二次創作小説(映像)※倉庫ログ

エピソードナナ5 ( No.117 )
日時: 2016/04/27 02:03
名前: 敷島クルル ◆vhkHu4l20g (ID: 9XXAAjqY)

「肉球〜うりうり〜肉球〜。」
「ニャー!!離せニャー!まだ親父にも触られたこともニャいのニャー!!」

群青色の本来ならば整った美しい毛並も乱雑にかき回されたような跡を残したアイルー、涙を目に浮かべながらナナの膝の上に力づくで乗せられている。
様子を見かねたもう一匹のアイルー、野生のアイルーそのものの毛色を干し草から覗かせながら恐る恐る問う。

「ニャ、ニャア、貴女はどうしてここに…。」
「あてか?…えとね。」

少女が顎に手を添えて考える素振りをみせる、その隙を群青色の、それでいて虎模様のアイルーがここぞとばかりに逃げ遂せる。

「な、なんて人間ニャ!やはり人間はルカ様以外信用できんニャ!」
「あ、リュウ今のチクるぞー。」
「オスカー!お前はこういうタイミングで起きなくていいのニャ!」

はいはい、と頷き、船の操舵に回る。
見たところ一番体躯が大きく、薄緑の体毛はなんとも特徴的だ。

「なんか気持ちよくなって寝たらここにいた。」
「そ、そうなんですかニャ〜。」

この船の中で元の乗員よりも堂々とした態度にハクサイと呼ばれているアイルーは萎縮してしまう。

「あの、ルカ様のお仲間でしょうニャ?」
「ん?そうだぞ、ルカの仲間だ!」
「わぁあ…!」


ナナの言葉にハクサイが感動の意を示す。


「ルカ様にお仲間が出来たんですニャ!めでたい!めでたいですニャ…!」
「…それがこの人間かニャ?」
「こ、こら!リュウ!そういうこと言っちゃいけないと思うニャ!」
「フフン…、日々鍛錬を欠かさないルカ様のお仲間が、この風貌かニャ?どう見たってそこらの人間の女ニャ、それも子供ニャ。」


一同の目線がナナに集まる。
当の本人はいざ知らず、虎模様の揺れる尻尾を煌々とした眼差しで追っている。


「リュウだっけ?」
「気安く呼ぶニャ!」
「わしっ。」
「ニャ"ァアアアアッッ!?!?」


尻尾を掴んで宙ぶらりんにする。
突然の天地逆さまに悲鳴をあげる。
野生だったころの防衛本能の為か爪を展開し、目の前の人間に振るうが難なくそれを躱される。


「この船、どこに行ってるんだ?」
「ニャ!そうだったニャ!」


逆さのままリュウが声の大きさを全員に聞こえるトーンに変える。


「今回のモンニャン隊リーダーとして、クエスト内容を伝えるニャ!」