二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 生命×破壊【ポケモンXY】 ( No.16 )
日時: 2015/08/11 16:32
名前: マルガリータ ◆Ywb2SqBO2Q (ID: y1N6F4if)
参照:

 アメタマを倒し、ビオラの手持ちは残り一体となり、勝利は目の前。だが、相手はジムリーダー。そう簡単には勝たせてくれないので、油断は禁物だ。

「ビビヨン、かぜおこし!」

 麟粉をちらつかせながら桃色の羽を羽ばたかせ、風を作り出すビビヨン。

「来るぞ、ピカチュウ!」

 ピカチュウは尻尾を地面に突き立てて態勢を整える。が、ビビヨンのかぜおこしは強風であり、それに耐えきれず、ピカチュウは壁に衝突する。

「シャッターチャンスよ!ビビヨン、まとわりつく!」

 ビビヨンはピカチュウの元へとヒラリヒラリ飛んでゆく。
 壁についたピカチュウは苦しげな顔でビビヨンを睨む。
 それを無視してビビヨンは微笑み、ピカチュウを拘束した。
 悲鳴を上げるピカチュウ。先程のねばねばネットに続いて、18禁でありそうな状態になっている。

「ピカチュウ!」

 ビビヨンのまとわりつくに耐えきれず、ピカチュウは地面に叩き付けられ、倒れる。目はぐるぐる回転されているので、戦闘不能だ。

「……よくやったな、ピカチュウ。後は任せてくれ」

 ピカチュウをモンスターボールに戻し、ビオラを見据えるカルム。他のトレーナーとは違うプレッシャーを放ってくる。改めて、ジムリーダーの実力を思い知らされる。
 だが、自分だって負けてはいられないのだ。
 カルムはモンスターボールを強く握りしめた後、バトルフィールドに向けて投げ出す。

「出番だ、ハリマロン!!」

 初めてのパートナーであるハリマロン。
 ハリマロンは待ち焦がれていたかのように頭部にある棘を強く尖らせる。
 ハリマロンを見てビオラは笑う。

「ハリマロンね……ハリマロンは草タイプでビビヨンは虫と飛行タイプ……どうやって戦うのかしら?」
「僕のハリマロンを甘く見ないで下さい!いくぞ、ハリマロ……」

 足元にいるハリマロンを見て目を疑った。ハリマロンの足元にはねばねばネットが纏わりついていて、体が思うように動けないのだ。
 ピカチュウの場合、身体全体だったが、ハリマロンは足元。これでは技の回避が困難だ。

「ねばねばネットは交代した相手の素早さを下げる効果があるのよ!」
「そんな効果があったなんて……。ハリマロン、つるのムチでねばねばネットから抜け出せ!」

 ハリマロンは肩から緑色の鞭を出し、足元にあるねばねばネットを振りほどく。

「よし、ハリマロンころがる攻撃!」
「かぜおこしよ!」

 ハリマロンは体を丸め、ビビヨンに向かって転がってくるが、ビビヨンの起こした強風により、吹き飛ばされ、壁に衝突する。

「これで私の勝ちね、残念だけどバッジはお預けよ。ビビヨン、まとわりつく!」

 ビビヨンはハリマロンの元へと飛んでゆき、ハリマロンを見て微笑んだ後、ハリマロンを拘束させる。

「つるのムチでビビヨンを追い払え!」

 ハリマロンはビビヨンの拘束を受けながらも、肩から鞭を出し、ビビヨンに向けて叩き付けた。
 ビビヨンは吹き飛ばされるが、羽を使って態勢を整える。

「ハリマロン、大丈夫か?」

 バトルフィールドに戻るハリマロン。ダメージが大きいせいか、ぜぇぜぇと息を切らせているが、カルムの呼び掛けに答える。

「これで終わりね、むしのさざめき!」

 桃色の羽を羽ばたかせるビビヨン。羽の振動により音波が発生し、ハリマロンに目掛けて攻撃される。
 攻撃を受けて、ハリマロンは倒れる。

「……ハリマロン!!」

 カルムはハリマロンの元へと駆け寄り、ハリマロンを支える。
 ハリマロンの体はボロボロだ。この姿を見てカルムは自分への愚かさに苛まれる。
 こんな軽い気持ちで挑んだ結果、こうなってしまったのだ。パンジーの言う通り、作戦を整えてから挑めば良かった。ジムリーダーを見くびっていなければ、こうならなかった。
 カルムは唇を噛み締める。
 そして、潔く負けを認めようとモンスターボールを取りだし、ハリマロンに入れようとした瞬間

「……ハリマロン?」

 まだやれると言わんばかりに立ち上がるハリマロン。ボロボロになりながらも戦おうとしている。
 ハリマロンはカルムに振り返る。

 リーマリマ!

 大丈夫、まだ戦えるよ。そう言わんばかりに笑うハリマロン。それを見てカルムは心打たれた。
 ハリマロンはまだ諦めていない。ならば、自分もハリマロンを信じて諦めない。

「あら?まだ戦えるのね」
「言ったでしょ?僕のハリマロンを甘く見ない方が良いって」
「その余裕がいつまで続くかしら?ビビヨン、まとわりつく!」
「ころがる攻撃!」

 ハリマロンは体を丸めて転がり、ビビヨンのまとわりつくを回避する。そして、ビビヨンにダイレクトアタックする。効果は抜群である。
 ビビヨンは突き飛ばされる。

「ビビヨン、飛んで!」
「やどりぎのたねで動きを止めろ!」

 ビビヨンに向けて種を蒔くハリマロン。
 種はやがて蔓となり、ビビヨンを拘束すると同時に、ビビヨンの体力を奪う。
 ハリマロンの傷が癒えていく。
 やどりぎのたねは相手に種を植え付け、体力を奪った分、体力が回復する技だ。
 体力が奪われ、羽ばたくことも困難だ。

「そんな……ビビヨン、しっかりして!」
「ハリマロン、ミサイルばり!」

 棘のついた針を召還させ、ビビヨン目掛けて攻撃する。

「いっけぇ!!」

 カルムの咆哮を乗せたミサイルばりは、ビビヨンに的中する。
 ミサイルばりを受けたビビヨンは落下し、地面に叩き付けられる。

カルム vs ビオラ
ピカチュウ(戦闘不能) アメタマ(戦闘不能)
ハリマロン ビビヨン(戦闘不能)

winner カルム