二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: ポケモン 風変わりな旅道中 ( No.2 )
日時: 2016/08/08 12:54
名前: アーリア ◆IYbi.dCFgs (ID: 3qG9h5d1)
参照: あれ、こっちがメインになりつつある…?

 アルト地方南部——そこには地方一大きな森がある。きのみの木々が生い茂るそこは、野生のポケモン達にとって楽園だ。”きのみの森”と呼ばれるその森の傍にあるのが『カナギタウン』、今回の物語はこの小さな田舎町から始まる。



「じゃあ今日もお願いね。余ったお金は貴方の好きに使うといいわ」
 行ってらっしゃい、その言葉に背中を押され、見送る母に短く返事をして家を出た。
 一段と眩しい日差しに目を潜めながら、大きなあくびを一つ。黒い髪を朝の風に揺らしながら、少年・カインは今日も母の『おつかい』に出かけた。

 カインの母はポケモンブリーダーである。
 ポケモンを育てバトルを行うトレーナーと違い、ポケモンの健康管理を中心に、技術的な面においてあらゆる方面にポケモンを育てるのだ。様々な理由で彼女の元にポケモンが集まるのだが、ポケモンが大好きは母はこの上なくやりがいを感じているのだとか。
 カインもそんな母を誇りに思っていた。
 カインも物心ついた時から母の仕事を手伝っている。とは言っても、彼の仕事はポケモンフードの買い出しと、あとはポケモン達の相手くらいだろうか。

 今の生活も悪くないのだが、14歳の少年にとっては少々窮屈なのであった。しかし、母と彼女が世話をしているポケモンの事を思うと、そんなことは言い出せなかった。いや、特に言い出す気もないのだが。


 さて、ポケモンフードを買うには、”きのみの森”を挟んだ向こう側にある隣町に出かける必要がある。
 そのため、必然的にきのみの森へと足を踏み入れる必要があった。
 カインはポケモンを持っていないのだが、問題はない。少々迂回することになるが、森のはずれには隣町まで続く遊歩道がある。そこを行けば、隣町で買い物をして家へ戻るだけ。
 いつもと同じ。家に帰ったら何をしようか。
 そんなことを考えつつ、カインは隣町へ向かう。


 そこまでは”いつもどおり”だった。そう、無事に隣町に到着するそこまでは。



序章【面倒事と旅支度】

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