二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 生と死の狭間で【ポケモンXY】 ( No.15 )
日時: 2015/08/10 16:09
名前: マルガリータ ◆Ywb2SqBO2Q (ID: y1N6F4if)
参照:

「先行はもらいます、でんこうせっか!」

 目にも止まらぬスピードでアメタマに向かって走り出すピカチュウ。
 でんこうせっかは素早さ関係なく先行攻撃が出来る技だ。

「アメタマ、みずあそび!」

 アメタマは頭の先端から大量の水を天に向けて発射させる。
 アメタマが発した大量の水は雨となり、バトルフィールドをずぶ濡れにする。おかげでせっかく買った帽子が濡れてしまったが仕方ない。
 水溜まりになってしまったせいか、ピカチュウは立つのに精一杯だ。それなのにアメタマは平然とバトルフィールドを滑っている。

「買ったばかりの帽子が台無しじゃないか……!それにしても、アメタマは何で立ってられるんだよ……!」
「ちゃんと図鑑を見たかしら?アメタマの爪先は油で出来ていて、水の上でも滑れるのよ」

 ビオラに言われて思い出す。図鑑の音声にでも、アメタマは水の上でも滑れる油が詰まっていると。何故それに気付けなかったのだろうか。

「こっちもいくわよ、アメタマ、アクアジェット!」

 水のベールを纏い、こちらに突進して来るアメタマ。水溜まりのせいで立つことが出来ないピカチュウ。

「……っ、かわせ!」

 ピカチュウは転がってアクアジェットを翻す。水飛沫が飛び散り、ピカチュウに貼り付く。
 ピカチュウはなんとか立つ。

「アメタマ、もう一度アクアジェットよ!」
「でんこうせっかで向かい打て!」

 再び水のベールを纏って突進して来るアメタマに対し、でんこうせっかで対抗するピカチュウ。しかし、水溜まりにいるせいか、ピカチュウは滑って転んでしまう。
 アメタマのアクアジェットを受けるピカチュウ。
 

「アメタマ、四方八方にねばねばネット!」

 頭の先端から粘りけのあるネットをバトルフィールドのあちこちに向けて放つ。水溜まりの上や、更にはピカチュウにまで当たってしまい、ピカチュウは束縛の身となっている。
 ピカチュウはネットから脱出しようと必死にもがくが、ネットはとれず、寧ろ締め付けが増していく。
 ねばねばネットは、相手のスピードを落としてしまう技だ。しかも、この技によってピカチュウの長所である素早さが使えなくなってしまったのだ。
 今のピカチュウの状態は18禁でありそうな状態になっている。まさにドS行為である。

「ピカチュウ!」
「ナイスショットになりそうだわ、アメタマ、でんこうせっか!」

 これの何処がナイスショットなんだ。
 次第に焦るカルムだが、ピカチュウの赤い頬を見て咄嗟に叫んだ。

「でんきショックでねばねばネットをほどけ!」

 ピカチュウはでんきショックで拘束を解かれ、アメタマに電撃を食らわす。危機一髪だ。
 攻撃を受けてアメタマは後退する。
 その様子を見てアイニスは呟いた。

「まさかピカチュウに拘束プレイをさせるとは……やりますなぁ。しかもこのピカチュウはメス……完全にエロゲじゃないか」
「妹は手強いわ……そう簡単には勝てないわよ」

 ビオラは拘束から脱出したピカチュウを見て残念そうに呟く。

「あーあ、言い瞬間だったのに……」
「これの何処がですか!?こんなのアダルトゲームと一緒ですよ!」
「まぁ、良いわ。次でナイスショットを撮らせてもらうわ。アメタマ、滑りなさい!」

 水溜まりの上をフィギュアスケートをしているかのように滑り、ピカチュウの周囲を囲む。水溜まりにいるピカチュウは何とか立とうと踏ん張っている。

「とどめのあわ攻撃!」

 大量の泡を放射させ、ピカチュウを襲う。
 それを見てカルムは悔しげに歯を食い縛り、ジムリーダーの実力を思い知られる。こんなにも甘く見ていた自分が愚かである。

(このままだと……!)

 ふと、ピカチュウの尻尾に目が入る。ギザギザの先端がハート型になっている長い尻尾。それを見てカルムは思いついた。

「ピカチュウ、尻尾を地面に立てろ!」

 ピカチュウは震えながらも態勢を整え、そのまま尻尾を地面に突き立てる。その衝動に水飛沫が弾けて飛んだ。

「そのままでんきショック!」

 でんきショックとあわ攻撃がぶつかり合う。
 アメタマの泡はでんきショックにより、遮られ、アメタマはでんきショックを食らい、その場に倒れる。目が回転している。つまり、戦闘不能だ。

「……やったな、ピカチュウ!」

 カルムの弾んだ声に対し、ピカチュウは同然よ、と言わんばかりに耳をかきあげる。

「おお、中々やるな、カルビ」
「……成程、尻尾を地面に突き立てて態勢を立て直したのね」

 アイニスはほうほう、と頭を頷かせ、パンジーは微笑んだ。

「アメタマお疲れ様、ゆっくり休んで頂戴」

 アメタマをモンスターボールに戻した後、ビオラはカルムたちを見据える。

「カルム君、中々やるわね。ナイスショットは撮れなかったけど、次こそは決めるわ!ビビヨン!」

『No.22 ビビヨン 麟粉ポケモン
気候や風土によって羽模様が違うポケモン。色鮮やかな麟粉を蒔く』

 ビオラの二番手は、桃色の鮮やかな羽を持つ蝶のようなポケモン、ビビヨン。
 アメタマを倒せたものの、油断は出来ない。


カルム vs ビオラ
ピカチュウ アメタマ(戦闘不能)
ハリマロン ビビヨン