二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【ポケモン】_出逢いはナナイロで…_【コラボ】 ( No.66 )
日時: 2015/10/15 17:20
名前: マルガリータ ◆Ywb2SqBO2Q (ID: H65tOJ4Z)
参照:

『臨時ニュースをお伝えします。今日何者かがカロス地方の飛行機を潰したとの情報が入りました。これはどうやらカロスだけではなく、ナナイロ地方にも同じことが起こっているようです』

 TVのニュース番組に映る女を見て、男──プラターヌは驚愕せざるを得なかった。ナナイロといえば、新種のポケモンの調査依頼をさせた三人の子供たちがいる場所だ。本来なら早く帰って来る予定であったが、セレナによるともう少しでわかるかもしれないという連絡が入り、暫くの間ヘリコプターは待機をしていた。
 先程運転手はヘリコプターのテストをしていたのだが、数時間になっても戻って来ない。ホロキャスターに連絡を入れても、中々繋がらないのだ。
 ふとニュース番組が映るTVに目が入り、そのアナウンサーの言葉を耳に傾けていたのだが、そうは信じがたいことだった。
 そのままTVを眺めていると、粉々になったヘリコプターと運転手の死体が映る。
 プラターヌは驚愕のあまりに、珈琲の入ったコップを落とした。ガシャンとコップの割れる音とプラターヌの心情はシンクロする。

「何だと……」





 その情報はフレア団にも届いていたのだが、それはプラターヌのような気持ちとは全く異なり、あそこにいなくて良かったな、と安堵している一員が殆どである。
 フレア団は自分以外どうでも良いという思考の持ち主ばかりが集まる組織なので、それ程気にしていない。
 『女王』やボスも今まで通りに活動してくれれば良いと言っていたのだし、フレア団は今日もスマートに、誰にも気付かれずに仕事をこなすだけなのだ。
 フレア団の科学者──フレア・サイエンティストのラージとブレイクはタブレットが流す映像を見ていた。話題になっている飛行機破壊事件だ。粉々にされたヘリコプターと運転手の亡骸を見て、ラージは悲しそうに──

「あははっ!!何これー!」
「だっせぇ死体だなー!」

 否、楽しそうに眺めている。彼等もフレア団なのだから人徳というものが一切なかったのだろう。
 一方残りの二人は興味がないようで、キリは座禅を組んで瞑想、スティーブは読書をしている。
 しかし、ラージとブレイクの笑い声があまりに煩いので、キリは声を上げる。

「お前たち、静かにしたらどうだ」
「だってリーダー、見てよこれー!!運転手が殺られて、ヘリコプターがドカァーン!!ってなるんだよ!?面白そうじゃん!」
「お前の趣味イカれてるんじゃない?」

 読書中なのか、スティーブはこちらに目もくれない。
 趣味がイカれてるのはスターリーちゃんの方じゃん。それを言葉にしたら、large no owariなので、心の中で呟く。
 暫くすると、コツコツと足音が響き渡る。それを耳にしたキリたちは急いで跪く。足音はシューズの音だ。
 足音の主がやって来た。金髪に炎を灯した緋色の瞳、あどけなさの残る顔立ち、『女王』の『息子』と名乗る、若きティーンエイジャー。
 四人を見下ろす表情は悦んでいる。

「君たち、そろそろ行く時間だ」
「承知しました、ただちに出向します」

 エカルラートはラージが置いたタブレットに目をつける。
 エカルラートはタブレットに吸い込まれるように近付き、タブレットを持ち上げる。運転手の死骸と粉々にされたヘリコプターの映像が流れている。
 ラージの心臓が脈を打つ。

「緋色ちゃ──エカルラート様ッ!?」
「……」

 エカルラートの表情は影に遮られていて、よくわからなかった。
 数秒後、エカルラートは唐突にラージのタブレットを投げ捨て、その場を去る。

「エカルラート様、お待ち下さい」

 キリ、ブレイク、スティーブはエカルラートの後ろ姿を眺めて彼の後を追う。
 ラージはタブレットを直した後、キリたちの後を追う。

 ──エカルラートが不機嫌そうな表情をしていることに気付かず。





「マジかよ……」

 報道はナナイロにまで渡る。ナナイロも被害に合っているので、報道にしなくては駄目だろう。
 アナウンサーはとてもスタイル抜群の女性であったが、今のリュウトにはどうでも良かった。
 こんなことをした犯人はわかっている。

「やれやれ……どうやらあいつらは、カルム君たちを何処にも行かせたくないみてぇだな」
「わたくし、リュウトに束縛されるのは構いませんがブラック団に束縛されるのは嫌です」
「やれやれ……これからどうするか」