二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 自由気ままschool life! ( No.8 )
- 日時: 2016/02/28 00:49
- 名前: 夜羽 (ID: zjmgeTG7)
『エリー&シーザー編』
【弱虫の恋、溢れる愛。】
カシャン
そんな音を立てて机から可愛らしいシャープペンシルが落ちた。
あっ、と短く小さな声を上げた後、すぐに拾おうと手を伸ばす。
その時、誰かがシャープペンシルを代わりに拾ってくれた。
見上げると、金髪の美青年だった。
シーザー「はい、どうぞ」
エリーはビックリしながらも、お礼を言った。
エリー「あ、ありがとうございます…」
この些細な出来事が、エリーの初恋の始まり。
………
………………
…………………………
それから、シーザーと仲良くなり、シーザーの友達のジョセフとも仲良くなった。
ふと、ある日の休み時間にジョセフがシーザーに質問をしていた。
エリーは眠たかったため、眠ろうと机に突っ伏していた。
ジョセフ「なぁ、シーザーちゃん」
シーザー「なんだ、いきなり気持ち悪い顔をして」
ジョセフ「ひどっ、俺泣いちゃうぜ?」
シーザー「勝手に泣いていろ」
隣の席で騒いでいるので眠ろうにも眠れなかった。
多少煩くても眠れるだろうと思っていたエリーだが、起きていて良かったと次の瞬間思ったのだった。
ジョセフ「なぁ、シーザーの好きな子のタイプは?」
エリー(?!)
質問の内容にビックリしたのと聞きたかったことをジョセフが聞いた。
だから、余計に体が反応した。
自分でも体がビクッと動いたのがわかる。
だが、シーザー達には気付かれていないようだ。
シーザー「好きな子のタイプか?
そうだなぁ…、やっぱり優しさは欲しいな。
それで、家事が得意で勉強が出来て…、運動は出来ても出来なくてもいいと思うぜ。
髪の長さとかは肩位がいいな。」
ジョセフ「髪の長さってタイプなのか?」
シーザー「立派なタイプ、じゃないか?」
なんて言いながら盛り上がっていた。
エリーはこの話を聞いてから髪を切った。
その日までのエリーの髪は結っても腰まであるかないかという位の長さだった。
休日にその髪を思い切ってバッサリと肩にかかる位の長さに切ってしまった。
月曜日、なかなか慣れない長さの髪をピンで上手く留め、登校。
教室に入った瞬間、そこにいたクラスの人達はエリーを見た途端に見とれた。
女子生徒A「ねぇ、エリーバッサリ切っちゃったね。どうしたんだろ…、でも凄いかわいいよね…!」ヒソッ
男子生徒B「なぁ、エリーってあんなに可愛かったっけ?やべぇ、俺惚れそう。てか惚れた」ヒソヒソ
そのような会話が聞こえてきた。
エリー(どうしよう…、目立ってる……
少しずつ切るべきだったかなぁ…?)
少し俯きながら自分の席へ着く。
暫くしてから、シーザーとジョセフが登校してきた。
そして、エリーの髪の短さを見たシーザーとジョセフは驚いた。
ジョセフ「よぉ、おはよ…ってエリー?!
なァんだその髪はよぉ!!切っちまったのか?!」
エリー「う、うん。前から邪魔だと思ってたし…
この際だから切っちゃおうかなって思って、切ってみたんだけど……」
チラリとシーザーの方を向くエリー。
目があった途端、シーザーは顔を赤くしてすぐにそっぽを向いてしまった。
ガーンという効果音が頭の中で響いた気がした。
エリー「あ……」
そっぽを向かれた為、ショックを受ける。
それに気がついたジョセフはエリーに、「今から言う事嘘だからな?」と言われ、すぐにわざとらしく言う。
ジョセフ「なぁエリー?」
エリー「う、うん?」
ジョセフ「シーザーの奴、エリーの事可愛くないって思ってる見たいだぜぇー?」
エリーもわざとらしく言った。
エリー「やっぱり、そうですよね
いきなり変わったら誰だって違和感持ちますものね…」
少し残念がる演技をしながら言う。
すると、シーザーは慌てながら振り向き言う。
シーザー「そ、そんな事は1ミリたりとも思っていない!むしろ…っ」
言葉に詰まる。
そんなシーザーをニヤニヤしながら見るジョセフ。
ジョセフ「むしろ…、何?シーザーちゃん?」
さらに真っ赤になりながら言う。
シーザー「むしろ……、っあぁもう!!
そっちの方が、俺は似合ってると思うぞ!!」
そう言った後、クラス中が
「「おぉっ?」」
という声に包まれた。
そのなか、エリーは嬉しさと恥ずかしさで真っ赤になり、たまらず教室から顔を隠しながら逃げた。
シーザーは呆然とエリーを見送ったあと、頭に手をあてて呟いた。
シーザー「……くそっ、好きを通り越して愛しいぜ…」
【弱虫の恋、溢れる愛。】続く
- Re: 自由気ままschool life! ( No.9 )
- 日時: 2016/03/22 22:42
- 名前: 夜羽 (ID: zjmgeTG7)
『エリー&シーザー編』
【弱虫の恋、溢れる愛。】本編続き
エリー(わー!わー!あんなこと言われるなんてっ!!)
真っ赤に火照った顔を手で隠しながら廊下を駆け巡る。
気付いたら自分のクラスとは反対の建物にいた。
エリー「いつのまに…私…こんな所に来てたんだ…」
息を切らしながら呟く。
近くの教室の時計を見る。
残り5分で授業が始まるところだ。
エリー「わぁ!急いで帰らないと…!」
そう思い、踵を返すと…
エリー「っ?!」
有桜「どうも♪
エ・リ・ー・ちゃん♪」
エリー「あ、有桜さんですか…!ビックリしました…!授業が始まるのでいきましょ…!!」
いきましょう、と言いかけたその時。
有桜に片手で襟首を掴まれ、そのまま壁にぶつけられた。
エリー「うぁっ…!!」
有桜「私のシーザーにぃ…!!なにしたんだよぉおおおおおっっ!!」
そして更にもう片方の手で襟首を掴み、エリーを持ち上げる。
エリー「かっ…あぁっ…!!」
苦しくて、上手く声が出せない。
エリー(どこに、私を、持ち上げられる力があるの…?!)
有桜「シーザーは私のだ…!!
私のだっ!!近付くな!!」
一層力が強くなる。
そして、蹴られ殴られと暴行を加えられ、意識が遠ざかっていった。
………
…………………
………………………………
エリー「…くっ……あぁっ…」
意識が戻り始め、気付いた時。
激しい痛みに襲われた。
立つのもやっとだった。
エリー(今、は…。
もう、4限目始まってる……)
授業に行かなくては、だが、こんな傷だらけの体で行っては騒ぎになってしまう。
騒ぎになっては困る、そう思ったエリーは痛みに顔を歪めながらも保健室へと歩いていった。
…………
……………………
……………………………………
エリー「失礼、します…」
ガラガラと保健室の扉を開けると、保険担当の先生がエリーを見て驚いた。
保健士「はーい……っ?!エリーさん?!その傷…!」
エリー「かっ、階段から落ちただけです!!」
保健士「ず、随分と派手に落ちたのね…」
その後、「大丈夫…?」「染みない…?」「痛そうね…」など、ポツポツとつぶやきながら手当をしていった。
キーンコーンカーンコーン…
授業終了のチャイムが鳴り響く。
それと同時にシーザーは溜息をついた。
シーザー「ふぅ…」
そして悩んでいた。
シーザー(あれからエリーは授業に来ないな……。
これは俺のせいなのか…?あんな事言ってしまったからなのだろうか?
エリーに対する気持ちがすこし出てしまったが為に、口から出てしまった……。
でも、あんなに可愛いと…!!)
などと考えながら頭を抱え、嘆く。
そこへジョセフが怪訝そうな顔をしながら近づいた。
ジョセフ「なァに嘆いてるの、シーザーちゃん。
もうお昼の時間だぜ?」
いきなり話しかけられ、飛び上がる。
シーザー「うわぁあっ!!」
ジョセフ「おいツェペリ飛びするなぁ!!」
すまない、そう呟いてから華麗に着地をする。
ジョセフ「ほら、飯行こうぜ飯ー!」
ジョセフはそう言いながら喜んでいるが、すぐに静かになった。
ジョセフ「…なぁ、あれ」
シーザーにだけ聞こえるよう小さく呟き、とある方向を指さした。
指さした方向へシーザーは顔を向けると、包帯と絆創膏だらけのエリーがいた。
慌ててエリーに駆け寄り、肩に手を伸ばす。
シーザー「お、おい。大丈夫なのか…?」
エリー「…っ!」
伸ばした手をエリーが払った。
シーザーは勿論、ジョセフも驚いた。
ジョセフ「なっ…」
エリー「す、すみま…せ…!」
シーザー「いやいいんだ、エリー…」
落ち着かせようと近づくと、後ろへ退きエリーは叫んだ。
エリー「こ…来ないでっ!ください……っ」
唖然とするシーザーから見るエリーは、とても儚く、目に涙を溜めながら怯えていた。
エリー「ごめ…、なさい…」
抑えきれなかったのだろう、涙が頬をつうっと伝って落ちていった。
そして顔を手で隠し、シーザー達の横を走り過ぎていった。
エリー(私は…弱虫なんだ…っ
弱虫が恋なんかしちゃいけないんだ、だから辛いんだ…!)
シーザー(溢れてしまった気持ちがこのような事態を招いたのか…。
だとしたらなんてことを…。
元の関係に戻ることなんて、もうないかもしれん…。)
2人は最悪な状態ですれ違ってしまった。
【弱虫の恋、溢れる愛。】end