二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【視点小説】クリスタルの物語2【参加者募集中】 ( No.330 )
日時: 2015/12/27 09:07
名前: 涼月@トリッブ変更 ◆eVf1G29mRc (ID: faiurqMg)
参照: トリップ変更しました。

【番外/Bルート】
ーーー過去、二葉瑠衣の場合ーーー
「…先輩、もしかして……俺のこと、嫌いですか……?」
…そんな訳ない。
そう言おうと思ったのに。
「うん、だいっきらい」
口をついて出たのは嘘。
「死ねばよかったのに。なんでまだいきてんの?あんたが生きてるせいであたしには罪悪感が残ってんのよ?あのまま死んでくれればよかったのに!あたし庇って生きてるとか不幸すぎでしょ、あんたも」
「…ですよね」
「死ぬなら、早く死んで」
「……誉め言葉として、受け取っておきます」
なんで、正直にいえないの。
好きなのに。
「…もういい」
病室のドアを閉め、更衣室にいく。
「…バカ…あたしの、大バカ…」

ーーー過去、松野カラ松の場合ーーー
「……死ね、か」
完全に嫌われてしまったようだ。
…確かに、庇わなくても先輩が生きてたかもしれない。
あのまま、俺が死んでたら『先輩を庇って死んだバカ』のままだった。
そしたら俺は先輩に罪悪感を感じさせることはなかった。
…バカだな。
「…俺は、好きだぜ。先輩」
もう、届かないけれど。
「…っ!?」
なんだ、これ。
心臓がいたい。
全身が痛み出す。
目を開けられない。
…俺、どうしたんだ?
残った最後の力で、ナースコールを押した。

ーーー過去、二葉瑠衣の場合ーーー
「……謝らなきゃ」
許してもらえるわけ、ないけど。
ドアを閉め、彼の病室へ向かう。
その途中で。
「…あれ、先輩」
「一松くん。……そっか、もうこんな時間か。あれ、今日部活は?」
「…俺、帰宅部」
「あ、そっか」
「クソ松兄さん、どうなの?」
「……大丈夫そうだよ」
「そう」
……大丈夫、だよね。
「梨持ってきたんだけど、一緒に食う?」
「あ、うん」
そのまま彼と病室に向かう。
だが…
「先生!松野さんの容体が……」
…え?
「…カラ、松、くん……?」
もしかして、私のせい…?
「…先輩、着いていこう」
殆ど放心状態の私を、一松くんは引っ張ってくれる。
「ねえ、一松くん……聞いてたでしょ?あの会話」
「ああ、聞いてた。…気にすることないよ」
「でも……でも…」
「まだ死んだ訳じゃないんだからさ。泣かないほうがいいよ」
…あはっ。
優しいなあ。

『…ただ、残念だけど彼は死んでしまった。なぜ急に全身が痛み出したのか。誰もそれは知らない』

ーーー過去、松野一松の場合ーーー
「……」
やけに高い、心電図の音。
「クソ松兄さん…ほら、責任背負っちゃったじゃん」
先輩がいない。
…屋上か。
「……ごめん、行ってくるわ。……クソ松」
屋上への階段を上る。
「…いた」
「…いちまつくん」
「……その、残念……だったね」
「きはつかわなくていいよ。だってわたしのせいだもん」
「……兄さんも、バカだよね。こんな先輩庇ったせいで死んじゃったもん」
「…からまつくんのせいじゃない。わたしのせいだよ」
「先輩、しゃべり方おかしくない?」
「…わたしのせーしん、こわれちゃったです。くずでごみでばかなわたしのせーしん、こわれちゃったです」
「へえ、自己分析できてるじゃん」
「はい。おもってもないことをくちにしちゃう、くずです」
「そうだよ、クズ先輩。俺みたいな燃えないゴミに構ってる暇あんならあやまりにいったら?」
「ゆるしてもらえないです。さいてーなにんげんがゆるしをもとめても」
「あっそ。で、これからどうする気?」
「ここからとびおりるです。ながれておちて、しぬです。しんでつぐなうです」
「…涼月先輩」
「…わたしはもう、あのこのかわりにいきられないです」
…ダメだ。
「あっそ。勝手にすれば?」
「…その、いちまつくん。…あなたがいると、さびしいので」
「わかったよ。じゃーね。『俺は結構面白いと思ったクズ先輩』」
戸を閉める。
その後、先輩かどうなったかは言うまでもない。

『…結局、あの子も死んでしまった。もしかしたら、これが本当の0722事件なのかもね。でも、真実は誰にもわからない。なぜなら、ここで彼女の物語は終わってしまったから』

ーーーBad end せーしんほーかいーーー