二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.118 )
日時: 2016/09/04 22:56
名前: ロード (ID: 0llm6aBT)

4・菊姫のターン

「アタシのターン! ドロー!」(菊姫手札2→3)

(アステカの動きは大体読めた。要はアタシに攻撃させて、そこを反射ダメージで一気に叩こうって寸法だろ? 残念ながら、そんなワンパターン戦法でアタシを倒すことは出来ないよ)

(アタシを舐め腐ったこと、後悔させてやる!)

「アタシは手札から、速攻魔法『ダブル・サイクロン』を発動! 自分フィールドの魔法・罠と、相手の魔法・罠をそれぞれ1枚ずつ選択して発動! 選択したカードを破壊する!」


-------------------
『ダブル・サイクロン』
速攻魔法
自分フィールド上に存在する魔法・罠カード1枚と、
相手フィールド上に存在する魔法・罠カード1枚を選択して発動する。
選択したカードを破壊する。
-------------------


これを見て、客席の岩ノ井と鏡山は。

「アネゴが破壊するカードは勿論……」

「『歯車街』だろ、言わせるな! ここで一気にモンスターを特殊召喚して……!」

「アタシが破壊するのは、自分フィールドの伏せカードとお前の伏せカードだ!」

「へ?」

まさか『歯車街』ではなく、自分の伏せカードを破壊することに驚いた岩ノ井と鏡山。

互いに破壊された伏せカード。そして、破壊されたカードはというと……。(菊姫手札3→2)(菊姫墓地4→6)(中ノ島2→3)

「行くぜ、アタシはこの伏せカードを破壊したかったのさ、罠カード『仕込まれた宝札』を発動! このカードは、セットされた状態で魔法・罠の効果にの対象になって破壊された時、デッキから2枚ドロー出来る!」(菊姫手札2→4)


-------------------
『仕込まれた宝札』
通常罠(オリジナルカード)
セットされたこのカードが魔法・罠の対象となって破壊された時発動する。
デッキから2枚ドローする。
-------------------


「くっ、2ドローかよ……ここから反撃か?」

「そうさ、こっから行くぞ! 魔法カード『パワー・ボンド』を発動!」

そのカードを使ったことに、客席の岩ノ井と鏡山は非常に驚く。

「ま、まさか!? あのカードを序盤から使うッスか!?」

「これはアネゴ、まさか一撃で決めようとして……!」

あまりの慌てぶりに、真薄と遊太は質問する。

「なんでそんなに慌てているんですか?」

「あのカードって、そんなに危ないカードなの?」

「危ないも何も……究極のハイリスクハイリターンカードッスよ!」

「破格の攻撃力を得られる反面、一歩使いどころを間違えれば自滅の道へ突き進むカード……それが『パワー・ボンド』だ」

「?」

そして、フィールドの菊姫。

「『パワー・ボンド』は機械族専用の融合魔法! 手札とフィールドから融合素材をリリースして、そのモンスターを融合召喚する……と、ここまでは普通の融合と同じだが……このカードで融合召喚した機械族モンスターは、攻撃力が2倍になる!」

「2、2倍だとぉ!?」

「アタシは手札の『古代の機械箱』2体をリリースして、エクストラデッキから『ペアサイクロイド』を融合召喚!」(菊姫手札4→1)(菊姫墓地6→9)

ペダルが2つついている自転車のモンスターが現れる。攻撃力は1600だが、『パワー・ボンド』の効果で攻撃力は2倍の3200となった!

「んなカード、ありかよ!? 攻撃力2倍だなんて!」

「更に、この『ペアサイクロイド』は相手に直接攻撃が出来るぞ!」

「な、何!?」

「ただ、『パワー・ボンド』で融合した場合、エンドフェイズに融合召喚したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを受けるが……1600なんて安い物だよ!」


-------------------
『ペアサイクロイド』
レベル5
地属性
機械族 融合・効果モンスター
攻撃力・1600 守備力・1200
同名の機械族モンスター×2
(1):このカードは直接攻撃できる。
-------------------


客席の観客達も、これには驚く。直接攻撃可能な攻撃力3200モンスター。これに驚かない奴がいるだろうか。

「行くぜ……! 要はアステカに攻撃しなきゃ良いんだろ! 喰らえダイレクトアタック! ダブル・サイクロン!」

中ノ島に直接攻撃を仕掛ける『ペアサイクロイド』! これを喰らってしまえば、ひとたまりもない。

「た、確かに、攻撃力3200の直接攻撃は厄介だ……だけど、そのモンスターは罠や魔法封じは無いんだろ!? 墓地から罠カード発動!」

「し、しまった!」

「墓地に存在する『仁王立ち』は、除外することでフィールドに存在するモンスター1体を選択して、このターンそのモンスターしか攻撃対象に出来なくする! 俺は『アステカの石像』を選択する!」(中ノ島墓地3→2)(中ノ島除外0→1)

『ペアサイクロイド』は、進路を中ノ島から石像に急転換する。


-------------------
『仁王立ち』
通常罠
(1):フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの守備力は倍になり、ターン終了時にその守備力は0になる。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
このターン、相手は対象のモンスターしか攻撃できない。
-------------------


「だが、攻撃力3200なら、守備力2000の石像は破壊出来るぜ!」

「なら罠カード発動! 『D2シールド』! コイツは表側守備表示のモンスターを選択して、その守備力を倍にする! よってアステカの守備力は4000となる!」(中ノ島墓地2→3)

「なっ……!?」

『ペアサイクロイド』は、守備力4000となった『アステカの石像』に向かって体当たりし、跳ね返されてしまった。

「『アステカの石像』は、反射ダメージを与える時ダメージが二倍となる! 『ペアサイクロイド』の攻撃力は3200、『アステカの石像』の守備力は4000! よって、1600のダメージが与えられるぜ!」

「グッ……!」(菊姫ライフ5000→3400)

「言っとくけど、『D2シールド』の守備力2倍は永続だからな、よってアステカの守備力は4000のままだぜ」


-------------------
『D2シールド』
通常罠
自分フィールド上に表側守備表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターの守備力は、元々の守備力を倍にした数値になる。
-------------------


「うう……ターン、エンド……!」

「この瞬間、『パワー・ボンド』の効果でダメージを受けるぜ……! ぐぅっ!」(菊姫ライフ3400→1800)


菊姫

ライフポイント1800
手札枚数1枚
モンスター2体『古代の機械獣』(攻撃表示) 『ペアサイクロイド』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード1枚『歯車街』(フィールド魔法)
墓地の枚数9枚
除外されているカード0枚


「チクショウ……攻めて行った結果、なんでもかんでも裏目に出ちまう……これじゃあアイツらに示しがつかねえ!」

「4ターン目でもうライフが1800、それに比べて俺はまだ8000もライフがあるぜ! お前シードの癖に弱いじゃねえか、最初の意気込みは何処に行ったんだよ?」

「くそッ! なんでこうなっちまうんだ!」

「ま、精々頑張りなよ」

しかし、中ノ島は若干冷や汗をかいていた。

(危なかった……さっき『仁王立ち』を破壊されていなかったら、3200もダメージ喰らってたのか……妙な幸運に助けられたぜ……)

これを観客席で見ていた遊太達はというと。

「うう……苦しい展開になってきたね……!」

「あ、アネゴの事だから、きっと大丈夫ッスよ!」

「そうだな、大丈夫だよきっと!」

岩ノ井や鏡山は何事もなく振る舞っているが、皆はというと……。

「大丈夫……かなあ?」

「どうも風向きが悪いわね、ここから逆転は……出来るのかしら?」

「あの……大丈夫ですよね? 大丈夫……ですよね?」

「雲行き怪しいね……」

といった具合に、菊姫の行き先を気にしていた。

「アネゴ……大丈夫ですかね……」

「不安だ……」

皆に煽られて、不安になってしまう岩ノ井と鏡山。

するとそこに、一人のデュエリストが現れる。

「どうやら、シードだというのに自分だけ注目度0だというのが、彼女を焦らせているようだな」

「あっ、あなたは才羽さん!」

そこに現れたのは、先程真薄とデュエルした第4シードのデュエリスト、才羽亮だった。

これに、遊太達は非常に驚く。

「何故残っているんですか!?」

「才羽さんのデュエルはもう終わったのに……」

「どうしてこっちに来たんですか?」

そのいっぺんにやられた質問にも、慌てず答える。

「何、一流のデュエリストが集う大会だ、だから残ってデュエルを観戦するのも悪くないと思ってな……それと、あの女の子のことを話しているような声が聞こえたからな」

「ほぉ〜」

「それと、お前達3人がさっきデュエルしていた六道遊太、榊原龍矢、岩ノ井翔太だな? さっきのデュエル、中々良かったぞ」

「ありがとうございまーす」

「ありがとな!」

「ありがとうございますッス! で、さっきのことは一体……」

「ああ、皆に馬鹿にされたのを気にしている……というより、馬鹿にした奴らに自分の力を見せつけたい……といった感じだろうか」

「ああ……そういうことッスか……」

「何か心当たりがあるのか?」

「アネゴ、ああ見えて結構人の目を気にするタイプなんッスよねえ……」

「そうなのか」