二次創作小説(映像)※倉庫ログ

【毬栗から棘鎧への進化】 ( No.99 )
日時: 2015/08/27 14:35
名前: マルガリータ ◆Ywb2SqBO2Q (ID: wyieLVt/)
参照:

 何とかサイホーンを乗り終えて、地べたに座り込み、休憩をするカルムとサナ。サイホーンに乗るには相当な勇気と体力が必要だ。
 戻る時もこうなるのか……と考えると気分が重くなる。

「帰る時もサイホーンに乗らなきゃいけないのか……」
「そう考えると、なんだかやだね……」
「取り敢えず、助手さんを探さないと。サイホーンはその後だ」

 ◆

 宝石のように煌めくコケが暗闇の中に照らされている。そのせいか視力と方向感覚がおかしくなりそうだ。
 こんなところに化石を発掘している助手は道に迷わなかっただろうか。コケのせいで、方向感覚が狂いそうだ。

「目がおかしくなりそうだ……」
「サナも……。助手さん本当にいるのかな……」

 暗闇でよくわからなかった為、カルムは何かに躓いた。
 足元を見ると、ポケモンが立っていた。
 可愛らしい顔立ちで頭部に牙の生えた顎がある。

『No.63 クチート 欺きポケモン
鉄鋼を噛みきってしまう程のおおあごを持つ。大人しい顔で相手を油断させてから噛み付く』

「…………ごめんよー。真っ暗でよくわからなかったから、わざとじゃないんだ」

 図鑑の音声説明でクチートの特徴を悟ったカルムは、なるべくクチートに噛み付かれないように、クチートと目線が合うようにしゃがみこんで宥める。
 その想いが伝わったのか、クチートは笑顔で頷く。
 カルムは安堵した。

「……はぁっ、良かt」

ガブリ

▼クチートの かみつく 攻撃!▼

「ちょっ、クチー……ぎゃぁぁぁぁぁ!!」
「カ、カルタロ!」

▼効果は 抜群だ!▼

 カルムはクチートの頭部にあるおおあごに頭を噛み付かれている。身動きが取れない。
 サナはカルムを助けようとモンスターボールを取り出すが、カルムの腰にある一つのモンスターボールが急に飛び出す。

リマリマ!

 カルムのハリマロンはつるのムチでクチートを叩く。
 つるのムチが効いたのか、クチートのおおあごはカルムから離れる。
 今度はミサイルばりでクチートを連続攻撃する。相性的には不良だが、クチートには効いたらしく、クチートは逃げて行った。

「た、助かった……。ありがとうハリマロン」

 カルムはハリマロンをモンスターボールに戻そうとするが、ハリマロンは首を振り、カルムの袖をグイグイ引っ張ってくる。先に進めと言っているのだろうか。

「……仕方ないなぁ」

 ハリマロンを頭に乗せ、カルムは立ち上がる。
 最近のハリマロンは意地っ張りである。作者がハリマロンの性格を意地っ張りにさせたのが原因なのだろうか。以前はもっと素直で可愛げのある性格だったのに。
作者のせいでハリマロンが歪み始めているではないか。

「作者め、後で訴えてやる」
「?作者って何?」
「いつかサナにもわかることさ」

 ◆

 最新部に辿り着いた。光るコケはまだあるが、最新部は窮屈な入り口とは異なり、広々としている。
 恐らく此処に助手がいるのだろう。
 辺りを見回して歩いていると、砕けそうな岩や古びたトロッコがある。

「入り口と違って広いな」
「此処なら、助手さん探せそうだね」

 その時

「あらま。物好きなトレーナーが二人もやって来ちゃったよ」

 燃え盛るような赤い髪に赤いスーツ、そして、赤いサングラス。どれを取っても赤ずくめである。
 変わった格好をした男がケースを抱えて目の前に現れた。

「なんか、変なカッコ」
「アンタ……誰?」
「俺らは泣く子も黙るオシャレチーム・フレア団!」
「オシャレチーム?全然オシャレには見えないよ?カルタロやセレナのファッションの方がよっぽどオシャレだよ」
「どうやらお前らのような子供には、この格好の素晴らしさがわからないようだな……。いいか!フレア団の目的は、俺たちだけがハッピーになること。その為、他のトレーナーやポケモンがどうなっても良いのさ!」

 苛ついた。
 フレア団だけが幸せになれば他人やポケモンのことなんてどうでも良い?ゲスやグズが考えそうな思考だ。
 フレア団の目的はどうだって良いが、他人やポケモンに迷惑がかかるのはやめてほしい。

「お前ら子供でしょ?まだ消えたくないでしょ?」
「まぁ、僕たちにはまだやることがあるから消えたくないけど……消えるのはアンタらのイカれた思考だよ!」
「フン、オシャレなスーツも汚れるスマートじゃないやり方だが、消し去ってやる!デルビル!」