二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 生命×破壊【ポケモンXY】 ( No.21 )
- 日時: 2015/08/11 16:18
- 名前: マルガリータ ◆Ywb2SqBO2Q (ID: y1N6F4if)
- 参照:
ハクダンジム戦を終え、ロビーに戻るカルムたち。
気が付けば空は橙色に染まっていて、ガラス越しに映る夕焼けが非常に眩しい。次の街に向かう時には夜の帳が降りるだろう。今夜はポケモンセンターで宿泊だ。
アイニスとパンジーは誉め言葉を称えてくれた。とてもすごかった、と。自分は無我夢中だったから覚えてはいない。しかし、ジム戦デビューで初勝利を飾れたことの喜びは決して忘れない。
今回のジム戦で学ぶことは多かった。ジム戦では作戦を整えること、ジムリーダーの実力を見くびらないこと、そして──諦めないこと。
「あなたの勝ちよ、カルム君。ポケモンとの絆、諦めないことの大切さを見せてもらったわ。そんなあなたに、ハクダンジムのジムバッジ、バグバッジをあげるわ!」
ビオラはバッジの入った箱をカルムに差し出してきた。昆虫の形をした茶色のバッジだ。
カルムは受け取った。
「ありがとうございます!」
「カルム君、次に向かうポケモンジムは決まっているかしら?」
「え?」
「この調子で他のジムリーダー挑んでみたら、いいんじゃない、いいんじゃないの!」
言われて気付く。確かにカルムは今回ハクダンシティのポケモンジムに挑んで、勝利を掴んだ。だが、それはジムバッジを手に入れる為ではなく、勝ちたいという意思で挑んだだけだ。
ハクダンシティのジムを制覇したのだから、他のジムリーダーたちと戦い、ジムバッジを集めてポケモンリーグへ挑んでみるのもいいかもしれない。
「此処からだと、ショウヨウシティが近いわ。この街の次のミアレシティにもジムはあるけど、今工事中だから行けないの。ショウヨウシティは遠いけれど、あなたとポケモンとの絆があれば大丈夫よ!」
「ミアレシティには、私の仕事場であるミアレ出版があるから、是非寄ってみてね!」
「ショウヨウシティですね、わかりました。ありがとうございました!」
パンジーとビオラにお礼を言い、踵を返すカルム。
が
「待って、カルム君!」
「?」
ビオラに引き止められ、振り返るカルム。
ビオラの手には一眼レフカメラが握られていた。
「せっかくだから、あなたとハリマロン、ピカチュウとの絆を収めても良いかしら?」
「……はい!」
◆
ポケモンセンターのお風呂場はとてもさっぱりした。ハクダンジムでかなり苦労したので、今夜はぐっすり眠れそうだ。
タオルを濡れた頭髪に置き、部屋に戻ると、カルムは思わず目を見開く。
よっ、と手を上げ、胡座をしているパジャマ姿のアイニスと目が合った。頭にはケロマツがいる。
「お邪魔しているぞ、カルパッチョ」
「ちょっ、何でお前が此処に……!」
「良いじゃないかー、トレーナー同士、此処は仲良くしましょーぜ?」
「……まぁ、いっか」
彼には何故か頭が上がらない。
扉を閉じて、カルムがベッドの上に座ると、ハリマロンとピカチュウが自然にやって来る。
「カルパッチョ、今日は良いバトルだったよー。ゲームだと迫力も何もないけど、カルパッチョのバトルは、何かアニメ観てるみたいでかっこよかったですぞ」
「そうかな?でもありがとう。アイニスはこれからどうするの?」
「んー、どしよ。ミアレシティに行って、プランター博士に会って、TV貸してもらおうかなー」
相変わらず名前を間違えるアイニス。何度注意を促しても彼には全く聞かないので突っ込まないでおいた。というより、名前を間違えているのは彼にとっては、愛称として呼んでいるのだろう。
「でもミアレに行くってことには僕と一緒だね。明日一緒に行こうよ」
「良いよぉ……だけどオイラ一度寝たら起きないから、カルバンが明日起こしてねぇ……」
「ちょっ、アイニス、自分の部屋で寝ろよ!?」
人形の糸が切れたかのように倒れ込むアイニス。煩い鼾を立てている。
それを見たケロマツは申し訳ない、と言わんばかりに頭を下げて、アイニスを連れて部屋を出た。
カルムの部屋から離れても、アイニスの鼾がよく聞こえてくる。
訂正しよう、今夜は中々眠れなそうだ。