二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.114 )
日時: 2016/09/02 20:27
名前: ロード (ID: 0llm6aBT)

9・真薄のターン

「僕のターン!」

(さっきのポットの効果で、僕の手札にはこのデュエルを一気に決められるだけのカードが手札にある……)

(けれど、これじゃ足りない……この試合を決定的に決められるだけのカードが、足りない!)

今はドローフェイズ、デッキからカードをドローしようとする。

(ここで……ここで決められるカードを……ドローさせてください!)

「ドロー!」(真薄手札5→6)

ドローしたカードを恐る恐る見る真薄。

「こ、これは……! よし、行きますよ、才羽さん!」

「ああ、来い!」

「僕は手札から『E・HERO ブレイズマン』を召喚! そして効果発動! デッキから『融合』を手札に加える!」

「ほう、新たにモンスターを融合召喚しようと言うのか」

「更に僕は、魔法カード『融合識別』を発動! フィールドのモンスターを選択する、そしてエクストラデッキの融合モンスターを見せることで、そのモンスターは見せた融合モンスターとして扱うことが出来る! 僕は、ブレイズマンを『E・HERO フレイム・ウィングマン』として扱う!」(真薄手札6→5)(真薄墓地12→13)

「そこまでして融合召喚するモンスターとは……!?」


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『融合識別』
通常魔法
(1):自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
エクストラデッキの融合モンスター1体を相手に見せる。
このターン、対象のモンスターを融合素材とする場合、
その見せたモンスターの同名カードとして融合素材にできる。
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「ええ、行きますよ! 僕は手札から『融合』を発動! フレイム・ウィングマンとなっているフィールドのブレイズマンと、手札のスパークマンを融合!」

「ほう、そこまでやってのけるか……!」

「今こそ、その輝く翼を持って、世の中に正義の光を! 『E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン』!」(真薄手札4→2)(真薄墓地13→16)

真薄によって融合召喚されたそのモンスターは、1回戦で見せた輝く翼の融合モンスター。真薄の切り札級のモンスターだ。

「ほう、それがお前の切り札か……!」

「ええ、これが僕の……切り札です! 行きますよ! シャイニング・フレア・ウィングマンは、自分の墓地に存在する『E・HERO』の数×300ポイントアップします!」

「今、僕の墓地にある『E・HERO』は、シャイニング、ネクロダークマン、ブレイズマン、スパークマンがいる、よって攻撃力は1200ポイントアップの3700ポイントです!」

「だが、それでは俺のサイバー・エンドの攻撃力は越えられないぞ」

「まだまだ!僕は手札から、魔法カード『一騎加勢』を発動! フィールドの表側表示モンスターを1体選択して、攻撃力を1500アップさせる!僕はフレア・ウィングマンを選択して、1500ポイント攻撃力をアップさせる! これで、フレア・ウィングマンは攻撃力3700から5200ポイントにアップする!」

「……ほう、ここでそんなカードを使って攻撃力を上げるとは……!」


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『E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン』
レベル8
光属性
戦士族 融合・効果モンスター
攻撃力・2500 守備力・2100
「E・HERO フレイム・ウィングマン」+「E・HERO スパークマン」
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードの攻撃力は、自分の墓地の「E・HERO」カードの数×300アップする。
(2):このカードが戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。
そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。
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『一騎加勢』
通常魔法
(1):フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで1500アップする。
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この一転攻勢に、客席から見ていた遊太達は歓喜する。

「凄いぞ真薄君! これで攻撃力が上回った! 後はフレア・ウィングマンの効果で一気にやれるぞ!」

「行け真薄! このまま一気にやってみせろ!」

「ただ、奴の伏せカードが気になるな……!」

「何でさ菊姫、今の真薄君ならきっと……!」

「遊太、伏せカードが気にならないデュエリストなんていない、だから……アタシの直感ではあのカードは……『聖なるバリアーミラーフォースー』のような逆転のカードが眠っているに違いない!」

「た、確かに……」

「何らかの形で除去しねえと、逆転することは出来ないと思うぞ」

このことは、真薄もわかっていた。

(あの伏せカード……絶対に何かある……! なら、あれを除去しなきゃ勝てるはずがない!)

「僕は手札から、速攻魔法『サイクロン』を発動! フィールドの魔法・罠を1枚破壊する!」

「ほう……では、どちらを破壊するのかな?」

真薄は才羽の場に出された2枚の伏せカードを見る。

「この2つのどちらかを破壊することで、この後が決まると言っても過言じゃない……」

じっくりと2枚のカードを見てみる真薄。だが、じっくり見ても何かが変わる訳では無い。

そして、しっかりと考えた真薄は、答えを出す。

「よし、右のカードを破壊する!」

カードから放たれた竜巻が、カードを破壊する。

「……!」

破壊されたカードは、『決戦融合−ファイナル・フュージョン』だった。(才羽墓地6→7)


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『サイクロン』
速攻魔法
(1):フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
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(あのカードは……! 互いの融合モンスターが戦闘をする時、互いのプレイヤーに2体の融合モンスターの攻撃力の合計分のダメージをお互いに与えるカード! 破壊出来て良かった……)

そのカードを破壊された才羽は、気難しそうな顔をしていた。


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『決戦融合−ファイナル・フュージョン』
通常罠
(1):自分フィールドの融合モンスターが
相手フィールドの融合モンスターと戦闘を行うバトルステップに、
その融合モンスター2体を対象として発動できる。
その攻撃を無効にし、お互いのプレイヤーは
その融合モンスター2体の攻撃力の合計分のダメージを受ける。
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(これで引き分けは無くなった! 今がチャンスだ!)

「行きます! シャイニング・フレア・ウィングマンで『サイバー・エンド・ドラゴン』を攻撃! 輝け! シャイニング・シュート!」

シャイニング・フレア・ウィングマンの攻撃が、サイバー・エンドに襲い掛かる! その攻撃が通れば……!

「この攻撃が通れば、シャイニング・フレアの効果で一気に勝てる!」

「ああ! ここで決まれば、一気に勝利することが出来る!」

「行ける! 行けるよ!」

客席の遊太や菊姫達も、この一撃で決まることを予測していた。

が。そう簡単には行かなかった。

「リバースカードオープン! 速攻魔法『決闘融合−バトル・フュージョン』! このカードは、自分の融合モンスターが戦闘を行う時、相手モンスターの攻撃力分、自分の融合モンスターの攻撃力をアップする!」

「!」

「よってサイバー・エンドの攻撃力は、4000から9200にアップする!」

「そ、そんな!」

まさかこんな形で逆転されるとは思っていなかった客席の遊太達。

「このままじゃあ……真薄君は……!」

「真薄君!」

真薄は、ただただ立ち尽くしていた。デュエルリングで立っているまま、うつむいていた。

「これで攻撃力は俺の方が上になった、何も無いなら、お前の負けだぞ?」

そう言う才羽だったが、真薄はただただ立ち尽くしているだけだった。

「……」

そのままうつむいて立ち尽くすだけの真薄。

「おい真薄! 何とかしやがれ! 何とかしねえと負けるぞ!」

「真薄くーん!」

ひとまず応援することしかできない客席の遊太達。こうなった以上、こうすることしか今の遊太達に出来ることはない。

すると、真薄が顔を上げる。

「才羽さん、僕はこの時を待っていたんですよ……!」

「何!?」

「あの伏せカードを見た時、伏せカードはダメージか攻撃力を上げるカードだと思っていた……なら、こっちも攻撃力を上げるカードで応戦しようと思っていた! 僕はこれを待っていたんですよ!」

「そうか……! そうか……!」

「僕も手札から、速攻魔法『決闘融合−バトル・フュージョン』! このカードは、自分の融合モンスターが戦闘を行う時、相手モンスターの攻撃力分、自分の融合モンスターの攻撃力をアップします!」

「そうか、お前もそのカードを持っていたのか……!」

「僕もこのカードで、攻撃力を上げます! よって、シャイニング・フレア・ウィングマンの攻撃力は5200から、サイバー・エンドの攻撃力9200を加算されて14400になります!」

「そうか……お前はそれ程までにも……!」

(さっき決戦融合じゃなくて、決闘融合の方を破壊していたら、勝てなかった……!)

「行きますよ! 才羽さん!」

「来い! 広野!」

「輝け! シャイニング・シュート!」

シャイニング・フレア・ウィングマンの輝く一撃が、サイバー・エンドを貫く! その一撃は、誰にも負けない強い意思を持った、強い一撃だった。

「……俺の負けだ」(才羽ライフ2250→0)