二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- わたしのホルン(前編)(その1) ( No.680 )
- 日時: 2016/08/29 18:00
- 名前: 桜 (ID: exZtdiuL)
今回はアイオーン様とリデルが主役な前後編。リデルがホルンのコンクールに挑戦しちゃいます。ちなみにちょっぴりシリアス、ほのぼのギャグ。
ある日のピアニッシモ。リデルのホルンの音色。それがさらに腕に磨きをかけていた。ゼンとの「俺が死んだら俺のホルンをお前に託す」という約束を果たすために今もホルンを続けている。これに大湾星華の姿の王ドラは言う。
星華(王ドラ)「リデルさん、ゼンさんとの約束を果たすためにホルンを吹いてるんですね。もうこんなに曲覚えててすごいですねぇ。・・・!そうだ、そんなに上手いなら出しちゃいましょうか」
王ドラはリデルとcantabileを呼び出す。そして彼らに言う。それは・・・
全員「私(リデル)を押コンのホルンの部門に出す!?」
星華(王ドラ)「そうです!」
リデル「そんなのっ!私なんかじゃ無理で・・・」
星華(王ドラ)「大丈夫です!リデルさんなら予選をパスして行けますし、本選で入賞できればそれでいいです。伴奏者としてクルミちゃんに頼もうと思うんですけど・・・」
クルミ(クルーク)「あ、ボクは構わな・・・」
ゼオ「クルミはこれから生き残りの人気が出てきたのに流石にこれ以上負担はかけさせたくない」
星華(王ドラ)「じゃあ、あなたが推薦したい人は?」
ゼオ「いる」
ゼオはその推薦したい人に電話をかける。その人物は桜都として今リトルモンスターにいるアイオーン。アイオーンは電話に出る。
桜都(アイオーン)「はい」
ゼオ「俺。頼みがあるんだが・・・」
桜都(アイオーン)「ゼオ!?何でも言ってくれ!」
ゼオ「実は・・・ーーー」
桜都(アイオーン)「押コンに出場するリデルの伴奏者?別に天使のげふげふリデルのことなら別に構わんが・・・」
ゼオ「良かった!じゃあ、明日吟遊月華のアルバム曲書いたらリデルの出場用紙出すから集合な!」
ゼオに電話を切られた後はアイオーンはリデルの伴奏者として出られることにワクワクしているが、押コンの意味が分からなかった。
桜都(アイオーン)「天使(恋人)のリデルの伴奏者として出られるのは嬉しいが・・・押コンって何だ?音楽と何の関係が・・・?」
紅葉「ア〜イ〜オ〜ン〜」
桜都(アイオーン)「わっ、紅葉!!」
紅葉「これを見ろ」
紅葉が押コンのビデオを入れると、そこにはすごい演奏をする押コン出場者達だった!紅葉は押コンのことを言う。
紅葉「押売新聞社主催の日本最大の音楽コンクール「押売コンクール」、略して押コン。このコンクールは1位か入賞しただけでも注目を浴びる。それ故に技術だけじゃなく表現力も必要だ。私もリデルという娘の演奏を聞いて大丈夫だと思ったから認めるが、シンガン・吟遊月華のプロデュース・リデルのコンクールのための伴奏者ということは相当なハードスケジュールだぞ。お前は付いていけるのか?」
桜都(アイオーン)「・・・ね、粘り強さなら自信がある」
紅葉「そんなもん当てになるか!!とにかく、あのフルーティストに何吹き込まれたのか知らんが、早いうちに断らないと大変だぞ!!?」
紅葉に自分の身体のことを案じて猛反対されるアイオーンだが、彼はリデルのことを考える。
桜都(アイオーン)(リデルはゼンとの約束でホルンを続けていると聞いていた。結果がどうであれこの件でリデルがもっとホルンを好きになれるのならーーー)
その翌日。紅葉はかなり激怒していた。アイオーンが一晩で吟遊月華のアルバム全曲を書いた代わりにリデル達のところに行ったのだ。
紅葉「悪いなー。桜都が急にいなくなったもんで。わざわざ私がチェックすることになっちゃって・・・つか、あのバカ男(アイオーン)、本当にゼオについて行くとは・・・;」
ヤマト「でも、アイオーンさん、あの「最も特別な」ゼオさんに伴奏者を推薦されるなんてすごいっすよ」
エニシ「ゼオさんもといcantabileは才能だけでは出せない音を出すからな。その中で音楽の知識が特に深いゼオさんに推薦されるということはその人が名を知られるきっかけだ」
ヤマト「そうっすねー」
紅葉(・・・確かに推薦された=認められたからには私もとやかく言えん・・・ということはあのピアニッシモの女社長の大きな金が動いてたりするのか・・・?)
紅葉は練習をチェックし始めるぞという時にふと周りを見渡すと、シグレがいなかった。紅葉は聞く。
紅葉「シグレは?」
ミヤビ「今日の最初からリトルモンスターを探してみましたけどいません」
紅葉「は?」
ナルカミ「私は止めたんですけど・・・;」
紅葉「あん野郎・・・何回もファンの電話もメールも半端にスルーしただけではなく、アイオーンに黙ってついて行くとは・・・」
一方、シグレはアイオーンにバレないようにこそっと付いてきていた。シグレはアイオーンが心配でこそっと付いて来たのだ。
シグレ(兄貴には悪いことしたが、俺はアイオーン・・・さんが心配だから、変装して付いていく)
一方、アイオーンは何とか集合場所にたどり着いた。今日は押コンのエントリーにリデルを出すのだ。
ゼオ「おせぇぞアイオーン!よくあのチーフマネージャーから切り抜けたな」
アイオーン「アルバムの指定数全曲書いたから・・・しばらくは大丈夫だと思う」
ププル「指定数全曲書いたの!!?」
リデル「アイオーンさん、やっぱりすごいですね!」
アイオーン「ヴ」
クルミ(クルーク)「じゃあ、星華社長が書いた出場用紙をエントリーしますよー」
すると、黄色い歓声がした。その浴び主はある親子だった。
ゼオ「チッ・・・あの親子も来てるのか」
リデル「だ・・・誰ですか」
ゼオ「ホルンのコンクールで毎回優勝している黄前世良とその母親の指導者である黄前霧子。世良は母親の厳しい指導で得た正確無比な演奏で完璧で知られる僅か13歳のホルン奏者だ」
ププル「あっ、この子、インタビューで見たことがある!そっかー、あの子だったんだ・・・」
霧子「・・・。今回も楽勝ね、世良」
世良「・・・」
女の子「あの、世良さん、感動しました!花束を・・・」
すると、気付いた霧子が女の子を阻む。彼女は言う。
霧子「やたらに花束渡さないでくれる!?」
女の子「わっ」
霧子は女の子の花束を持っていた手を跳ね除けた。女の子が唖然となる中、クルミは怒る。
クルミ(クルーク)「なっ、何ですかあれ、偉そうに・・・!花束渡すくらい・・・!」
ゼオ「今回最大の敵は世良というよりもあの母親だ。あの女だけにはどうしてもリデルが負けるわけには行かないんだ」
すると、霧子はcantabileとリデルとアイオーンに気付く。彼女は声をかける。
霧子「cantabileじゃない。今日はあなた達が審査員として出・・・。・・・(リデルを見る」
リデル「・・・?」
霧子「・・・あなた、見るからにホルンの才能があるわね。あなたはうちの世良の強敵になる。でも」
霧子はリデルの腕を掴んで耳打ちで宣告する。それは・・・
霧子「優勝はうちの世良がもらうわ」
霧子はそう言いながら世良はぺこりと頭を下げながら両者ともに去る。聞こえていたププルは言う。
ププル「優勝って・・・;」
クルミ(クルーク)「リデルさん、あの世良さんの母親にライバル視されましたね;」
ゼオ「こうなれば、優勝を目指して頑張るしかないぞ。アイオーン、頼む」
アイオーン「・・・」
シグレ(優勝・・・?あの子、あの母親にライバル視されたのか)
すると、シグレは偶然あった缶を蹴ってしまう!その直後に耳の良いゼオに見つかる。
ゼオ「誰だ!!!」
すると、ゼオ達が見たのは変装していたシグレだった。
シグレ「・・・」
五人「・・・」
全員「・・・」
今回はリデルとアイオーン様が主役の前後編
- わたしのホルン(前編)(その2) ( No.681 )
- 日時: 2016/08/29 18:05
- 名前: 桜 (ID: exZtdiuL)
桜都(アイオーン)「というわけで俺の天使のリデルだ」
リデル「よ、よろしくお願いします」
ヤマト「うはっ、可愛い!」
アイオーン達はcantabileとリデルを連れてリトルモンスターに寄っていた。ゼオから話を聞いた紅葉は激しい口調でゼオを非難する。
紅葉「何考えてるんだ、ゼオ!二つの仕事を持ってるアイオーンにリデルの伴奏者も務まるわけないだろう!」
ゼオ「大丈夫だ、紅葉さん。まあ、確かに二兎を追う者は一兎をも得ずというがな、あんなもんは二兎を追う根性のない奴の言い訳なんだよ」
ププル「ゼオ、いいこと言う!」
ゼオ「それにな、アイオーンとリデルはそんなに欲は深くない。まあ、優勝したいという欲はあるんだろうがな」
紅葉「そ・・・それはそれだぞ!そう簡単にできるスケジュールじゃないと言ってるんだ!聞いてないなこのガキは;」
桜都(アイオーン)「紅葉。今日から2時間だけ第一練習室を貸して下さい」
紅葉「何する気だ」
リデル「アイオーンさんが伴奏者としてホルンの私と一緒に練習するんです。責任は私が取ります!」
紅葉「いや、キミはあまり責任を追及するのもな・・・」
クルミ(クルーク)「まあ、やる気十分でいいじゃないですか。ん?」
すると、クルミ達はあるCMを見る。世良と霧子の普段とは違う爽やかなCMだ。これにリデルは驚く。
リデル「何ですかこれっ、雰囲気が全然違います!こんな人じゃありませんでした!」
紅葉「そりゃあ、CM用にキャラ作りしてるからな」
ゼオ「ーーーこのCMは有名な音楽会社だから業界内で注目されている・・・。有名な音楽会社だから出るCMはシリーズ化なものばかり。つまり、黄前親子が一番有名ということだ」
アイオーン「ヴッ、すごい。そんなに上手いのか?」
紅葉「CMだけで上手くなれるなら世話ないな。大体ーーー」
紅葉「この業界じゃ有名な話だがーーー黄前霧子はプロのホルン奏者になれなかったのを娘に託す親だ」
リデル「娘さんに託す・・・」
ゼオ「そうだ。子供には罪はないが、そんな奴に負けたくはないのが本心なんだ。ーーーだからこそ・・・」
アイオーン「ーーー確かに負けるわけにはいかんな。リデルは?」
リデル「私・・・世良さんに勝ちたいです!音楽って勝負の場でも本来は楽しむものだから、勝ち負けにこだわるのは良くないと思いますけど・・・私達が優勝して霧子さんに娘さんは優勝に執着させるばかりで音楽も楽しまなかったことを証明したいです・・・!」
ゼオ「ーーーああ、その意気だ。またクロウとヤイバに言っておかなきゃなぁ〜。ロムには内密で」
そして練習三日前。リデルの予選での課題曲はベートーベンのホルンソナタとシューマンのアダージョとアレグロ。リデルはベートーベンのホルンソナタはできていたが、シューマンのアダージョとアレグロはまだ途中だった。
アイオーン「大分できていたが・・・リデル、難しいところはできても簡単な箇所は苦手だろう」
リデル「ドキッ!」
アイオーン「難しいところはできているのは褒めてやるが、簡単なところもちゃんと吹かなければならない。手取り足取り教えてやる」
リデル「は、はい」
リデルとアイオーンのシューマンのアダージョとアレグロをナルカミとシグレが聞いていた。
ナルカミ「リデルさん、大切な人と約束のためにホルンを続けてるんでしたね。もうこんなに曲覚えててすごいですねぇ、シグレ」
シグレ「・・・うん」
つむぎ「でも、リデルちゃん、あの霧子さんから一目置かれるだけでもすごいぞぉv」
ナルカミ「社長!」
シグレ「あれで一目置かれると言えるのか?」
つむぎ「言えるよぉ。霧子さんにとってライバル視=一目置くと言えるんだからv」
シグレ「・・・そうか・・・(そんな女にライバル視されたリデルさんって一体・・・」
そして伴奏者のアイオーンはシンガンのバンド練習2時間、アルバム曲チェックのプロデューサー2時間、リデルの伴奏者として彼女と合わせる練習2時間で三日が過ぎた。そして押コンの予選当日。控え室の中でゼオは言う。
ゼオ「えー、リデルの順番は29番だ。予選も練習以上の力を出そうと思い上がるな。予選もいつも通りに演奏しとけ」
リデル「ーーーはい!」
アイオーン「ヴッ!」
ゼオの激励にリデルとアイオーンは返事をする。一方、審査員席では審査員長の宮園香菜子はそれまでの出場者全員の何が足りないのかを悩んでいた。
香菜子(うーん・・・みんなそれぞれレベルは高かったけど、何かインパクトというものが足りないのよね・・・)
一方、観客席では千秋とのだめが来ていた。
千秋「いやー、まさかリデルちゃんにホルンの才能があったとは!」
のだめ「伴奏者は聞いてないんですか?」
千秋「それがゼオ君から何も聞いてないんだよ;」
アナウンス「続いての演奏はプログラム29番、リデルさんの演奏です」
呼ばれたリデルは歩く。その隣にいた伴奏者はアイオーン。これに大半の全員は驚く。
千秋「!!?(アイオーン君!!?」
のだめ「アイオーン君!!?」
香菜子(あれはアイオーン様!?実は私は彼の家畜なのよ!って、それよりも・・・アイオーン様に認められたあの子は、どんな演奏をするのかしら・・・)
リデルとアイオーンはぺこりとお辞儀をする。そしてリデルとアイオーンはベートーベンのホルンソナタを演奏する!
BGM:リデルとアイオーン版ベートーベンのホルンソナタ
その演奏は細かいミスがあったが、そのミスこそもリデルとアイオーンの演奏を際立てさせているほどすごい上手かった。観客も審査員達も他の出場者も驚くくらいに。そしてそれを終わった後、間を嫌うようにすぐにシューマンのアダージョとアレグロに入った。
BGM:リデルとアイオーン版シューマンのアダージョとアレグロ
そのシューマンのアダージョとアレグロも完成度が高かった。この演奏を聞いた香菜子は思う。
香菜子(すごい。作曲者に盲従しない圧倒的な技術と優しく激しい個性。・・・これよ)
審査員「すごいんですけどねー、初めてだから・・・」
香菜子「待って!今の子は行けるわ!」
審査員全員「えっ!!?(いつも出場者を優勝まで導くと言われる香菜子さんが!?」
香菜子「私が保証するわ!だから、お願い!」
審査員全員「・・・」
千秋(すごい・・・リデルちゃんの演奏もすごいけど、アイオーン君とのアンサンブルが・・・)
のだめ「ぎゃぼーん・・・しゅごい・・・」
そしてその演奏を終えた時、観客は凄まじいほどに歓喜の熱狂を上げる。時には「角製クルミ」、「ブラボー」との声を上げていた。その他の出場者全員の演奏を終えた後に星華の姿の王ドラは言う。
星華(王ドラ)「人事を尽くして天命を待つ・・・とりあえずやりきってたわね!お疲れ!」
ププル「結果を決めるのは天じゃなく、審査員ですけどね;」
クルミ(クルーク)「リデルさんとアイオーンさん、意外の落ち着きでしたね」
リデル「アミさん達が作ってくれたお守り持ってたから・・・」
クルミ(クルーク)「ああ」
アミティ『リデル!もし緊張した時はこれを持ってて。あたし達がそばにいるって分かることができるから!』
そして結果が貼り出された。
ゼオ「来た!」
そしてその結果は・・・リデルの名前もあった。
リデル「アイオーンさん!名前ありました!」
アイオーン「よかった・・・リデルが本選出場決まった・・・」
ゼオ「でも、世良の名前もあるな。チッ」
星華(王ドラ)「そういえば、審査員長の香菜子さんから話を聞いたわ。今は有力は黄前世良・・・そしてリデルちゃん、あなたらしいわよ」
リデル「!」
ゼオ「やったな!あの香菜子さんに認められるだけでも大したもんだぞ!本選も頑張れよ。ただし、いつも通りに演奏して練習以上の力を出すな」
リデル「はい!」
アイオーン「ヴッ!」
一方、これを霧子が聞いていた。霧子は言う。
霧子「・・・やっぱり、私が一目置いた通りね。だけど・・・(審査員長に認められただけで1位になれるほどこの世界は甘くないわ!!世良が将来音楽で食べていけるようになるには私からの厳しい練習と勝利への執念よ!!」
本選への出場が決まった霧子と世良は自身の家である豪邸に帰る(実は世良の父親はアメリカでジャズをしているサックス奏者。ちなみに世良の父親は婿養子)。すると、使用人が霧子に言う。
使用人「霧子様、お客様が・・・」
すると、その人物が現れた。その女性は霧子にそっくりだった。
???「あら、霧子。どう?世良ちゃんの調子は」
霧子「晴子・・・何しに来たの」
後編に続く・・・!
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