二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- エピソードナナ1 ( No.90 )
- 日時: 2016/01/12 22:44
- 名前: 敷島クルル ◆vhkHu4l20g (ID: QRmoI/Ul)
「にーさん達どこいったんだろ。」
「そうですね、シュートさんも朝から見当たらないですし、2人でどこか行ったんですかね?」
ルカという少年が自分達の素性を知らないことはナナは知っていた。
そしてそれをバラすことがいけないことも。
カイムとシュートは【シックバザル】捜索の為、【龍歴院】に近付いているのだろうと、回らない思考をなんとか働かして少女は考える。
昼下がりのベルナ村、2人は少し遅い昼食を手に入れる為、村を散策していた。
「う〜ん?…あれ?」
「ナナさんどうしました?」
「うんとね、前にベルナミルクっていうの飲んだことがあって、凄い美味しかったんだ、でも見当たらない。」
「あ、それでしたら父さんの牧場にムーファがいるので搾りましょう!」
「…お父さん?」
「あ、言ってませんでしたっけ?僕の父さんはこの村の村長やってるんですよ。」
ピク、と反応する。
単なる好奇心、それ以上に胸がざわめく感覚。
自分でも確かめるようにもう一度呟く。
「…お父さん?」
「はい!僕も最近牧場行ってないですし、整備がてら一緒にいきませんか?」
「あて!お父さんに会ってみたい!」
————エピソード【ナナ】
にゃん太さんお待たせしました!
リクエストをして頂いたナナとオトモ対アオアシラの大冒険です!
仕事が始まってしまったので投稿がすこしずつになってしまいますが、絶対かきますねー!
- エピソードナナ2 ( No.91 )
- 日時: 2016/01/13 22:17
- 名前: 敷島クルル ◆vhkHu4l20g (ID: QRmoI/Ul)
村の中央、龍歴院からほど近く、武具屋、雑貨屋といった比較的ハンターとなじみ深い店が開いている市場。
普段はカイムやシュートと同行しているときは特に用事が無いため目にはするものの通り過ぎていた場所。
「父さん、ただいま!」
「おぉ!おかえるルカ、遂にハンターになったそうじゃないか。」
広場で切り株に腰を掛けている中年の男性。
人懐っこい笑みを村人や旅人に向けるその顔はどこか少女の隣、ルカとそれとなく似ている。
ルカを見付けると、太陽のような陽気な笑顔で歓迎する。
「うん!それでね、今日はその仲間と牧場行きたいんだけどいいかな?」
「おぉ!仲間さんも来てるのか!」
話を振られ、困惑する少女。
咄嗟に出た行動は、とりあえず顔見知りであるルカの背中に隠れることだった。
「こ、こんにちは…、ナナって言います…。」
「こんにちは、ルカが世話になってるようで、これからもよろしくお願いします。」
そんな様子を歯牙にもかけず柔らかな笑みを絶えず向ける。
それが殊更に少女の顔を紅潮させ、ただでさえ小さい身体がさらに小さくなる。
借りてきたアイルーのようだ、と少年は心の中で笑う。
「じゃあ父さん行ってくるねー。」
「いってらっしゃい、何かあったら行ってくれな。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「あ、あて変な顔してなかったかな?」
遠く小さい姿になったルカの父親をひっきりなしに気にしながら少年に尋ねる。
「顔は良く見えなかったですけど、態度が変でしたね。」
「し、失礼なことしちゃったのか?」
「いや?でも変なことはしてないので大丈夫ですよ、お父さん笑ってましたし。」
「そっか、よかったぁ…。」
安堵のため息。
それと共に全身が緊張していたのか、あくびを一回。
「お父さん苦手な人でした?」
「ううん!あ、あてが悪いの!」
「?」
「あぅ…、ほ、ほら!いくぞルカ!」
「え?ちょ、ちょっとナナさん!?そっち違う道ですよ!走らないで!…お、追い付けない…!」