな髪飾りと岩のようなヘアスタイルをしており、肌は褐色だが、手先はロッククライミングをする為なのか、チョークで白くされている為、日焼けの跡ではない。
この男こそが、此処──ショウヨウシティ・ジムリーダーのザクロである。
容姿とは裏腹の静かな声で彼は言う。
「お見事です。壁は何度も立ち塞がるものであり、それを越えてこそ、本当の強さを得ることが出来ます。あなたは諦めずに5㎝の高い壁を登り切りました、非常に素晴らしいことです。次は、"私"という名の壁を制覇して下さい」
「言われなくても、制覇して見せますよッ!」
カルムとザクロはバトルフィールドで向かい合い、互いを見据える。
ルールはハクダン同様であるので、何の問題もない。
「私はこのポケモンで行きます。アマルス!」
『No.66 アマルス ツンドラポケモン
一億年間、氷付けにされていたポケモンの一部から復活した、おっとりとしたポケモン』
コウジンタウンでサナが手に入れたポケモンであるアマルス。
それに対しカルムは
「ニャスパー、GO!」
小柄なニャスパー。相性に影響はないが、このバトルは一体どうなるのだろうか。
カルム vs ザクロ
ニャスパー アマルス
??? ???
ザクロ
『ワイルド マイルド ロッククライマー』