二次創作小説(映像)※倉庫ログ

prologue ( No.9 )
日時: 2016/02/06 19:25
名前: バタフライ ◆T0qJfISYm6 (ID: cWF1aDDB)

私は寺本、島津に連れられるようにして、地下都市を歩く。
「……そもそもどうして私たちはこんなところに?」
「それがわかったら苦労しないんだよね〜。気がついたらここにやって来た……というか……」
「俺たちは間違いなく希望ヶ峰学園に入学したはずだ。だが入学して校門を抜けたところで、いきなり気を失って……」
「みんなそうらしいわよ。ツバサはわかんないだろうけど……」
そう話しているうちに、跳ね橋のような場所へやってきた。
「……降りてる」
「確かに降りてるな。俺たちがここへ初めて来た時は跳ね橋は上がっていたはずだ」
「この奥になにかあるのかも、行ってみようよ」

跳ね橋を渡ると、そこには……
「?」
馬に乗った鎧を着た女の銅像が。
「何、あれ……」
「なんというか、威厳があるようなないような……」
「……」
私は呆然とした顔で、その銅像を見た。

パチン……

「!?」
頭の中で火花が散った。
「ツバサ?」
そして、何故か……
ブルブル ブルブル
「がっ……!」
左腕が突然びくびくと蠢き始めた。
「どうした?」
そして……
ドサッ!
「ツバサ!?ちょっどうしたの!ツバサ!ツバ……サ……」



なんだ?
ここはどこだ?
人が大量に……死んでいる……
「……」
声が聞こえる。
かろうじて女性ということだけはわかるが、雑音が多すぎて何も聞き取れない。
「……」
その隣に、背の高い男もいた。
「……」
その男は……さっき、私にクッキーを手渡していた男だ。
「……」
「……」
私も何かを話しているようだが、何故か聞こえない……
「……」
その男に右腕を引っ張られて……

……今度は少し記憶が飛んだ。
「……」
「……」
やはり男と女がしゃべっているが、先ほどの男とは印象が違う。
「……」
その男が、私の腕に手を伸ばし……
……腕?
私は、消え入りそうな意識で、左側を見る。
その時、目の前にノイズが走った。
まるでテレビの砂嵐のように、何も見えなくなってきて……



「!?」
目が覚めると、ベッドの上だった。
布団をかけているが、少し寒い。
先ほどの夢が悪夢かどうか……それは分からないが、体の震えが止まらない。
「……な、なんだ……!」
どうすればいいかわからなかった。
逃げ出したくなった。
そういった焦燥感でいっぱいになってきて……
「……」
……現実から逃げようとした。
再びベッドに寝転がる。
そして多少無理矢理にでも、目を閉じようとする。
「うんうん!寝る子は育つって言うしね!」
「!?」
何か声が聞こえた。
体を急いで起こし、左右をキョロキョロと見回す。
「違うよツバサさ〜ん!こっちこっち〜!」
「だ、誰だっ……!」
「部屋の中にモニターがあるでしょ?それを見てみなよ!」
頭を上に上げると、天井からモニターが吊るされていた。
「じゃ、そのまま顔を下ろしてごらん!」
と、そこにいたのは……
「……」
「やっほ〜!はじめましてだね!ツバサさん!」
白と黒のクマのぬいぐるみだ。
「……」
唖然として、声が出なくなった。
声が聞こえる方向を見たら、ぬいぐるみがあって……
「いやいや、もっとリアクションしてもいいんだよ?{なんでやねん!}とか、
 {ヴェアアアアアア!クマシャベッテルゥゥゥゥゥ!}とか」
「あ、あぁ。うん」
後者は喉が潰れるからやめておくとして……
だが不思議と……驚き以外の感情は生まれなかった。
「何しに……この部屋に来た?」
「何って……寺本さんや島津クンに頼まれたからだよ!本当は頼んでもないけどね!
 とりあえず、詳しいことは今頃絶望に沈んでいるみんなから聞くといいよ!
 うぷぷぷぷ……ぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃ〜〜〜!」
嵐のように、ぬいぐるみは消えていった。
「……?」
事情がまるで飲み込めなかった。
よく見ると、部屋の中にある小さなテーブルの上に、手帳のようなものが置いてある。
「……」
コンコン
「ん……今開ける」
とりあえず手帳を懐に隠し、ドアを開けると、そこには……
「……よかった。もう大丈夫なのね」
寺本がいた。
「あぁ。ごめん。心配かけて……」
「うんうん。大丈夫。とりあえず……今から大食堂に来て。大切な話があるの」
大切な話……?

「詳しいことは今頃絶望に沈んでいるみんなから聞くといいよ!」

「さっき、部屋にモノクマが来たんだが……それに関する話か?」
「え?」
「あのぬいぐるみのような奴だ。{今頃絶望に沈んでいるみんなに聞け}と言われて……どうした?」
寺本は目を丸くした。
「なんであのぬいぐるみの名前……モノクマだって知っているの?」
「……?」
少し考えたあと、
「なんで……だろうな?」
とりあえず{大切な話}を聞かない限り、何もわかることはない。
私はまだ少しだけだるい足を、食堂に向けた。