二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: Fate 運命が歪み始めた物語 ( No.70 )
日時: 2016/05/28 16:13
名前: 雪乃 ◆YY./.qapS. (ID: b/D5tvZu)

寒空の魔法使いⅡ

attention
・創作です
・オリキャラはユノ(詳しくは>>61)しか出ない、ユノオンリー及びユノメインのシリーズになっています
・さりげなくstay night本編、zero本編に触れています
・元ネタは>>62を参照してください
>>64の続編です

「‥‥何、この気配」

夜。ユノは何やら気配を感じ取った‥‥かと思いきやそれが何か分かった瞬間、表情が一気に焦りの表情へと変わっていった。

「嘘でしょ。あの戦いは‥‥聖杯戦争は10年前に行われたんじゃないの‥‥!?」

聖杯を求めあう魔術師達の戦い。それはいわば一種の代理戦争のようなもので使い魔の一種である英霊達‥‥サーヴァントを使用する、と話には聞いていたがこんなにも早く次の聖杯戦争が行われるものなのか?今まで聞いてきた話の内容と全く違うことに驚いているユノは集中するために瞼を閉じた。

‥‥10年前の聖杯戦争。それは魔術師達の間では「第四次聖杯戦争」と呼ばれている。
もしも、もしも仮にだ。

—————第四次聖杯戦争で誰も聖杯を獲得していなかったら?
それかまだもう一つ聖杯が存在したとしたら?

「‥‥次から次へと予想外のことを行うなんて‥‥常識が通じないじゃないかっ」

ダン、と机を強く叩きながら勢いよく立ち上がりユノは自身の工房へと足を運ぶ。

———————はずだった。

「止まれ、雑種」

背後に誰かの気配を感じた。声からにして男なのだろう、と思いながらユノは声の方向を振り返る。

「‥‥何者?」

「雑種ごときに名乗る名ではないわ」

男は顔を歪ませ、ユノを嘲笑う。赤い瞳はユノを見つめる。

「よく分からないけど、何の用?できれば迅速にお願い」

「何をそんなに急ぐ必要がある雑種よ?貴様の答えによっては此度の聖杯戦争がなぜ起こったか教えてやらんでもないぞ」

聖杯戦争。
この男は確かにそう言った。だが、見たところ魔術師には見えない。それなら何故この男が聖杯戦争に関しての知識を持っている?
ユノは考えを巡らせる。


————あぁ、所詮見え切った罠か。


「‥‥嘘だ。もしも仮に貴方が何かを知っていたとしても、わざわざ自分から敵の罠にはまるほど馬鹿じゃないからね」

その言葉を聞いた男は今度は笑い出す。
馬鹿にしたり、笑ったり忙しい男だ、と思いながらもユノは自分のペースを保つ。

「ほぅ‥‥言峰の言った通りだな」

「言峰‥‥?その名を知ってるなんて何者、貴方」

真冬の夜。
ここから魔法使いの物語は幕を開けていったのだった。


————————
ユノは男性恐怖症なので一応数メートル位距離はとってます。