二次創作小説(映像)※倉庫ログ

東方宇宙録 第3話 ( No.7 )
日時: 2016/12/17 20:23
名前: 葉桜 來夢 ◆Avp6J8UOFQ (ID: q9MLk5x4)

チチチチ……

「……んっ……んん……」

少女はどんな夢を見ているのか。
とても苦しそうな顔をしていた。
まるで、何かに怯えているように……

◆◇◆

なんだか今朝の目覚めは悪かった。
とても嫌な夢を見ていた気がするが、全く思い出すことができない。

「ハァ……疲れてるのかなぁ」
「どうしたんですか?」
「ここのところ体が怠くてね……」
「最近異変もなかったのに何言ってんだよ。っておぉ、文じゃないか」

三人で妖怪の山に向かっていると、目の前に文が墜落してきた。
言い方は合っていない気もするが、恐ろしい速さで降りてきたのでそう言うことにしておく。

「いつも清く正しい文々。新聞です!霊夢さん、私は墜落しませんよ!」

何故かバレていた。

「全く……安全飛行してよね……」
「はい!そうですね!」
「返事だけなら⑨でも出来るわよ」
「うっ」
「で、私達に何の様だ?」

そう言うと、文は思い出したようにあっ、と言って写真を取り出した。
山の中の写真の様だが……

「って、なんなんですかこれ!?」
「私もびっくりしたんですが……どうやら何者かが荒らした跡のようで」
「随分酷い有り様ね。これ、どこら辺で撮ったの?」
「中腹辺りですよ」
「よし、魔理沙、妖夢。行くわよ!」
「よっしゃ!」
「了解です!」

三人はそのまま山に向かっていった。

「……はぁ。何か悪いことが起きないと良いけど。まぁ新聞のネタにはなるか」

そう言って文は空高く飛び立っていった。
太陽の光を遮りながら。


—一方、霊夢達は山の麓に来ていた。
「さて、と。手分けして探すわよ」
「あ、じゃあこれを持ってけ」
「これは?」

そう妖夢が聞くと、魔理沙は得意気に答えた。

「こいつは花火だぜ。何かあったらこいつを空に打ち上げて伝えろ」
魔理沙は筒を二人に手渡した。

「どうやってつけるのよ」
「強い刺激を与えれば爆発するから上に投げて弾でも当てりゃいいぜ」
「それ面倒臭くない!?」
「文句は無しだ。無いよりはましだろ」
「まあ、それはそうね。持っておくわ。行くわよ」

そして、霊夢達は山の中に入っていった。


「はぁ……流石に誰もいないよなあ」
魔理沙は、木々の中をゆっくり進んでいく。
虫は沢山いるが、人っ子一人見当たらない。

「いや、人っていうか山だから妖怪なのか……ってうおっ!?」

何かに躓いて転んでしまった。

「いってぇ……ん?これは……」

まさしく探しているものがそこにはあった。
水色の髪をした少年が横たわっていたのである。

魔「おい!お前、大丈夫か!?」
魔理沙は慌ててその体を揺さぶった。

「こ、ここは……?」
魔理沙「良かった、気がついたみたいだな」
「君は……誰?」

少年は魔理沙に向けて問いかけてきた。

「私は霧雨魔理沙、普通の魔法使いだ。名前はなんて言うんだ?」
「星原天馬って言うんだ……あの、僕の姉さん、知らないかな……」
「姉さん?」
「僕と姉さんは一緒にここに来たんだけど……」
「分かった、私に任せとけ。必ず探しだしてやるよ」
「えっと、ありがとう」
「じゃあほら、行くぞ。乗れよ」

そう言いながら魔理沙は天馬に背中を向けた。

「あ……うん」
天馬は魔理沙の背中に乗った。なんだかとても冷たい。
だが魔理沙は彼の体温が異様に冷たいことを気にとめなかった。

(きっとこの夏のせいだな……)

魔理沙と天馬はそのまま山の中を歩いていった……

to be continued……