二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【東方】楽園に現れた少女は幻想を操りし存在 ( No.4 )
日時: 2015/12/25 14:33
名前: ラリティ ◆fvHE6RWqPQ (ID: 2CRfeSIt)

「…まぁ良いわ。レイの怪我が完治したら挨拶回りにでも行きましょう」

一度ため息に似たものを吐いてお茶を飲んでからそういう。

「そうだな!最初は紅魔館か?」

「お世話になったんだから、永遠亭よ」

魔理沙が嬉しそうにしながら最初に行くのは紅魔館だ、と言う。
それに対し霊夢は、怪我の手当てをしてくれた永琳の居る永遠亭にしようと言う。
…悔しいが、霊夢のほうが正論だ。

「いや、白玉楼の方が…」

「それはないわね」

白玉楼は冥界にあり、生きた人間は滅多に行くことを許されない。
…いやまぁ、行けるっちゃぁ行けるけど。
霊夢と魔理沙と咲夜は普通に行けたけど。
人間じゃなければ行けるの?とかそういう問題ではないけど。

「行くとしたら、永遠亭の方が先の方が良いわよ。…ねぇ紫…って居ない!?」

後ろを振り返り、スキマ妖怪である紫に同意を求めるが、いつの間にか姿を消していた。
さすが、スキマ妖怪。

「あぁ、紫ならさっきっから居なかったぜ」

「くぅ、知ってるなら言ってくれれば良かったじゃない…!!」

「面白そうだったから黙ってみたぜ」

霊夢の真ん前、つまり紫の真ん前にいる魔理沙は気付いていたようだ。
どうやら、魔理沙が「最初に紅魔館に行く」と言ったところらへんから居なくなっていたらしい。
魔理沙がピースサインをする。ムカっとくる。どうしてこうも魔理沙はこうなのだろうか。


こんの、次何かあったら同じ目に合わせてやる。


そう、心に誓った楽園の素敵な巫女だった。

_______________________
_______________________


「…あの、紫様」

「何かようかしら?藍」

スキマの中。
微笑みを浮かべるスキマ妖怪と、その式である九尾と狐がいた。

「…何故彼女を幻想郷に?」

スキマ妖怪とは対してしっかりとした顔で、式は問う。

「実体に忘れられたから、幻に覚えさせようとした。…それだけよ」

感情を一切見せない、破顔微笑。
…さとりでもない限り、その表情を見破ることは難しい。いや、不可能。もしかしたら、さとりでも無理かもしれない。

「けれど、彼女は本当は忘れられて…」

「あーもう、助けたんだから良いの!この話はおしまい。藍、お昼ご飯作って」

「…分かりました」

式は一生懸命、何かを言おうとする。
スキマ妖怪は途中で遮り、逆らえないような命令を下す。
勿論、式は逆らうことはない。静かに、従うだけ。








だが、式はスキマ妖怪に何を言いたかったのか…。
彼女とは?『本当は忘れられて…』の続きとは?紫の考えとは?

明かされることは、二度とない。