二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: Fate 運命が歪み始めた物語 ( No.23 )
日時: 2015/11/15 18:05
名前: 雪乃 ◆YY./.qapS. (ID: wR.Qnrni)

白主人公小説Ⅱ

attention
・創作です
・白が主人公になる小説の原型になると思います
・zero→stay night要素あります

‥‥僕の願い。それはあの人を守ることだった。
もしも願いが叶えられるなら‥‥

生きて、あの人を守りたい。

僕を救ってくれた。居場所をくれた。生きる意味をくれたあの人にせめて恩返しがしたかった。

それなのに、十年前の僕は。

「‥‥此処は、どこだ?」

肝心な記憶を忘れてしまった。
一時期は忘れてしまったあの人との思い出を。


そしてその聖杯戦争の真っ只中。

あの人の声が、言葉が頭の中に蘇った。

「————————白。約束を、果たせますね?」

「‥‥はい。僕は命に代えても貴方を守ることを誓います」

どうして今まで忘れていたのか、不思議に思える位だった。
あの人は僕の命の恩人のはずなのに、あの言葉を聞くまではなにもかもが思い出せなかった。僕がどんな人間だったのか、あの人がくれた名前も。

「‥‥生き、なきゃ」

僕は生きることを最優先した。生き残って聖杯を手に入れるんだ。あの人を守るんだ。

ただがむしゃらに一週間を生き抜いたのに。

「‥‥え?」

僕の目の前には壊された聖杯。
唯一の、望みを絶たれたんだ。
剣士のサーヴァント‥‥あのサーヴァントが希望を壊したんだ。

憎くて、悔しくてどうしようもなかった。

誰もいない場所で、僕は蹲った。
現実を受け止めたくなかった。
眼帯をしたもう片方の目で涙を流した瞬間、アイツがいた。

「‥‥英雄王」

「どうした、雑種。ずいぶんと間抜けな表情をしているな」

「‥‥あの剣士に、やられたんじゃ」

ごめんなさい。
僕はまだ、貴方を守ることは出来ないようです。
だからその時まで待ってはいただけませんか。
十年後まで。
きっと来るはずの、次の戦争が終わる日まで。

——————————
真名は白、または無銘。
実際には存在しません。