二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- ガイショウ-omame get daze!- ( No.49 )
- 日時: 2016/01/12 21:55
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: Nf/7T0hn)
ミッションが発動され、雪子は直斗と共にハンターを警戒しつつ、マメ屋の商人を探していた。現在はシュタルクフォートの外にいるようだ。まぁ、シュタルクフォートは内部の侵入不可なので当たり前だが。
「ねぇ、直斗君。マメ屋の商人って時オカとかムジュラでお馴染みのお豆を売ってる人だよね?」
「ええ、恐らく。あのマメ売りのおじさんでしょう。」
対象となる相手を探すのは難しいが、その姿はなんとなくだが想像ついていた。
「ねぇ、直斗君。ついにあの謎が解明されるんだね。」
「あの謎とは?」
「あのおじさん、商品食べてるのかそれとも違うマメをポリポリしてるのか。」
「ああ。」
雪子の疑問に、直斗も頷いた。確かにあれは気になる。
マメ屋の商人はいつもマメのようなものをポリポリと食べている。それが魔法のマメなのか、それとも他のマメなのか、雪子も直斗も気になっていた。
「確かに気になります。早急に探し出して聞き出しましょう。」
「了解。」
ハンターに警戒しつつ、再び探しながら動き出す雪子と直斗だった。
また別の所では…。
「んー、マメ屋のおじさんってどんな姿なのかしら。」
「およ? マグノリアちゃんってゼルダシリーズやったことないの?」
フロウエルの花園近くに来たマグノリアと千枝は、他愛ない話をしながらマメ屋の商人を探していた。その途中、マグノリアがその姿を知らないと言ったので、千枝が聞き返して現在に至る。
「ジャンが寮でユウと一緒にやってるのを見た事があるくらいよ。マメ屋のおじさんはあまり印象に残らなかったわ。残ったのは、緑の服を着た、自分の事を妖精の生まれ変わりとか言ってる痛いおじさんよ。」
「即急にそれを頭から消した方がいいよ。確かに印象に残りやすいけど。」
マグノリアが言っているのはチンクルの事だろう。確かにあれは印象に残りやすい。ちなみにだが、最近ゲームにはまったのか、ジャンは時折鏡や烈、陽介からゲームを借りて遊んでいるらしい。ジャンもユウも、年齢の割にはかなりしっかりとしたカオスクラッシャーや純粋組でも、中身はやはり普通の男の子なのだ。
「うーん、どう説明したらいいかな…。あ、そうだ。えっと、いつも何かポリポリ食べてる人。」
「OK。思い出したわ。」
それだけで通じるとは、マメ屋の商人おそるべし。
- ガイショウ-omame get daze!- ( No.50 )
- 日時: 2016/01/12 22:02
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: Nf/7T0hn)
エタルニア・公国軍総司令部。
(早くパパとごーりゅーしたいなぁ…。)
ガチャガチャと音を立てながらここに入ってきたのは、レヴナントだった。
ミッションは怖いのでやりたくないが、早く父親のガイストと合流して安心したいし、させてあげたいのだ。
(パパ、心配してるだろうなぁ…。早く行って安心させたいけど、ミッションは怖いし…。)
いつハンターが来るかわからないこの状況で動くのはかなりのハイリスクだ。レヴナントは子供心にだが、何となく察していた。
「…みんな、ミッションやるのかなぁ…。」
ふと、それが気になり、レヴナントは端末を取りだし、誰かに連絡を取ろうと考えた。
『…。』
そんな彼の近くに、ハンターが迫ってきているとは知らずに。
レヴナントは端末を操作して誰かにかける。
「パパに聞いてみよっと。」
どうやら、ガイストにかけるつもりのようだ。
『…!』
その声に反応したハンターが、レヴナントめがけて走ってきた。
だがレヴナントはまだ気づいていない!
「パパもミッションして、うわわっ!!」
近くに来たハンターの足音でようやく気がついたのか、レヴナントは慌てて逃げ出す。
「わーん! 来ないでよー!」
必死に逃げるレヴナントだが、鎧のせいで足は絶望的に遅く、
「わーん!」
あっさりとハンターに追い付かれ、その体にポン、と触れられた。
102.54
レヴナント・グレイス 確保
残り24人
「あーあ、捕まっちゃった…。」
『お疲れ様、レヴ君。残念だったね…。』
「うーん、パパと合流できなかったのは悔しいし、ハンター怖かったけど、でも、楽しかったよ!」
風花が労いの言葉をかけると、レヴナントは満足げにそう答えた。捕まったのは悔しいだろうが、楽しめたなら何よりだ。
『ふふっ、そう言って貰えると、企画した神様も喜ぶよ。今、牢獄に転送するね。』
「うん!」
程なくして、レヴナントは風花の手により、牢獄に転送された。
■
エイゼン・ミスリル鉱山入口。
「む、メールか。」
ティズと共に行動していたガイストは、端末が鳴り響いているのに気づき、二人で止めた。
「確保情報みたいだね。えっと…『レヴナント・グレイス確保。残り24人。』ガイスト…。」
「レヴ…。」
合流する前に息子はハンターに捕まってしまった。それが余計に父として心配させる。
「だ、大丈夫だろうか…。牢獄で一人寂しくはないだろうか…。レヴに余計なことを仕出かす輩は…。」
「確か前に捕まったのは…。」
やや狼狽えるガイストだが、ティズはレヴナントの前に捕まってしまった人物を思いだし、一つ頷いた。
「心配しなくても平気だと思うよ、ガイスト。だって前に捕まったのは葉月と完二だから。」
ティズがそう言った瞬間、心配そうな表情から一転、やや笑みを浮かべた。かなり不気味である。
「…それもそうだな。あの二人ならば心配あるまい。」
「(怖っ。)さて、お豆の商人さん探しにいこうよ。」
「だな。」
二人は再びマメ屋を探しに歩き出した。
- ガイショウ-omame get daze!- ( No.51 )
- 日時: 2016/01/13 17:06
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: Uj9lR0Ik)
レヴナントが確保されてからしばらくして、フロウエル・水の神殿。
「おーまーめー。おーまめまめー。」
「おまめやさんのまめーをげっちゅー。」
千枝とマグノリアは“お米の美味しい炊き方、そしてお米を食べることによるその効果。”の替え歌で、“お豆の美味しい煎り方、そしてお豆を食べることによるその効果。”を歌いながらマメ屋を探していた。
「うーん、いないなー。LDLコレステロール値を下げてくれる大豆たんぱく質が豊富なマメを売るマメ屋さん。」
「女性ホルモンに作用する大豆イソフラボン豊富なマメを売るマメ屋さんいないわね…。」
「お通じ改善に役立つ食物繊維豊富なマメを売るマメ屋さん、いないね。」
おいそこの二人は何大豆の栄養分を並べてんの。気のせいかどっかで見た流れだぞこれ。ポップンの卵解禁ストーリーもこんな感じじゃなかったか? つかお前達は大豆の業者か。あと魔法のマメ=大豆じゃないと思う。
「大豆の話してたら何か無性にひじきと豆の煮物が食べたくなった。」
「奇遇ね、千枝。私もきな粉餅が食べたくなったわ。」
「おー! きな粉餅いいね! ほのかにあまーいお餅食べたい!」
「ひじきと豆の煮物もいいわよね! あの醤油が適度に絡んだあれをご飯に乗っけて」
と、マグノリアが言った所で、二人のお腹の虫がきゅうと鳴いた。
「…話してたらお腹空いてきちゃったよ…。」
「私も…。」
腹の虫が聞こえたのか、二人は恥ずかしそうな表情で互いに微笑んだ。
「終わったら何か食べよっと。久しぶりに愛屋の肉丼が食べたいなー。」
「肉丼? なにそれ? 美味しそうね。」
「うん! すっごい肉がうず高く盛られていて、それで、やばっ!」
「!」
千枝が何かに気付いたのか、素早く今の場所から離れる。マグノリアもそれで危険を察知したのか、千枝と一緒に走り出した。
『!』
彼女達の前方に、ハンターが迫ってきていたのだ。ハンターは二人に気付くと、すぐに追いかける。
「マグノリアちゃん、このまま二人で同じ方向を逃げると、どっちも捕まると思うんだ!」
「奇遇ね千枝! 私もそう思ったわ!」
逃げる最中、二人はそんな話をしていた。そう、このまま二人で同じ方向に逃げれば、二人とも捕まってしまうだろう。このミッションの都合上、なるべく多くの人間が生き残っていた方がいい。そう二人は考えた。
「千枝、健闘を祈るわ!」
「そっちもね!」
そう言って二人は互いに反対の方角に離れた。
ハンターが狙いを定めたのは…。
「あたし…!」
千枝だ。
(上手く一人に誘導できたはいいけど、あたしかー…。)
体力、走力は平均以上あるとはいえ、流石に自分以上の脚力があるハンターに逃げ切れる自信はなかった。ましてやここは街中ではなく、殺風景な神殿。捕まるのも時間の問題だと悟るには時間がかからなかった。
「っ、もう駄目…!」
ハンターは無慈悲にも、千枝の肩に手を置いた。
98.09
里中千枝 確保
残り23人
「あー、捕まっちゃった…。」
『千枝ちゃん、お疲れさま。やっぱりハンターには勝てなかったね…。』
「あ、あはは…。鍛えてるとはいえ、アイギスさんみたいなアンドロイドには勝てないよ…。これを造った凪君、恐るべし…。」
普段から鍛えてる千枝でも、ハンターの無尽蔵の体力と脚力にはかなわなかった…。
■
ナダラケス・ラクリーカ。
けたたましい音を鳴らす端末を、陽介、理乃、リングアベルが同時に止めた。
「…確保メールみたいですね。えっと…『里中千枝確保。残り23人。』里中さん、捕まってしまいましたね…。」
「里中…。やっぱりハンターには勝てなかったか…。」
千枝確保の一報を受け、恋人の陽介は少しがっかりとしていた。一緒に逃げ切ろうと約束していたのだろうか。
「仕方がないですよ、あのハンターですから。ちょっと脚力をアップさせたり、しつこく追跡するプログラムをそっと組み込んだハンターですから。」
「まさかとは思うが、ハンターの制作にお前も関わったか?」
「白鐘さんと一緒にプログラム方面と脚力方面は関わりました。ほとんど緑谷さんと山岸さんが携わっていましたが。本当は透明化を施していきなりハンターが現れるような仕様にしようと昴さんに進言したのですが、即座に却下されました。」
(あかん、終わったわ。あと、それは却下されて当たり前だ。)
本気になった工学組ほど恐ろしいものはなく、その工学組が作ったハンター。一度ロックオンされたら、余程の事ではない限り逃げられないだろう、と、陽介とリングアベルは思っていた。
「さぁ、マメ屋を探して逃走エリアを拡大させないと…。」
「そうだな、行こうか。」
ハンターに注意しながら、三人は先を急いだ。
■
確保者の言葉
三、四人目:レヴナント、千枝
レヴナント
「あーあ、捕まっちゃったー…。もう少し逃げたかったなー。ところで千枝と葉月は何でローシさまをサンドバックにしてるの?」
千枝
「気にしなくていいんだよー、レヴ君。あっちで完二君と一緒にカプカプ作ってな?」
レヴナント
「うん、作るー! ぬいぐるみつくーろー!」
千枝
「さて、捕まったのはやっぱり悔しかったし、花村と逃げ切れなかったのはアレだけど、まさか転移先にこんなジジイがいるとは思わなかったー。悔しさが一気に吹き飛んだよー。」
ユルヤナ
「あだだだだだだだだだだだだ!」
え? 何があったか? それは次回の牢獄 de トークにて。