二次創作小説(映像)※倉庫ログ

再会を目指して ( No.285 )
日時: 2016/01/09 16:48
名前: マルガリータ ◆Ywb2SqBO2Q (ID: OVUpjg42)
参照: 早く完結させねば

 その男二人組を見て、彼等はフレア団だと理解したが、その外見が何処となく他の下っ端とは異なっていた。
 一人目の男は髪をオールバックに流していて、薄い無精髭が生えており、若干老けているようにも見える。
 二人目は他の下っ端や一人目の男とは異なり、大した特徴はないのだが、他の下っ端より髪が整えてある。
 ロザリーは男二人組を睨み付けた。

「そこを退きなさいよ、クズども」
「お前たちだな、俺たちの邪魔をしている奴等は。悪いが、そう簡単に通させはしないぜ」
「ディアンシーは、俺たちフレア団にとって大事な『実験台』なんだ。お前たちに邪魔される訳にはいかない」
「まぁ、ポケモンバトルで勝ったら、考えなくもないぜ?」

 そう余裕綽綽の笑みを浮かべ、男二人組はモンスターボールを放り投げる。すると、中からポンッとポケモンが現れた。
 一匹目は青色の身体にオレンジ色の頬を持ち、不気味な笑顔を浮かべているポケモン、二匹目は紫色の蠍のようなポケモンだ。尻尾には爪がある。
 彼等のポケモンを倒さない限り、ディアンシーの後を追えないという訳だ。

『セントラルカロス図鑑No.125 グレッグル 毒づきポケモン
頬に毒袋を持つ。相手の隙を狙い、猛毒を滲ませた指を突き刺す』

『マウンテンカロス図鑑No.015 スコルピ 蠍ポケモン
毒の入った尻尾の爪で獲物を挟む。執念深く、毒が効くまで相手を放さない』

 アイニスはリザード、ロザリーはパンプジンを繰り出した。ロザリーはパンプジンしか持っておらず、しかも相手二匹とも相性が悪いので、ロザリーにとっては苦戦することになるだろう。

「足引っ張んじゃないわよ!」
「そんなのわかってるって、オイラそこまでヘマするプレイヤーじゃないし。取り敢えず、この赤い奴等を倒しましょーぜー」

アイニス&ロザリー VS フレア団の二人組
リザード、パンプジン/グレッグル、スコルピ

「リザー、グレッてるにほのおのキバ〜!」
「スコルピ、アクアテール」

 リザードは炎を纏い込んだ牙を剥き出し、それをグレッグル目掛けて噛み付こうとしたが、それをスコルピが遮り、水を包んだ尻尾でリザードを突き飛ばした。

「しっかりしなさいよ、パンプジン、いわなだれ!」

 パンプジンは橙色の長髪のような腕から岩の雪崩を作り上げ、それをグレッグルとスコルピに向けて投げ出した。スコルピには効いているが、グレッグルには効果は今ひとつだ。

「グレッグル、パンプジンにだましうちだ!」

 グレッグルはパンプジンを殴り出す。
 パンプジンは突き飛ばされるが、体制、整えて宙にふよふよと浮かび上がる。

「よーし、今度こそ〜! リザー、スコルピにほのおのキバー」
「グレッグル、がんせきふうじ!」
「ファッ!?」

 グレッグルはがんせきふうじを使い、リザードを拘束させる。がんせきふうじは相手の素早さを下げてしまう効果があるのだ。
 リザードは先程のアクアテールで傷を負っている。これは大ダメージになるだろう。
 しかし、パンプジンがそれを遮った。

「パンプジン、ゴーストダイブよ!」

 パンプジンはリザードを抱えて姿を消していった。フィールドでは岩石が流れ込んだが、やがて収まった。
 数秒後にパンプジンが現れ、リザードを解放し、フィールドに降ろした。
 サンキュ、ロザちゃん! とアイニスが礼を述べると、ロザリーはふんと鼻を鳴らしてそっぽを向いた。ほんとツンデレなんだからぁ〜とアイニスがニヤニヤしながらからかっている。

「その楽しい会話を終わらせてやる! グレッグル、パンプジンにだましうちだ!」
「リザー、グレッグルにほのおのキバ!」

 グレッグルの行く手をリザードが遮り、ほのおのキバでグレッグルの顔を噛んでやる。どうやらグレッグルには大ダメージのようで、顔を両手で覆い、悲鳴を上げた。

「スコルピ、グレッグルにアクアテールだ!」

 その指示はアイニスとロザリーは驚愕を与えた。まさか、味方に攻撃するとは、一体どういう風の吹き回しなのだろうか。
 スコルピはグレッグルにアクアテールをする。すると、何ということだろう。グレッグルの傷が少しだけだが、癒えているのだ。

「グレッグルの特性『乾燥肌』だ。炎タイプの技には通常より1.25倍効くが、水タイプの技を受けると、四分の一の体力が回復する特性さ」
「ただの下っ端だと思ったら大間違いだからな! 俺たち下っ端兄弟を舐めんなよ! グレッグル、リザードにドレインパンチだ!」
「パンプジン、受けなさい!」

 グレッグルとリザードの間にパンプジンが割り込み、リザードの代わりにドレインパンチを受けるも、パンプジンの身体が透けている為、攻撃は無効となった。ドレインパンチは格闘技で、ゴーストタイプであるパンプジンには無効化出来るのだ。

「正直アンタたちをモブだと侮ってたわ、だけど、これはどう!? グレッグルにハロウィン!」

 パンプジンはグレッグルに攻撃を仕掛ける──かと思いきや、それは違った。パンプジンはグレッグルにお菓子を与え、戯れているのだ。

「そんなもん、俺のグレッグルに効くかァ! だまし──」
「ゴーストダイブよ!」

 パンプジンは姿を消して、グレッグルの背後に攻撃をした。格闘であるグレッグルにはゴーストタイプの技は今ひとつなのだが、かなりの大ダメージを与えていた。

「なっ、何だと!?」
「ハロウィンは、相手にゴーストのタイプを追加させる技で、それを利用してゴーストダイブをしたのよ! そこまで知らないなんて、ほんとクズね!」

 そろそろ決めるわよ、とアイニスに声を掛けると、アイニスはニカリと歯を剥き出し笑った。

「リザー、やきつくす〜!」
「パンプジン、いわなだれ!」

 リザードのやきつくすとパンプジンのいわなだれが混じり合い、グレッグルとスコルピに襲いかかる。
 グレッグルとスコルピはいわなだれとやきつくすを受けて、その場に倒れ込んだ。

アイニス&ロザリー VS フレア団の二人組
リザード、パンプジン/グレッグル(戦闘不能)、スコルピ(戦闘不能)

WINNER アイニス&ロザリー!!

「……なかなかやるね、お前たち。子供だと思って見くびってたよ」
「オイラたちが勝ったんだから、そこを退いてくれよ!」
「仕方ねぇなぁ、俺たちは約束を守る方なんでね、此処は通してやるよ」

 それと、こいつも返してやる。オールバックの男は続ける。
 突然、ディアンシーを浚った刃物のようなポケモンと片耳の長いポケモンが現れ、ディアンシーを解放させた。この二匹はこの下っ端兄弟のポケモンらしい。
 ディアンシーはアイニスとロザリーの元に駆け寄り、下っ端兄弟はポケモンを戻した。

「ディアンシー、忠告しといてやるよ。お前の故郷は、俺たちフレア団が占領した。愛しい家来たちと愛する国を取り戻して欲しかったら、ダイヤモンド国に戻ってくるんだな」