二次創作小説(映像)※倉庫ログ

1.迷い込んだ少年 2 ( No.48 )
日時: 2017/02/27 19:42
名前: 葉月 (ID: 9Urj1l4Z)

 木実達が来て、どのぐらいの時間が経ったのだろう。お見舞いの品であるりんごを食べ、雑談を交わしつつ、三人の少年の事も話し合った後、木実と純はティアナ達にもあげた依頼の報酬である抹茶と茶菓子を葉月に渡して、彼女は当然の如く喜んだ。次の依頼の内容を報告した後、木実と純と鶴丸は医務室を出た。
 木実達に続くようにつぎドカメンバーも出て、なのはやフェイト、はやてら機動六課の隊長陣もまた、つぎドカメンバーの後に出た後、残ったのは作者葉月と召使いのセイラとレイのみとなった。三人になっても尚、彼らの目覚めを待っていた。
 空もまた、橙色に染まり、美しい夕日が窓から差し込んだ。少年が眠っているベッドの隣には葉月が寝ており、セイラは医務室にある掛け布団を葉月にそっと掛けた。人間の葉月は朝から活動をしているが、吸血鬼のセイラとレイは夜になってからが本領発揮する。セイラとレイの二人は吸血鬼だが、苦手な太陽の光にも耐性があるものの、本来の力と比べて弱体化しているのは確かだ。もうすぐ夜になるにつれて、本来の力が取り戻しつつある。夜目が利く吸血鬼にとっては都合のいいものだ。
 葉月は少年の横で沿うように眠るが、すぐ隣にはセイラが座っている。その後ろにはレイが立っていて、様子を見ていた。

 それから更に時が過ぎて、日はすっかり沈みきり、月も出て来たところでようやく三人の少年の意識は回復した。先に目覚めたのはエメラルドグリーンのボブに翡翠色の瞳をした中性的な少年、それから黒髪のミディアムヘアで浅葱色と菫色のオッドアイの少年と金髪の長い髪を一つ結いにし、翡翠色と緋色のオッドアイの少年も続けて目覚める。

(ここは……どこだ……? 俺達は病室にいる?)

 意識が朦朧としながら暗い医務室の天井を見つめている。

「どうやら気がついたようだな」
「……え」

 レイの声で、少年は声が詰まった。暗闇は何も見えないため、レイの声が聞こえても彼がどこにいるのかも分からない。すると、レイは少年の顔を覗き込むようにして、ここにいることを証明する。

「俺は君の目の前にいるぞ」
「えっと……暗闇で見える……?」
「当たり前だ。吸血鬼だからな」
「きゅ……吸血鬼!? 血を吸われるってことはないよな!?」
「安心しろ。俺達は君の血を吸わない代わりに別の物を飲んで用を足している」


 吸血鬼だと明かすレイに少年は驚くも、血を吸わずに別の物を飲んで用を足していると答える。ちなみに別の物とはトマトジュースを指している。レイはもちろん、セイラも吸血鬼で、血の代わりにトマトジュースを飲んでいる。ちなみにセイラやレイなどの吸血鬼は人間の血を吸わないように心がけているため、喉が渇いたらトマトジュースを飲むようにしている。
 
「それならよかったけど……吸血鬼だからてっきり人間の血を吸うのかと思ったんだよ」
「お嬢様も初めて私が吸血鬼だと明かした時はあなたと同じことを言ってたわ。人間の血を吸うの? って」
「お嬢様って……?」
「我が主葉月のことだ。君達が目覚めるまで見ておられたのだぞ?」
「そうだったのか……後で礼を言うからな」

照れくさそうに笑い、葉月に礼を後で言うこととなった少年だったが、その時、パッと医務室の電気が点き、眩しいと察知したのか目をギュッと閉じる。電灯を点けた犯人は黒髪で真ん中分けでつり目の少年だった。

「暗いんだから電気ぐらい点けなよレイ。あ、気がついたんだ」
「元気になって何よりだ」

黒髪でつり目の少年ーー高尾和成とピンクのポニーテールの女性ーーシグナムは三人の少年が目覚めたことに一安心する。高尾は医務室に入り、お見舞いの品を取り出した。
少年はお見舞いの品を見て、目を輝かせる。

「わぁ〜すっげー! 果物セット用意してくれたんだ! ありがとな! 二人も気に入ったよ」
「気に入ってくれてよかった。そういえば名前聞いたことなかったよな? 俺は高尾和成。あんたらの名前は何ていう?」

高尾に名前を聞かれると、エメラルドグリーンのボブに翡翠の瞳をした少年はアルフォンス、黒髪のミディアムヘアに浅葱色と菫色のオッドアイの少年はナハト、金髪の長い髪を一つ結いにし、翡翠色と緋色のオッドアイの少年をセルバンテスと言った。
高尾はアルフォンス達にもう動けるのかと尋ねると、彼らは「ちょっとだるいかも」と答えた。
それはそうと彼らはまだ目覚めたばかりで、動けるような状態ではないのだ。体の節々が痛むわけではないが、気だるさが残っているという。

「ま、寝起きだから仕方ないか。作者はあんたらの面倒とか見てたらしいからとりあえず元気になってよかったよ。俺達はもう行くから後で来いよ」
「わかったよ」

高尾はそう言うと、医務室を後にした。シグナムも高尾の後についていき、医務室を発った。



切ります。

1.迷い込んだ少年 3 ( No.49 )
日時: 2016/01/25 13:26
名前: 葉月 (ID: Xr//JkA7)

ほずん

1.迷い込んだ少年 4 ( No.50 )
日時: 2016/01/28 07:42
名前: 葉月 (ID: 1Fvr9aUF)