二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【視点小説】歪んだ世界【参加者大募集中なのだよ!】 ( No.85 )
日時: 2016/06/05 16:09
名前: 伊那谷ユウナ (ID: YVCR41Yb)

幻獣界メイトルパーーー森羅万象、弱肉強食を体現したこの世界にいる亜人はかつて、原初の人間がメイトルパの生き物達を契りを結び、生まれた存在だ。シルターンでいうところの龍神と龍人、鬼神と鬼人の関係と似たようなものともいえる…ただし、どちらも決定的な違いがあるのだが。
しかし現在のメイトルパには亜人の始祖である人間は存在しない。原因は【解魂病】という特殊な病気…別名【マナ枯らし】とも呼ばれる流行病で滅んでしまったからだ。空に発生した雲が黒い雪のようなカビを降らせ、それが身体に寄生することによって、魔力マナを根刮ぎ吸い取る…これには一切の治療手段は通用せず、頼みの綱ともいえる魔力による治療法さえも逆に魔力を多く吸い取られ、病状を悪化させた。結果、耐性も免疫もない人間は滅んだのである。
さて、ここで疑問が生じるのだが。その病気は一体どこから生じたのか?そして何故、人間のみにそれが蝕み、魔力を枯らし、命を奪ったのかーーー?


真実は、全て海底にあった





(………ねぇ、結)
(…まだですよ)

世界の中心には地上で活動する亜人や魔獣達が暮らす大陸があり、外側には大海原が広がっている。その海底のどこかに【幻獣界の始竜】シューベルトが住む【命樹の海域】がある筈、なのだが…

(なにせその海域はランダムで場所が変わる…この広いメイトルパの海底を探し回るしかないのです)

それを可能としているのはラウスの命樹のおかげともいえる。ラウスの命樹もとい妖精樹は一部の妖精が他種族との関わりを嫌ったがために造られた樹…マナを宿す事で外界から隔絶された特別な空間を生む。だが、命樹の海域の核であるラウスの命樹は少しだけ違う。この世界とは別の異空間を生み出すところまでは同じだが、なんと樹自体が意志を持ち、その樹の気紛れかシューベルトの頼みによってメイトルパの海底の何処かに漂っているのだ。そのため、海底に住む生物達も海域の場所は正確には知らない。ただし全く知らない、というのはないのだが。

(申し訳ないウルキス。このような海底にまで喚んでしまい…)
「構いませんよ〜♪結様の為ですもの〜♪」

結は今、水の古妖精であるウルキスの力を借りて解と共に海を潜っていた。呼吸は問題ないが、声を出してしまえばウルキスの術式が解けてしまうので二人はこうして念話を用いている。ちなみに何故、結は海に住む水棲亜人ではなく、妖精に力を貸してもらっているのかというと…その質問に嫌々と答えてくれた本人曰く「魚は苦手なので」との事。別に食べる訳じゃないし、いいじゃん…と解が思ったのは当然かもしれない。

(ところで結。幻獣界の始竜ってどんなの?ますたーみたいなの?)
(確かにマスターは珍獣ですが、シューベルト様は珍獣ではありませんよ、解)
「結様ってば〜ミルヴァーナ様の事をそう思ってたの〜?」
(違いないでしょう?)

あはは、そうだね〜♪とさらりと肯定するウルキス…お前ら、本人いないからって言い過ぎだろ。

「シューベルト様だけどお、しいていうなら完璧だよ♪顔良し、人柄よし、地位よ〜し♪だけどお、弱々しくて自虐的なのはたまにキズかな?ん〜〜ぅでも!それも良し♪そういえば解様はシューベルト様に会った事ないの?」
(まあ…なんやかんや?)
(私は幾度かあります。ですから解…私が今から言う注意事項を聞きなさい)
(………ん。何個あるの?)
(私が言える事は…ひとつしかありません)

結はまた、嫌そうな顔をする。否、端から見れば普通に笑っているように見えるだろうが、解はそれが嫌がっている顔だと理解出来る。なにせ兄妹だから。結は暫く間を置いて、言った。

(……彼と目を合わせない。これが私が提示する注意事項です)
(始竜はメデューサかラミアなの?ああでも、ここの始竜は男の人だったよね…むう…?)
(会えば嫌でも分かりますよ…あ、着きました)

その一言で解は目を疑った。成長した子クジラのように大きく、白いカーテンを揺らすように浮かぶそれの中心には海底に不似合いな大木らしきものがあった。

(く、クラゲ…?)
(そう。命樹の海域はあのクラゲの頭にある。ちなみにあの触手は猛毒なのでそれを掻い潜らなくてはなりません)
「じゃあ私の出番はここまでですかね〜?」
(ええ。ありがとうございました)

ウルキスは結に妖精郷へと送還される。彼女が帰ったとしても恐らく数分は海底の環境に耐える呪術は消えないだろう…その前にあの大木までたどり着かなくては。

(さて、行きますよ解)
(りょーかい…!)



二人が命樹の海域に向かうその頃ーーー霊界サプレスでは、割と洒落にならない危機へと直面していた伊那谷ユウナ…ミルヴァーナがいた。




【深い海と刻の狭間にて】

(………ごめん。結、解)
(伊那さん、もしかするとまた死ぬかもしんねえ…っ)




誰だよ、サプレスのエピソードから始まるって言ったのにメイトルパから始まるって言ったのは!?伊那谷です。つーかお久しぶりです。

もうね、サモンナイトの話しかしてませんねごめん。でも好きなのでついつい盛っちゃうんですよ…
で、メイトルパですが実は意外にもサプレスとは深い関わりがあります…詳しい事はゲーム(特に2と4あたり)やれば分かりますが、かつて悪魔共が異世界に向けて侵攻。マナの多いリィンバウムは勿論、同じくメイトルパもそんな理由で狙われたのです。その一環が【魔獣侵食】…簡単に内容を言いますと、侵攻の際に悪魔の源罪カスラによって幻獣は魂を歪められ魔獣と成った、という訳でして…そこで天使もそれに対抗すべく、妖精や聖獣などの天使の系譜に連なる存在を誕生させた訳です…まあ詳しい事はまだ諸々にありますがねー。
そんな馬鹿馬鹿しい侵攻を何故ミルヴァーナは止めなかったのか?エルゴに並ぶメイトルパの主ともいえるシューベルトも侵攻を止めずに何をやっていたのか?そもそも始竜四人はこうも容易く異世界侵攻を許しちゃったのか?その辺は次回以降に語られるかと。あとツイッターでこの小説を宣伝しときますね
じゃあ、いつになるか分からない次回までお楽しみに。