二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: ファイアーエムブレム ~忘れ去られし紋章~ ( No.33 )
- 日時: 2016/10/11 16:38
- 名前: 鳳凰 (ID: Y/EEdxYk)
「ねぇ、ヌコラ。俺とちょっと付き合ってくれないかなぁ。お茶でもどう?」
「む……すまないな。マチエール。君はとても素晴らしく優しい人間だ。しかし、私は誰に対しても恋愛感情を抱かないのだよ。私は一生を剣を振るうことに尽くしたいのだ。分かりやすく言えば既に剣と結婚してるみたいなものだよ。」
「えぇ……。まぁ、良いよ。ところでヌコラ。君は何しにこの国にやって来たんだい?ここは北東の国フェリアよりもつまらない場所だぞ。」
「運命に抗ってみたい。だれかと……それだけの話だ。今日はこれにて失礼するよ。」
紫髪の女剣士はそう言うと宿屋を探しにマチエールと別れた。
「ねぇねぇ、そこの奥さん。俺とお茶しy…」
「お断りします。」
と言う会話が聞こえる方向と剣士は逆方向に向かって進む。
しかし、剣士はうっかり財布を忘れてきてしまったようで…。
「しまった……財布を前の世界に忘れてしまった。カムイ殿ならこの世界に来る前に会話してたから知ってると思うのだが……」
仕方ないので彼女は路地裏の隅に良い場所を見つけたので野宿することにした。
怪しい影に気づかないまま………
時は同じくして城にて
現在、夕食を食べ終えアルスの部屋で美女二人に囲まれながら色々と話をしていた。アルスも大分、女性の扱い方になれてきたようだ。
「アルス様は何で存在を隠されていたんでしょうね。こんな素晴らしい王子ならいたって国民は絶対にいやがらないはずなのですが……」
金髪の美女に続き碧髪の美女が続ける。
「だよね。アルス様のどこが悪いのやら。」
「うん…と……多分、父上は何かを守ろうとしていたと思います。あ、話は少し変わりますが、父上は国民にはいないと思わせておきながら僕には優しく、いつも話し相手になってくれていました。」
王子はそう言うと、金髪の修道女は時計を指して
「そろそろ、就寝しないといけませんので先に失礼しますね。」
と微笑みながら言い、部屋を出る。
「じゃあ、私も……あ、そうだ。」
碧髪の騎士が出ていく前にアルスの方向に再び歩く。
「アルス様。今日はありがとうございました。」
「僕はなにもしてないですよ。」
「アルス様と一緒に戦えて私、凄く嬉しいです。死ぬまでお守りしますから。」
「ありがとう、でも。皆を殺させはしないようにします。貴方達がいないとまた、家族を失うようで…怖いんです。」
「私もですよ。詳しくは後日、話しますけど……」
そう言うと彼女は部屋を出た。
明日は亡き父の鎮魂の儀を国全体でする日……。
僕には家族がまた出来た。
本当の家族はいないが………
本当の家族………
ほんとうのかぞく………
ホントウノカゾク………
ドウシテ,ボクヲオイテキエテシマウンダ。
今、アルスの中にいる何かが目覚めようとしていた。
第一章 終?
異界にて
「カムイ様。本日も透魔王国は平穏でした。」
「そうか。ごくろうさま。」
「ところで、カムイ様の部屋にこんなものが……」
異界の王子の部屋にあったのは『あの』剣士の財布だった。
王子は『嘘ですよね!?』と言う顔をしながら
バトラーのジョーカーに何も言えなくなってしまった。
第一章 終