二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 艦これ学園〜結び過ぎた赤糸〜【設定、オリキャラ募集中!】 ( No.4 )
日時: 2015/09/15 16:47
名前: 007 (ID: pyHrCXZU)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2a/index.cgi?mode

零話「デコ金髪頭と長前髪」

俺、白蓮番長こと堤下空悟つつみしたくうご。高等部二年の高校生。
人からはいつも強面だとか、顔面凶器だとか失礼な印象を持つ俺だが、それは最初のうちだけでこの学園、特に俺のクラスは皆仲良くしてくれる優しい面子が揃っている。

からかいには度が過ぎる事もあり、チンピラ顔の俺が説教送るのもたまにある。だが、人懐っこい奴等だとは思っている。
そんなクラスとの日常が、また始まるのだ。





「うぃ〜〜っす……」

俺は何時も通り、朝から怠けた声を廊下越しに言って、教室に入るとまず最初に絡んでくるのは大抵決まっている。

「よぉっ!、デコ金髪頭!!。冴えない顔してる割には頭は整ってんな!!」
俺の前に駆け寄るショートカットで前髪が異様に長い女、水谷加古みずたにかこが態とらしくデカイ声で言い放つ。
そして大抵は周りの奴等がクスクスと笑いだし、それを俺は少しムカっとし、目を鋭くしながら、

「………だらしねぇ髪型してるテメェに言われたかねぇ!」
「いっでぇ!?」

加古に超級の拳を頭に叩き付けた。それを貰うと驚きながらだらし無い体勢をしながら受け、口を雛みたいにしながら頭を両手で抑えた。

こいつは何時になったら学習力っつうのが身につけられんだ……?。

「っ〜〜〜〜〜〜〜………………イッテェじゃんか!。女に手を出すとか最低だなぁ!」
「授業中、俺に酔拳を浴びせる女なんざ見た事ねぇよ」
「あれは………その、反射的に!」
「何か抵抗あったか!?。寝てただけじゃんか!!」

っとガミガミと口論している俺と水谷。それを見ながら皆は笑い出した。やはりいつも通りなんだと言われているのは、俺と水谷は知らない。


「アイツ等が騒ぎ立てると賑やかだなぁ〜………このクラスは」
「だねぇ〜」
そう和む奴等も少なくない。



キーンコーンカーンコーン………




_________________
昼休みになると、クラスの奴等は何処かへ行くなり弁当の蓋を開け、人と喋りながら食事を取っていた。



「お前………弁当忘れたのか?」
「…………………うん」

空悟は何時もの通りに自分で作った弁当に、箸は割り箸という斬新な感じの組み合わせを持ってきながら、パチンッと割り箸を割る。
空悟の前には椅子にコテンッと座りながら、さっき購買部て売れ残った小さな焼きそばパンを見ながら目だけが唖然としていた。

返事が無い……ただの屍の様だ。

「………………今日凄い腹減ってんのに………紐爺かよぉ〜……」
「摂取量位は丁度いいんじゃないか?少し痩せろよ伸びるばかりだぞ」
「筋肉○ンに出てきそうなお前に言われたくない!」
「独特な所つくなや、んな筋肉持ち合わせてねぇよ」

加古は腹を抑えながら焼きそばパンを頬張るが、大食いでは無い俺でも少ない位のパンを食べて満たす奴はいないだろう。実際、加古は物足りない感じをした顔をしている。

「…………………はぁ、やるよ」
「!!…………ホントか!?」

空悟は頷きながら、弁当を渡した。幸い二段弁当だったので、おかずが多い箱の方を加古の方に下げた。だが、代わりは無いので【割り箸】も序でに下げる。
加古は「サンキュー!」と大いに喜びながら、割り箸を瞬時に取り、おかずを食べていく。
凄い吸引力で吸い尽くす掃除機みたいに、次々に一食、また一食と運ぶ。

「………………あ」

空悟は気付いた。

アイツ、俺が使った割り箸を堂々と使ってやがる。
大丈夫か?。気付かないよな?。
…………まぁ、こいつじゃ気にしないかもしれねぇから放っといても別に大丈夫かもしれない。

「もぐもぐ………もぐも………………ぐ…………………っ!?/////////////////」
「…………………どうした?。加古?……顔赤いが………喉に何か詰まらせt」
「く、くくく空悟の馬鹿ああああああああああああ!!!!///////////」



その後、放課後まで加古は口を聞いてくれなくなった。
やはり、汚い割り箸を使わせたのが行けなかったのかもしれないと反省した。

だが、そんなはしゃいだ奴でもこんな日が来る。

___________________翌日


「……………加古?」
「あ、空悟………」

俺は休みになると、屋上に行く。
今日の加古はやけに冷めた顔をしていると思いながら、隣に座った。
こんなの男女じゃ可笑しいんじゃないかなんてのはその時の俺は思いもしていなかった。
勿論、コイツも。


「………私、ちょっと気にしてるんだよね」
「何が?」
「…………いや、あの」

加古は何か遠慮がちに言葉を詰まらせた。俺は何なのだろうと首を傾げる。
勿体振らないで言いたい事があれば言ってくれれば良いんだが、流石に加古自身が何か悩みを持っている。ならば、それは言い辛い事なんだろうと察す。


「だからさ、その…………私、迷惑……かな?」
「……………………」
「何か最近思うんだ。私、空悟にばかり勉強教えたり、昨日は弁当を分けてくれたり…………何から何までしてくれて………迷惑かなって……」

俺はそれを聞きながら、少し口を開きっぱなしだった。だが、俺はその後に、【笑って】やった。

「プッ、はははははははははははははははははは!!!」
「………な!?。こっちは真面目に_________」
「今更だからだ。お前はよぉ〜、人に迷惑かけてなんぼって感じだったじゃねぇか!。だけどお前にも悩みがあるんだなぁ〜ってな」
「………………」
「だからお前なんだろーが。お前のその寝ぼけ顔に何度も起こして、運動は真剣に勝負して……そんなお前が、変わるとしたら何なる?。何もならねぇだろ?……………無理に考えなくていいんだよ。それがお前らしい」
「空悟……………」


俺は立ち上がった。
悩みを聞いて損した気分になった。それぐらいは持ってるとは思ったが、案外人思いなのが今日の一番の驚きだった。

「………………早く立てよ、加古。授業に間に合わなくなるぞ!」
「………………うん。行こう!」

そうして加古と俺は屋上を後にした。


だが、この後で、俺達があんな風に青春を送る事は思いもしなかった。

それはまた、後の話である。