二次創作小説(映像)※倉庫ログ

【カルムとピカチュウは仲良しでちゅう】 ( No.186 )
日時: 2015/10/04 19:12
名前: マルガリータ ◆Ywb2SqBO2Q (ID: F08K/Z64)
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 夕方を終えた後、カルムたちは外に出てピカチュウの捜索を始めた。
 ハツナのポケモン、パチリスとカルムのニャスパーにも協力してもらい、捜索をすることに。
 パチリスは基本的にハツナの肩に乗っているという理由もあるが、ピカチュウと同じ電気タイプなので、彼女の居場所もキャッチ出来るかもしれないし、ニャスパーはテレパシーで彼女の居場所が探れる。
 カルムとハツナは大声でピカチュウの名を呼ぶが、ピカチュウは現れない。
 どの地方でもそうだが、ピカチュウは滅多に人前には現れない種族なので、探すのに沢山の時間がかかる。
 暫く探していると、ニャスパーがカルムとハツナの元に寄り、何かを訴えかけるように鳴き声を上げた。

「!見つかったのか?」
「居場所を教えて頂戴」
 
 ニャスパーは頷くと踵を返し、カルムとハツナ、そして、ハツナの肩に乗ったパチリスはニャスパーの後を追う。





「いやっほぉぉぉぉぉぉ!!!」

 カルムたちの心配をよそに、ピカチュウはラージと共に悪戯真っ最中。
 現在はラージの肩に乗り、スケボーをしている。
 道路に生息しているポケモンたちはラージとピカチュウの行動に困惑し、早く終わって欲しいと思っている。
 スケボーの他にも、色々なことをした。ポケモンの木の実を横取りしたり、寝ているポケモンの顔に落書きをしたり、相手を騙したり……ハクダンの森以来だ。
 カルムにゲットされてからは中々起きないカルムに10まんボルトを食らわしたり、カルムの帽子を奪ったりしていた。これもとても楽しいのだが、カルムばかりだと流石に詰まらない。
 ハリボーグは普通のリアクション、カメールはすぐに泣く、ニャスパーは無反応である。カルムのポケモンもあまり良い反応を起こさないのでこれも詰まらない。
 だがラージは違う。カルムのように注意もしないし、これはこれで面白い……筈。
 スケボーが終わり、次は何しよっか、と考える。
 すると、遠くから声が聞こえた。聞き覚えのあるやや高めの男声と……聞き覚えのない女声だ。
 足音からして、二人と二匹だろうか。
 ラージはどした?とピカチュウに声を掛ける。
 ラージの声を気に留めず、ピカチュウは声の方角を眺める。それに続きラージで見る。
 暫くすると、見覚えのある少年と見覚えのない少女とポケモンが見えて来た。
 長身だが幼さの残る整った顔立ちに優れた容姿は、何度も見たことがある。
 カルムが辿り着くと、呼吸を整え、両手に膝をつかせる。
 呼吸を整えた後、カルムはピカチュウを見据える。

「やっと見つけたッ!」

 何故だ。今まで散策仮想のピカチュウと戯れていたのに、何故アタシを探しに来たのだ。電源も切った挙げ句、逃げ出したのに。
 ピカチュウの心の中を読み取るかのようにカルムは答えた。

「何でって顔をされても……。だって、ピカチュウは僕のパートナーなんだから、探すのは当たり前だろ?」

 ラージがいることに気付いたハツナは、ラージに声を掛ける。
 その様子を眺めるラージはとても呆然とした表情をしている。

「あなたがピカチュウを保護してくれたの?」
「えーっ、何言ってるのー?ピカチュウはオイラの仲間になったんだよ?」
「え?」
「君とピカチュウに何合ったか知んないけど、ピカチュウはオイラといて悪戯をする方が楽しいんだってー!ねー?」

 ピカチュウは我に返ったかのように高めの声を発し、ラージに応えるかのように頷いた。
 カルムは驚愕をした。ピカチュウは僕といるより、彼と一緒にいた方が幸せなのか。
 ピカチュウがラージの肩に上る光景を眺め、カルムの何かが崩壊した。
 ピカチュウとラージは顔を合わせ、笑い合う。

「ということで、安心してね♪イケメン君!ピカチュウはこれからオイラが面倒を見るから、心配しなくて良いんだよ!じゃあねー♪」

 ピカチュウはカルムに向けて手を振り、ラージと共に消えてゆく。
 カルムはそれを呆然と見ることしか出来なかった。