二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.13 )
日時: 2016/03/02 14:44
名前: ロード (ID: IWueDQqG)

7・真薄のターン

(…もしこの状況に勇気が置かれたなら、次のドローで逆転の一手を打てるようなカードを引く…)

(けど、僕じゃあこの状況を打開出来るようなカードを引くことは…殆ど不可能に近いだろう…)

「どうした?早くカードをドローしろよ」

(だ、ダメだ…次のドローにかける自信が無い…)

「次のドローへの自信が無さそうな顔だな?ドローってのはもっと気楽にやるもんじゃないのか?」

「え…」

「誰もがカッコよくディスティニードローを決められる訳じゃあない、けどさ、1ドローにかける思いってのは誰もが同じなのさ」

「…え?」

「だから時折1ドローに賭けて盛大に裏切られることもあるけど、デュエルはドローが無きゃ始まらない!」

「……!」

「さ、ドローしろよ」

菊姫の言葉を聞いて、真薄は心に響くものがあった。

(勇気も言っていた…『ドローはいつも真剣勝負!だからこそ、デュエルは楽しいんだ!』って…よし!僕も…このドローに対して真剣になろう!)

「ドローッ!」(真薄手札2→3)

思い切ってカードを引いた真薄。それを恐る恐る見る真薄。

「こ、このカードは…!」

(真薄君何を引いたんだ!?)

この遊太の疑問はすぐに解消されることになる。

「僕はこのカードを使う!魔法カード『O−オーバーソウル』を発動!」(真薄手札3→2)

「ここでそのカードを引くか!面白いじゃん!」

真薄の顔と、菊姫の顔が綻ぶ。

「オーバーソウルの効果で、自分の墓地の『E・HERO』と名の付いた通常モンスターを墓地から特殊召喚します!僕は勿論、ネオスを召喚します!」

「蘇れ!『E・HERO ネオス』!」(真薄墓地6→5)


『O−オーバーソウル』
通常魔法
(1):自分の墓地の「E・HERO」通常モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
(遊戯王カードWikiより)



「ドリャアッ!」

「この土壇場でそのカードを引くとはね…けど、それじゃまだ太刀打ち出来ないよ?」

「まだこれからですよ!HEROにはHEROに相応しい、戦う舞台があるんです!」

「ん?それって…」

「手札からフィールド魔法『摩天楼 −スカイスクレイパー−』を発動!」(真薄手札2→1)

ドドォオンッ……。

デュエルデスクに、大きなビル街が出現する。それはまさしく摩天楼、スカイスクレイパーであった。

「す、すげえ…」

「こ、これは!?」

余りの凄さに思わずびっくりする遊太と岩ノ井に鏡山。続けて真薄の怒涛の説明が入る。

「このフィールドは、『E・HERO』達が自分より強い相手に戦いを挑む時、攻撃力を1000上げます!」

「つまり『古代の機械巨人』に攻撃を仕掛けるネオスの攻撃力は…2500から3500になります!」

「へぇ…やるじゃん真薄」


『摩天楼 −スカイスクレイパー−』
フィールド魔法
「E・HERO」と名のつくモンスターが攻撃する時、
攻撃モンスターの攻撃力が攻撃対象モンスターの攻撃力よりも低い場合、
攻撃モンスターの攻撃力はダメージ計算時のみ1000ポイントアップする。
(遊戯王カードWikiより)


(…こんな光景、自分じゃ出来ないと思ってた、第一話のデュエルのように、攻撃力3000の相手に対してネオスを召喚して、スカイスクレイパーを発動できるなんて…だけど今は違う!今は僕がそれをやっているんだ!たとえこのデュエルに勝てなくても、せめて…せめて相手にダメージを!)

「いっけぇぇぇ!ネオス!HEROの底力を見せてやれ!必殺、スカイスクレイパー・オブ・ネオス!」

『E・HERO ネオス』の高層ビルからの必殺チョップが『古代の機械巨人』に迫りくる!

(やるじゃん真薄、始めたばかりなのにアタシに一矢報いるとはね…ホントはここでダメージを喰らいたいけど…)

「行け!『古代の機械巨人』を破壊だ!」

「リバースカードオープン!」

「えっ!?」

「速攻魔法『リミッター解除』を発動!」

「『リミッター解除』は、自分フィールドの全ての機械族の攻撃力を、二倍にする!よって『古代の機械巨人』の攻撃力は6000にアップ!」(古代の機械巨人攻撃力3000→6000)(古代の機械騎士攻撃力1800→3600)

「そ、そんな!」


『リミッター解除』
速攻魔法(制限カード)
このカードの発動時に自分フィールド上に表側表示で存在する
全ての機械族モンスターは、ターン終了時まで攻撃力が倍になる。
このターンのエンドフェイズ時、
この効果を受けたモンスターを全て破壊する。
(遊戯王カードWikiより)


必殺のチョップを仕掛けようとしたネオスは、無残にも古代の機械巨人のカウンターパンチによって倒されてしまった。

「あ、あああ…」(真薄ライフ2000→0)

「……」

「僕の…負け…です…」


デュエルが終わった後、菊姫は真薄に言う。

「やっぱり、そのデッキじゃ駄目だったな」

「はい…」

「けどさ、今回のことでわかったろ、自分のデッキの悪い所が」

「え?」

「そうさ、最初に作ったデッキをデュエルを繰り返して自分の形にしていく…これがデッキを作る上での近道であり遠回りさ」

「……!」

「だからさ、またデュエルしような!今度はちゃんとしたデッキで」

「は、はいっ!」

「凄い、たった一言で真薄君をやる気にさせたぞ!」

「この間初心者狩りをしようとしていた人とは同一人物と思えないッスね…」

「岩ノ井、それ言わないお約束」

「え、初心者狩りって…何?」

「い、いや、関係ない事っすよ遊太君には」

「…?そうだ、真薄君」

「何ですか?遊太君」

「今度は僕ともデュエルしようね!」

「はいっ!」

デュエルとは、デュエルを通して心を通い合わせるものだという事を知った遊太であった。

(そうだ、人と人が繋がって行く姿…これこそが世界の理なのだ)

(…!?またあの声!?ソリッドビジョンのアルファの…声!?)

第二話。終わり。