二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.10 )
日時: 2016/03/01 00:17
名前: ロード (ID: IWueDQqG)

第二話「ネオスに込めた思い、マウスのHEROデッキ」


菊姫とのデュエルが終わった後、遊太は自分の家に帰って謎の人物から貰ったカードを見ていた。

「ロードナイト…見知らぬ人から貰っちゃったカードだけど…謎の深いカードだなぁ…」

ロードナイトのカードをまじまじと見つめている遊太。しかし見ても何も変わる気配が無い。

「新作のカードみたいだけど…何故僕なんかにこのカードを託したんだろう?」

「それに、あの時菊姫とデュエルした時に聞こえた謎の声…それに喋ったアルファの謎……ますますわからない…」

もう一度ロードナイトのカードを見てみるが、何も変わらないし起こらない。

「…まぁ良いか、アルファも言ってたしね、『またデュエルで会おう』って…またデュエルすればわかるかな?…まぁ、アレはソリッドビジョンだけどさ」

そう言ってさっきゲームショップ影沼で買ったケースにデッキをしまって、今日は寝ることにした遊太。デッキはそのまま机に置いておいて。電気をパチリと消した。

その時、窓がカタカタと音を立てて揺れたような気がした。


翌日。遊太はまたゲームショップ影沼の目の前に来ていた。 

「また、デュエルやりたくなってきちゃった、今日も人いるかな?」

この間のデュエルでデュエルの面白さを知った遊太は、今日もデュエルをしようとこのゲームショップ影沼に来たのである。

早速中に入ると、ゲームショップ影沼の店長であり遊太と仲良しの影沼和希店長が手招きしているのを見てたので、店長の所へ行った。

「店長何か用?」

「遊太君、この間もらったっていうそのカード…誰から貰ったの?せめてその人の雰囲気だけでも教えてくれないかな?」

「どうして教えなきゃいけないんですか?」

「いや…ちょっと気になることがあってだね、この間見せてもらった『ロードナイト』のカードなんだけど…」

「『ロードナイト』のカードがどうかしたんですか?特に害の無いカードだって言ってましたけど」

「確かに害は無いカードだけど…調べた限りじゃその『ロードナイト』、表向きには流通していないんだよ」

「え?流通してない?どういうことなんですか?」

「いやねぇ…ネットでも『ロードナイト』の情報は無いし、公式からも『ロードナイト』が出るなんて一言も言ってないんだ」

「???ロードナイトが公式から出ない?公式で出るカードだったらちゃんと情報が出る筈…僕はてっきりカードの実験台として選ばれたんじゃないかと思ったんですが…」

「一体何故『ロードナイト』を遊太君に渡したのか…それが謎だ、だからせめて貰った人の雰囲気とか容姿とか教えてくれないかな?」

「容姿も雰囲気か…確か、金髪で穏やかな雰囲気を持つ人だったと思います、後外国人みたいな人でしたね…」

「ふむ…そのような人か…分かった、一応探してみるよ」

「…じゃあ、僕はこれからデュエルしてきます」

「そうか、それが良い…じゃあやってきなよ」

「うん、デュエルして来ますね」

早速デュエルスペースに向かって行った遊太。しかし、影沼店長は腕組みしながら遊太にカードをくれた人のことを考えていた。

(金髪で穏やかな雰囲気を持つ人か…そんな人、どっかで見たことあるんだけど…誰だったかなぁ?)

デュエルスペースに来た遊太。早速デュエルが出来る人がいないか探す。

「誰かいないかな?」

その時。

「オイアンタ!」

「ん?」

「アンタだよアンタ!」

遊太が後ろを振り返ると、この間デュエルをした気の強そうな女がいて、後ろにはギザギザ髪のちょっと背の高い男とちょっと太めで糸目の男がいた。

「あ、君は確か…菊姫さん…だったっけ?」

「そうだよ、アタシは一条寺菊姫、この間アンタと戦って惨敗した菊姫だよ、遊太?」

「僕も名乗っていたからね、というか、アレは惨敗って言わないんじゃないの?」

「別に良いんだよ、形がどうあれ負けたからな」

「ところで、僕に何の用?菊姫さん」

「そのさんづけは止めてくれ、後ちゃんづけも止めてくれ、普通に呼び捨てで良いからな」

「アネゴ意外と男らしい所あるッスからねぇ」

「この間もお母さんに買ってもらった女物の服、ちょっと嫌がってたしな」

「うるさい、岩ノ井、鏡山」

「あ、アネゴ…えらいすいませんッス…」

「まあいいや、コイツらはアタシの連れ、ほら、自己紹介しな」

「あ、はい、えーと、岩ノ井翔太(いわのいしょうた)ッス、アネゴとよく一緒にデュエルしてるッスよ、組んでるデッキは【恐竜族】ッスよ」

「俺は鏡山大地(かがみやまだいち)、アネゴと一緒にデュエルしてるな、そして使うデッキは【忍者】だな」

「へぇ〜、良いデッキだね!」

良いデッキだとは言うが、何処が良いのか分からない遊太なのであった。

「それじゃあ…早速デュエルといこうか?」

「うん、早速デュエルしよう!」

そう言った時。

「あ、あの〜…」

「ん?誰アンタ?」

遊太達が振り向くと、後ろ向きに帽子を被った小柄な少年がそこにいた。

「僕の名前は広野真薄(ひろのまうす)、都立新城小学校の五年生です」

「新城小学校?そこ僕も通ってる小学校だけど」

「遊太、お前もかい?奇遇だねぇ、アタシも岩ノ井も鏡山も新城小学校に通ってるんだが…」

「へぇ…皆新城小学校に通ってるんですか」

「ひょっとして君も、デュエルするの?真薄君」

「するって言うより、今日始めたって所ですかね…」

「え?君も始めたばかりなの?僕も始めたばかりでね…」

「君もですか、あの…遊太君、僕のデッキ見てくれませんか?」

「デッキ見せるなら、僕より菊姫さんが良いと思うよ」

「あ、そうなんですか、じゃあお願いします」

「おう、任せろ!しっかりアドバイスしてやるぞ」

早速菊姫にデッキを見せる真薄。一枚一枚カードを見てどんな構築なのか、じっくり見ていく。

そして、全部を見終わったため、真薄に一言言う。

「このデッキ…もしかしてHEROデッキ?にしては融合テーマでもネオスでもなくないか?」

「…やっぱり駄目ですか?」

「駄目って訳じゃないけどさ、もうちょっと安定の高いデッキは組めそうだなって話、好きなカードだけじゃあんまり安定性が無いって話、流石にネオスとネクロダークマンとネオス2枚じゃ安定性が足りないって話」

「う、うーむ…」

「第一、HEROを軸にするなら融合やチェンジを使うべきだし、ネオスを軸にするならネオスペーシアンも入れろって話だからな、ネオスペーシアンとHEROとネオスが混在している今のデッキじゃあ、そうは安定しないぜ」

菊姫の真っ当過ぎる正論が突き刺さる。しかし真薄はくぐもった声で。

「でも…ネオスは入れておきたいです」

「なんで?」

「ネオスは…遊戯王DXの主人公の、上代勇気の、エースモンスターなんですっ!」

「ゆ、遊戯王DX?」

「はい、だから外したくないんです」

「えっ、真薄君、あの遊戯王DX見てるの!?僕もよく見てるよ、カッコいいよね!」

「遊太君も見てるの!?嬉しいなぁ」

真薄の目がキラキラと輝き始める。

「敵にもかなり魅力あるよね、あのアニメ、あのアニメに影響されてデュエルモンスターズ始めたんだから!」

「僕も、そうなんですよ!」

「主人公がネオスと再会する所が、グッと来たよね〜」

「闇の教団との戦いも見逃せないですよ!」

アニメ話に花が咲き、置いてけぼりを喰らっている菊姫。たまらず話題を立て直す。

「お…おい真薄、遊戯王DXって何だ?」

「今現在放送中の、デュエルモンスターズを主題にしたアニメですよ!主人公、上代勇気がネオスと出会って、ネオスと共にデュエルで事件を解決していく痛快カードゲームアニメなんですっ!」

「あー、マンガね」

「アニメですっ!そりゃあまあ、コミカライズもされてますけど…」

「んで真薄、そのアニメの主人公のエースだから手放せない…てか」

「はい…」

「じゃあ、そのデッキでアタシとデュエルしてみな」

「え?いきなりデュエル?」

「デッキを組んだら実戦あるのみ!さあ、デュエルデスクでデュエルだよ!」

「は、はい…」

「言っとくけど、アタシは手加減しないからね、全力でぶつかって来な!」

「は、はいっ!」

不安になった岩ノ井が菊姫にこう言う。

「アネゴ…本気でやっちゃって良いんッスか?」

「フン、まあ見てな」

デュエルデスクにお互いデッキを置き、デュエル態勢に入る菊姫と真薄。

「「ルールはマスターズルール3、ライフポイントは8000!」」

「「デュエル!」」

かくしてデュエルは始まった。