二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 【その男、大富豪であり、プレイボーイ】 ( No.55 )
- 日時: 2015/08/20 07:46
- 名前: マルガリータ ◆Ywb2SqBO2Q (ID: wyieLVt/)
- 参照:
ミアレシティに戻って来た。
街並みや人々、そして、平凡な日常。相変わらず、変わっていないものだ。そして、『工事』の進み具合も。
『工事』に関わる作業をして欲しいと依頼され、此処から近い発電所で1週間以上も帰って来ていない。ミアレシティから近いので1週間かけて作業の手伝いはしなくても良かったが、この『工事』の進み具合を何とか進行させたかったのだ。
本来なら発明家である友人も『工事』の手伝いをする予定だったが、挑戦者への来客が耐え兼ねなかったので、青年一人で来たのだ。
ミアレシティの帰りのついでに、発明家仲間である友人の妹の為に土産を買って来た。あまり外出することがないので、ミアレシティ産の商品には飽き飽きしただろう。仕方がない、何せ兄がジムリーダーなのだから。
そして、兄の方にも土産を買っておいてやった。新しい発明品の部品である。以前、あるものを作り出すのに、部品が一つ足りないと困っていたので、それを思い出して買ったのだ。
メディオプラザに辿り着くと、発明家仲間である少年と、その幼女がプリズムタワーの前で立っていた。迎えに来たのだろう。
「お帰りなさい、アイ」
「おかえり、アイおにいちゃん!」
「ただいま、シトロン、ユリーカ」
プラプラッ!!
マイマイー!!
幼女、ユリーカのポシェットから赤色の兎のようなポケモンが飛び出すと同時に、青年のモンスターボールから青色の兎のようなポケモンが飛び出す。
赤色のポケモンと青色のポケモンは仲良くじゃれあっている。
元々、赤色のポケモンは青年が捕まえたポケモンなのだが、将来ユリーカがポケモントレーナーになることを案じて、赤色のポケモン、プラスルをユリーカに託したのだ。
「シトロン、これ」
「あっ、これは!」
「それがあれば完成するんだろ?ついでに買っておいた」
「アイ……ありがとうございます!」
「ねぇねぇ、アイおにいちゃん!あたしのおみやげはないの?」
「悪い、お前の分はない」
そう冷たく言い放つと、ユリーカの顔が歪んでいるのがよくわかる。
しっかり者とはいえ、まだ年端もいかない幼女なのだ。
それを見て青年は不敵に笑い、ユリーカにプレゼントを渡す。
「……シトロンの土産があって、お前の土産がないわけないだろう?」
「……!」
それは、ポケモン専用のブラッシングだった。ユリーカはポケモンの世話をするのが大好きで、時々青年やシトロンのポケモンの面倒を見ていたりする。ユリーカがずっと欲しかったものだ。
それを見て、ユリーカの表情が明るくなる。
「これ、ずっとあたしがほしかったブラッシングだ!うわーい、ありがとうアイおにいちゃん!!」
「工事で忙しかったというのに、ぼくたちのお土産を買ってくれるなんて……本当にありがとうございます!」
「別にどうってことはないよ。寄り道してたら見つけただけで」
「ねぇねぇ、アイおにいちゃん!きのうね、すごいことがあったの!」
「すごいこと?」
「うん!せっかくだからプリズムタワーのなかでおはなししよ!」
青年の腕を引っ張り、プリズムタワーの中に入るユリーカ。
青年はユリーカの手を振り払わず、困ったような、嬉しそうな顔でユリーカについていく。
背後から待って下さーい!と、少し頼りないシトロンの声が聞こえた。
◆
5番道路で色々なことがあったものの、コボクタウンに辿り着いた。
双子の幼女からポケモンバトルの申し込み、大量のポケモンの群れ、そして、パンダ。
特にパンダは厄介だった。何回倒しても立ち上がって何度も勝負を挑んでくるのだ。名前がドラ○ンボールのキャラクターのような名前で、図鑑によると、撫でられるとにやけてしまうらしい。撫でられると変な快感でも覚えるのか、マゾだなと変な解釈をしてしまい、ゲットしてしまった。
ゲットした後はその耐久力を称える為、襷をかけてやった。するとパンダは大喜びをしていた。
そんなこともあり、今はポケモンセンターで寝転んでいると、頭上から声がした。
「あら、アイニスじゃない」
顔を上げて起き上がると、オーク色の髪をポニーテールに結んでいて、カジュアルな服を着た少女がいた。
「……誰?」
「アタシよ、セレナ」
「えっ……セレナーデ!?どした、その格好は!もしや……失恋か!?」
「アタシは独奏じゃないわよ。……この先、道が険しくなるらしいから、それに備えて服と髪型を変えたの」
「おお流石オシャレに煩いところはあるー」
アイニスはうんうん、と頷く。
アイニスはカルムよりセレナのことを知っているので、彼女のオシャレ好きもわかっていた。
「アイニスは此処で何してるの?」
「5番道路で様々なモンスターがオイラを襲い掛かってきてですなぁ。特に耐久力型のマゾパンダに振り回されたんよ。それでそのマゾパンダをゲットして、此処にいる訳」
セレナはアイニスの脳内については理解出来ないところがあるので、そんな話が続かれるとキリがない。
「そ……そう。もし行くところがないなら、アタシと一緒にショボンヌ城に行かない?」
「(´・ω・`)城?」
「ええ、貴族のマナーハウスが観光名所とされているの。そこでメガシンカについて何かあるかもしれないし」
「おお、そうかそうか。仕方ない、オイラがセレナーデをお供になりましょう」
「……よくわからないけど、行きましょ」