二次創作小説(映像)※倉庫ログ

【壁】 ( No.157 )
日時: 2016/01/28 18:52
名前: マルガリータ ◆Ywb2SqBO2Q (ID: 8R/poQo9)
参照:

「アマルス、でんじは!」
「ゼニガメ、からにこもる!」

 黄色と桃のグラデーションの睫毛から発された電流を、甲羅で防ぐ。
 電流は甲羅によって弾かれる。

「アマルス、とっしん!」

 アマルスは頭でゼニガメを突き飛ばす。ゼニガメは腹パンされた状態になるが

「今だ、みずでっぽう!」

 腹パンされながら、ゼニガメはみずでっぽうを繰り出し、アマルスにダメージを与える。
 みずでっぽうによりアマルスは吹き飛ばされてしまい、戦闘不能になる。

「アマルス、ありがとうございます。ゆっくり休んで下さい」

 ザクロはアマルスを労らせモンスターボールの中に戻した後、カルムとゼニガメを見据える。

「中々やりますね、相性関係とはいえ、そのゼニガメはよく育てられていますね。ですが、私もジムリーダー、そう関係に壁を乗り越えさせませんよ!……いけ、チゴラス!」

『No.64 チゴラス 幼君ポケモン
一億年前に生息していた古代ポケモン。おおあごは自転車をかじって壊す程の破壊力を持つ』

 次にザクロが繰り出したのは、アマルスと対をなすポケモン、チゴラス。アマルスと同じく化石から復活したポケモンの一匹で、おおあごと牙が特徴的なポケモンである。アマルスがおっとり系なら、チゴラスは乱暴だ。しかも、タイプは岩とドラゴン。相性の良いゼニガメの水の技は普通に効くということだ。

「ゼニガメ、みずでっぽう!」
「ドラゴンテール!」

 ゼニガメの繰り出したみずでっぽうをチゴラスはドラゴンテールで振り払う。
 みずでっぽうは水飛沫となり、消える。

「チゴラス、かみつく攻撃!」
「からにこもる!」

 チゴラスはゼニガメをおおあごと牙を使ってガブリと噛みつくが、ゼニガメの甲羅が硬いあまりにゼニガメを離してしまう。
 自転車をも壊す程の破壊力と説明では言われているが、ゼニガメの甲羅はそう脆くはない。

「今だ、みずでっぽう!」

 痛んでいる隙にみずでっぽう攻撃を決める。
決まった!と思ったが、

「私のチゴラスをそう甘く見られては困ります。チゴラス、ドラゴンテール!」

 ゼニガメの眼前から小さな茶色の尻尾が飛び出され、ゼニガメは叩き付けられる。
 本来のドラゴンテールの効果は攻撃した後、相手のポケモンを強制交代するのだが、このバトルは2 vs 2のバトルなので、ゼニガメは交代させられなかった。
 ゼニガメは倒れ込むが、まだ戦闘不能ではない。
 ゼニガメの赤眼が歪む。

「チゴラス、かみなりのキバ!」
「ゼニガメ、避けろ!!」

 電撃を纏った牙をゼニガメに剥き出し、それでゼニガメに噛みついた。電流がゼニガメの体に流れ込み、ゼニガメは悲鳴を上げる。
 チゴラスはゼニガメから離れると、ゼニガメは人形の糸が切られたかのように倒れ込む。

「勝負あり、ですね」

 カルムは目を見開き、ただ、立ち尽くしていた。

「ゼニ、ガメ……」

 ピクリ、とゼニガメの手が動き、ゼニガメの脳内が、過去を回想させた。
 泣き虫で臆病で、人見知りの激しかったゼニガメ。旅を通して、それが今はなくなっている。見知らぬ人やポケモンに対しても泣かないで頑張って向き合っている。それなのに、また此処で戻ってしまったら、カルムとゼニガメの努力がなかったことになる。
 そうだ、カルムのおかげで、今の自分がいる。だから、諦めない、カルムを信じるんだ!カルムと一緒に、この壁を乗り越えるんだ──!!

 ゼニガメが立ち上がった瞬間、ゼニガメの体が光り始めた。カルム、ザクロ、チゴラスは驚愕をする。

「こ……これは!?」
「まさか……進化!?」

 ゼニガメの体に帯びられた光は輝いているのと同時に、姿が変わっていく。
 光が消えた時には、其処にゼニガメはおらず、別のポケモンがいた。体はあまり変わってはいなかったが、羽根の形をした耳らしきものが生えており、波をイメージさせるような毛の尻尾が出来ていて、口元には小さな牙が生えている。メガストーンは相変わらず、首輪の中だ。

『No.87 カメール 亀ポケモン
一万年長生きをする寿命を持つポケモン。頭を叩かれる時、甲羅を引っ込んで下げるが、ちょこんと尻尾が出ていて可愛い』

「まさか……カルムさんに応えようとする強い意思が、カメールにさせたのですか!?」
「ゼニガメ……否、カメール!そうなのか!?」

 カメール!
 カメールは後ろを向き、こくこくを頷いた。
 ザクロは笑みを漏らす。

「成程……相手を思いやる気持ちにより、ゼニガメが進化するとは……これは素晴らしい!ですが、私も負けていられません!かみつく!」
「カメール、からにこもる!」

 チゴラスのかみつく攻撃をからにこもるで抵抗するカメール。しかし、からにこもるが何だか変わっており、カメールは甲羅に籠ったまま、スピンをしている。
 スピンにより、チゴラスは飛ばされる。

「この技は……こうそくスピン!お前、こうそくスピンを覚えたのか!!」
「何と……!チゴラス、がんせきふうじ!」
「こうそくスピン!」

 幾多の岩石を召喚させ、それをカメールに撃つが、カメールはこうそくスピンでがんせきふうじを向かい撃つ。まるで卓球のように。
 こうそくスピンにより、岩石はチゴラスに当たり、チゴラスは突き飛ばされる。

「今だッ!!カメール、みずのちかい!!」

 カメールは地面を両手で叩き付け、水を発射させる。水はチゴラスに当たり、チゴラスは戦闘不能になる。

カルム vs ザクロ
ニャスパー(瀕死) アマルス(瀕死)
カメール チゴラス(瀕死)

winner カルム!!