二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【ポケモン】_出逢いはナナイロで…_【コラボ】 ( No.62 )
日時: 2015/10/13 17:35
名前: マルガリータ ◆Ywb2SqBO2Q (ID: H65tOJ4Z)
参照:

 絶体絶命である。オカマの汚いダストダスに拘束され、ポケモンを繰り出せない上に二対百三とは、勝ち目がない。
 綺麗好きであるセレナには、ダストダスに拘束されるなんて悪夢のようだ。最も、今は悪夢ではなく、現実なのだが。
 オノノクスとサマヨールがジリジリとこちらに寄る。後退したくても出来ない状況。無力とは何て悔しい言葉なのだろう。
 ムラサメがニヤリとほくそ笑みを浮かべた瞬間、


「待て」


 エントリーナンバー100の参加者が手を上げた。
 周囲は男の視線に集まると、男は立ち上がり、歩き始めた。


「此処はしたっぱオーディションだと言うので、俺にこいつらを殺らせて下さい」
「……そうね、此処はブラック団入団オーディション。この反逆者たちを誰かが仕留めた方が、ブラック団への入団を認めましょう。エスペラ、ジェシー、異論はないわね!?」
「了解しましたネ!」
「んー良いんじゃない?」
「じゃ、エントリーナンバー100のアンタ、この生意気な餓鬼らを殺っちゃいなさいッ!!」

 幹部たちからの攻撃を免れたものの、結局殺されることには変わりない。いくらモブであり、したっぱだからとはいえ、相手はポケモンだ。人間はポケモンに対抗出来る程の力を持っていないのだ。
 サングラスの男が歩み寄り、そして、立ち止まる。
 セレナとアイニスの汗が頬を伝い、床にポタリと音を立てて落ちる。
 男がモンスターボールを放り投げると、笑みを浮かべた悪戯好きの洗濯機が現れる。洗濯機は癖のある笑い声を出している。その笑い声が、セレナとアイニスの心を不安に覆い尽くす。
 静寂に包まれた下水道の中、男の声がポツリと響く。


「……"ロロ"、ダストダスにハイドロポンプ」


 それは誰しもが驚愕したことだろう。
 洗濯機は胸元にあるハッチを開放させる。するとそこから強烈な水鉄砲が発射され、ダストダスの顔に当てる。
 ダストダスは洗濯機のハイドロポンプにより視界を塞がれ、セレナとアイニスは拘束していた両手を離す。
 参加者とセレナ、アイニスが驚愕する中、ムラサメの声が飛ぶ。

「アンタ……もしかしてッ!?」
「やれやれ……バレちまったのなら仕方ねぇ」

 ニット帽とサングラス、そしてマスクを外し、リュウトの顔が露にされる。
 したっぱたち、ジェシー、ムラサメはええー!?と叫び声を上げる。

「「リュウト/リュウリュウ!!」」
「だからその呼び方やめろって……。二人とも、ポケモンを出せるか?」
「いつでも良いわ」
「オイラも大丈夫だぞー」

 セレナとアイニスの様子を確認した後、リュウトは頷き、前を向く。
 セレナは桃色のフシギバナイトをヘアバンドに嵌めたフシギソウ、アイニスはヤンチャムを繰り出し、フシギソウ、ロロ、ヤンチャムと並ぶ。

「行くぞッ、ハイドロポンプ!!」
「フシギソウ、はっぱカッター!!」
「ヤムチャ、あくのはどー!!」

 ロロ、フシギソウ、ヤンチャムの技が炸裂し、爆発を起こす。
 対抗出来なかったブラック団たちのどよめき声が煙の中、よく聞こえる。

「よし、この隙に逃げるぞ!!」