二次創作小説(映像)※倉庫ログ

クロとクロード(その1) ( No.613 )
日時: 2016/08/17 17:55
名前: 桜 (ID: exZtdiuL)

タイトルは内容とピッタリなのが思いつかなくて、こんなぐりとぐらみたいなタイトルに・・・;昨日でお盆のバイト、やっと終わりました!また土日のバイト、頑張らなきゃ。






私に盗めぬものなどない。


だから、本命以外は傷つけるって分かっている。


だが、その「本命」にも届かない。


私が誰かに心をやるなんて、ありえない。






私の名はクロード。身長168㎝、15歳(クラスでは年齢を14歳と偽り隠している)のB型。魔界で一番の世紀の大怪盗だが、普段は茶色のキャスケットを被り、「クロ」として変装している。私は人より優れた男だ。まず、魔界の全国模試では驚異の5教科満点1位。スポーツ万能でありながら芸術的才能にも恵まれ、両親は亡くなってしまったが、莫大な遺産を持ち、私は伯爵で将来も約束されている。そして極め付けはこの容姿。芸能界にもスカウトされることがある。
そんな私が唯一思い通りに行かないもの。それは月島あいり。あいりはツーストとか言う奴に一途で私の色香にもかからない上に私の正体までバレた。そのあいりが私の正体を内密にするという代わりにこんなことを頼んできた。


あいり『あのニセ予告状を送ったニセクロードの正体を、あなたのところの科学者に頼んで暴き出して下さいまし・・・!』


初めはとんでもないことを頼み込むものだと思った。だが、私はニセクロードは「あいつら」のせいならあいつらの目的も知りたいと思った。それからはある日、あいりは屋上に行き、私にクロスのことを頼み込む。


あいり「そういえば、あなた、クロスのことをやけに執着しますわね。なんでですの?」
クロ(クロード)「そうだな。クロス殿は・・・うーん」


とりあえずこの手で行くか。クロスの話を聞くうちに・・・って奴だ。私に落とせない女はいない。あいりだって、きっと・・・手に入れてみせる。そんな想い、私がぶっ壊してやる。私はクロスの話を言う。


クロ(クロード)「クロス殿はなー・・・良く言えば実直で主人第一主義、悪く言えば拒み屋の世間知らずだ。時代の変化に取り残されて過去を捨てることを拒む式神だ」
あいり「ふーん・・・じゃあ、エマちゃんは?もしかして、あなたが誘拐したんじゃありませんわよね?」


あいりの問いに私はこう答える。


クロ(クロード)「・・・エマは人買いから買った子だ」
あいり「えっ、ひとか・・・!?」
クロ(クロード)「私は人買いで売られているエマを可哀想だと思った。さらにエマにはろくでなしの買い手が付いてな。私はその買い手よりも高い額で買った。今でこそ心を開いてるエマだが、私が来た時にはすっかり心を閉ざしていたのだ」
あいり「・・・へー」
クロ(クロード)「あの子のピッコロの才能をいち早く見抜いたのは私だ。あの子は今はくすんでるが磨けば美しく輝くだろう」
あいり(そんな過去があったなんて・・・クロードはエマちゃんのことを本当に大事に・・・)


あいりは何やら考え込んでいた。あいりは不思議とクルクルと表情が変わる。私も貴殿の傍らに立てば、私も分かるだろうか・・・?






「クロ」とクロスが初めて会った時、なんだか初対面ではないような気があいりにはした。きっと、いい関係ではないだろうって、そのことだけ気付いた。あいりはその理由を深く聞いてはいけない気がした。
だが、あいりはクロスがツーストの式神だから、大事な仲間だから。だからこそやっぱり知りたいと思うかもしれない。クロスとクロードに何があったのか。


あいり(きっと、主人絡みか何かの組織絡みなのは間違いありませんわ。あれ?クロードとクロスって何で敵対してるのかしら?・・・もしかして・・・クロードが問題起こしたとか!!?あ・・・ありえますわ;)


すると、雨が降ってきた。あいりはこれに驚く。


あいり(・・・マジでどうしましょう;)
???「あいり殿!」
あいり「!クロ!」
クロ(クロード)「乗れ!」


あいりはクロのリムジンに乗り、近くのファミレスに向かう。クロはメニューを見る中で言う。


クロ(クロード)「いや、びっくりした。まさか、こんなところで会えるなんてな」
あいり「私もですわよ。フランスにいるのかと思いましたわ」
クロ(クロード)「バカ言え、私には日本での屋敷もあるのだ。そこにエマと一緒に住んでいる」
あいり「そうですか・・・」
クロ(クロード)「何でも好きなもの頼め」
あいり「・・・」
クロ(クロード)「?どうした?」


クロの問いにあいりは言う。


あいり「・・・クロ。あなた、クロスを怒らせるようなことしましたの?」
クロ(クロード)「・・・!」
あいり「・・・だから、コンビネーションはすごいですのに、仲が悪いですの・・・?」


あいりの質問にクロは沈黙したが、その直後に笑いを堪える。クロは言う。


クロ(クロード)「・・・すごいこと聞くな、あいり殿」
あいり「!・・・ごめんなさい、でも」
クロ(クロード)「いいのだ。何も話さないとあいり殿だって辛いな。・・・クロス殿はかつての主人の他にある人物を探してな、私はそれを「そんなの自己満足だ」とバカにしてしまったのだ」
あいり「・・・!」
クロ(クロード)「だから・・・「私をバカにしたお前を止める」とやけになってしまってな、・・・後悔をしている。何であの時あんなこと言ったんだって。クロスは今の主人(ツースト)と出会って、闇の流星を滅ぼして少しずつ成長していると聞いた。だから・・・その嫌がらせのためにあいり殿に近づいたんだ。アリスのリボンを奪うために。でも、一途で不器用で照れ屋なあいりを見てたら、そんな考えはすぐに消えた。あいりではなかったらやめてたんだ」
あいり「・・・!」
クロ(クロード)「さぁ、何でも好きなもの頼め」
あいり「・・・はい!(やっぱり、クロードは好きは好きですけど、いい友達かしら」


すると、向こうの席に声がした。あいりはそれに気付く。向こうにいたのは女装したゼオとーーー


ゼオ「ツースト、何が食べたい?」
ツースト「くっつくなよ;」
ゼオ「えー、いいじゃーん。あはは」
クロ(クロード)(あれって・・・)


女装すればかなりの美少女のゼオに気付かないあいりはこれにショックを受ける。あいりは走る。それにクロは追う。


クロ(クロード)「おい!(あいりを見つける)・・・。まだあれじゃ付き合ってるかなんて分からんぞ」
あいり「ーーー・・・」


すると、クロはあいりの涙を見る。これにクロはとても心を奪われた。自分が唯一思い通りにならなかったもの、それは・・・


クロ(クロード)(本気になると、無我夢中になって傷つくって分かってるだろうに・・・)


すると、クロはあいりの髪を触る。彼は言う。


クロ(クロード)「そんなに辛いならやめたらどうだ?」
あいり「・・・ク」
クロ(クロード)「私にしな」


すると、クロはあいりを抱きしめる。
でも、本気で好きになるって、そういうことか。周りが見えないくらいに。
あいりは言う。


あいり「・・・ありがとう、クロード。でも・・・ごめんなさい」
クロ(クロード)「・・・!」
あいり「私・・・やっぱり、ツーストのところに行ってきます。絶対に傷つくって分かってますけど、本気で好きになった人ですもの。貫き通したい」
クロ(クロード)(・・・。やっぱり、強いなあいり殿は。羨ましいくらい)


クロがあいりから離した後、あいりは去り際に言う。


あいり「本当にありがとう。クロードがいて良かったですわ!」


あいりが去る中、クロは自分の髪をくしゃっとやる。これをロゼが見ていた。ロゼはクロードに駆け寄る。


ロゼ「・・・クロード。あなたが「あいつら」にどんなことをされても平気でいられた希望はエマ様だけじゃなく・・・月島あいりも希望だったんですね」
クロ(クロード)「・・・。次は必ずあいり殿の「心」もいただきましょう」


夏は好かぬ。だが、あいり殿といると、そんなことも忘れられた。あいり殿が笑うと、嬉しくなった。クロス殿との誰も知らない秘密、あいり殿に残しておきたかったのかもしれない・・・。






クロード・・・

クロとクロード(その2) ( No.614 )
日時: 2016/08/17 17:59
名前: 桜 (ID: exZtdiuL)

ツーストの浮気の誤解も解けた後(実はあの美少女が女装したゼオだったことをツーストが弁解したらしい)のその翌日のスマブラ屋敷。クロードはクロとしてスマブラ屋敷に来ていた。あいりとツーストに声をかける。


クロ(クロード)「あいり殿、ツースト殿。ごきげんはいかがかな?」
あいり「こんにちは」
ツースト「・・・(ムスッ」
クロ(クロード)「おや?ツースト殿、眉間にシワを寄せてどうかしましたか?」
ツースト「チッ。別にっ(最近、あいりがクロと仲良いからゼオと一緒に偵察に来たもののそういう仲じゃないみたいだな」


少し安心したツーストだが、クロスはクロの表情が少し柔らかくなったと感じた。クロは思う。


クロ(クロード)(あの時、今すぐニセクロードの正体を教えるつもりだったが・・・どうせ「あの組織」にほとほと私達の嫌気が差してきたしな、やめる時に言うか)
あいり「?クロ、どうしましたの?」
クロ(クロード)「何でもない」






とある場所。スキンヘッドにメガネの男は部下からチームクロードの状況を聞いた。


???「チームクロードが私の組織から抜けようとしているだと?」






???「もし、それが事実ならチームクロードが私の組織を抜けることを止めるまでアシアワールドの奴らを消せ」






FIN






「後書き」


今回はクロことクロードのお話。クロード自身も目的のための遊びのつもりが、徐々に本当に好きになったということですね。
さて、ある組織に狙われたアシアワールド、それにチェリーワールドの人達はどうするのかを乞うご期待下さい!






感想OK