二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- ツイソウ-end layer- ( No.13 )
- 日時: 2016/01/06 22:32
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: PEx0ZAEq)
『…あ、はは…。世界って、こんな…呆気なく、壊れるん、だね…。』
僕の目の前にいる君は、息も絶え絶えに言葉を紡ぐ。腹部から流れる血の量では、恐らく長くはもたないだろう。
『…ね、ぇ…。お願い、聞いて、貰って…いい…?』
僕は頷くと、君はにこりと笑って、その手に持っていたノートを差し出した。
『これを…さっき、お願いした、人に…託して、ほしいんだ…。貴方なら、簡単、でしょ…?』
『…うん。』
その手から渡されたノートは、とても重く感じられた。
僕は絶対に、これを託さねばならない。最期までこの世界を愛した、君の思いを届けなければならない。
『…あり、がとう…。じゃあ…“またね”。』
そう言って、僕ににこりと笑って振られた手は、とても素敵に思えた。君とは最期のお別れなのに、またね、なんて…。
『…。』
考えてる暇なんてなかった。この世界を滅ぼした元凶は、すぐそこにいる。
僕は懐から剣と盾を取り出し、飛んだ。君に言われた人物の元まで…。
- ツイソウ-end layer- ( No.14 )
- 日時: 2016/01/06 22:33
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: PEx0ZAEq)
とある昼下がり。
突然ここにやってきた僕に君は驚いていたけど、すぐに丁寧に対応してくれて助かったよ。
「…そんなわけで、僕はここに来たんだ。彼女に託されたノートを持って、君の元までやってきた。」
君は、不安そうに僕の持っているノートを…血にまみれた、創世ノートを見ていた。それで君は、大体の事を察してしまったのだろうけど…。
「これから話すのは、多分君にとっては驚愕する事ばかりだと思う。でも、君には聞く権利…いや、義務と言った方がいいかな。君にはその義務がある。」
君は不安そうな目をしたまま、でも、力強く頷いてくれた。
「これは、既に起こった物語。終末を迎えた世界の物語。何人たりとも、運命は変えられない、そんな物語。」
僕は、そう口上を述べながら、君に話し始めつつ、手に握られたノートを捲った。
「さぁ、僕と一緒に紐解いていこう。あの…“惨劇の逃走劇”を。」
僕は君に話し始める。君は逃げないで、まっすぐに僕を見て、けれどどこか不安そうな目をしていた。