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Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.148 )
日時: 2016/11/01 18:11
名前: ロード (ID: qRt8qnz/)

第二十七話「合体融合! VWXYZ」


デッキに不利なカードを仕込まれてもなお、勝利してみせた遊太。

彼の所に、菊姫と龍矢がやってくる。

「あの不利な状況から、見事大逆転で勝てたみたいだな。流石は遊太! アタシが見込んだデュエリストだ!」

「いやあ、それほどでも……そんなことより、真薄君のデッキは見つかった?」

「いや、全然見つからねえ。このままじゃ、ホントに真薄の奴は次のデュエルに参加できなくなるぞ!」

「ああ! 真薄は俺達の友達だからな。それに、一生懸命頑張ってシードまで下せるようになってるんだ。こんな所で終わらせる訳には行かないぜ!」

「龍矢君……そうだね、せっかくあんなになったのに、中途半端に終わらせる訳にはいかないよね」

その瞬間、アナウンスが鳴った。

「ただいまのデュエルの結果は、星野星也選手が準々決勝に勝ち上がりました。次のデュエルは、江崎絶斗選手と、榊原龍矢選手のデュエルです。デュエルリングに来てください」

「おっ、次は俺のデュエルか。頑張ってくるぜ!」

「うん。頑張ってきてね、龍矢君!」

「龍矢、1つ忠告しておくが、相手はシードの江崎だ。早く終わらせて真薄のデッキ探しに行こうなんて、考えるんじゃねーぞ」

「ああ、俺だって、簡単には勝てないと思ってる。けど、真薄のことを考えたら……」

「わかった。なら勝て。話はそれだけだ」

「じゃあ、俺行ってくる!」

そう言って、龍矢はデュエルリングに向かって走って行った。

「んじゃ、アタシ達は手分けして、真薄のデッキを探しに行くぞ!」

「うん!」

二手に別れてデッキを探しに行く遊太と菊姫。


必死になって真薄のデッキを探す菊姫。途中。こんなことを思いながら。

(にしても……遊太って本当に初心者なのか? 真薄はあんなに初心者だったのに、遊太の奴はやけに最初から理解していたような……)

真薄との日々を思い出す菊姫。


真薄が初めて融合モンスターをデッキに入れたあの日。

「コラ! 真薄! 融合モンスターを入れるのはメインじゃなくてエクストラデッキの方だぞ!」

「す、すいません……」

「エクストラに入れられるのは全部で15枚だけなんだぞ! それなのに30枚も入れる奴があるか!」

「すみませんっ!」

「アネゴ……妙に教え方が上からッスねえ……」

それから、融合のルールを教えるのに一苦労した菊姫。わざわざフィールドに揃えてから融合しようとしたり、融合モンスターの下にモンスターを置いたり、非常に大変だったのを覚えていた。

またある時は、細かいルールを教えようとした時。

「菊姫さん、あの時ギルファー・デーモンが墓地へ送られたのに、なんで効果が発動しないんですか?」

「タイミングを逃しているんだ」

「タイミングを逃すって何ですか?」

「効果処理に割り込まれた効果によって、本来発動できるはずの効果が発動しなくなるのさ」

「うーん……それって一体どういうことですか?」

「……ええい! 口で説明するより、実際に体感した方がわかる!」

「え、それって菊姫さんも……」

「うるさい! アタシだってわかんないことぐらいあるさ!」

そう言って、菊姫は真薄に遊戯王のゲームを貸した。すると、3日後には中々わかるようになっていた。

そして、初めて勝った、あの時。

「菊姫さん! 僕、やっと勝てました!」

「よし、よくやった! 岩ノ井相手とはいえ、よくやったぞ〜!」

「うう……ああ喜ばれる悔しいって感情も湧かないッスねえ」

眩しい笑顔が菊姫の顔いっぱいに映る。あの笑顔を見た途端、無意識に涙を流したのも、菊姫は覚えていた。

しかし、遊太は細かいルールや間違えやすいルールを最初から理解していたり、初心者にはできないカードの使い方をしてみせたりと、到底初心者とは思えない実力を持っていた。

本当に、彼がアニメからデュエルに入ったのか? 菊姫は疑問を抱いていた。

「おっと、こんなこと考えている場合じゃねえ、早く真薄のデッキを探してやらねえと!」

疑問よりも、真薄の方が今は大事な菊姫。そう言って会場の中を走って行った。

一方、真薄はというと。

「どこだどこだ!? 真薄君のデッキ!」

菊姫と同じように、真薄のデッキを探していた。

そこへ、人が現れる。

「どうかしたのか?」

「あ、あなたは……才羽さん!」

先程、菊姫の逆転に繋がることを遊太達に言ってくれた、第4シードの才羽亮。まだ会場に残っていたのか、と遊太は思う。

「さっきからあちこち何かを探しているようだが……何かあったのか?」

「実は……真薄君のデッキが無くなっちゃって……」

「何!? 俺に勝った真薄のデッキが!?」

「ちょっと目を離した隙にって具合でして、知りませんか?」

「そういえばさっき、真薄の対戦相手である、石崎が、廊下で俺とぶつかった。やけに急いでいて、右手にはデッキを持っていたが……」

「まさか……多分ソイツが犯人ですよ! なら、早くソイツの所に行って……」

「待て、これだけでは証拠がない。ひとまず、俺が目撃者をなんとか探す。だからお前はデッキを探してくれ」

「はい、わかりました。では!」

そう言って、遊太は目撃者探しを才羽に任せ、自分はデッキを探しに行った。


一方、龍矢はというと。

「ハァハァ……間に合った……」

「試合時刻3分前。龍矢選手到着ですね?」

「おい、遅いぜ! 何やってたんだよ!?」

小柄だが、ほっぺに傷があって荒々しさを感じる少年が、龍矢を煽る。

「お前、江崎絶斗だな? 待たせた分、きっちり片付けてやるからな!」

「どうでもいいから、早くおっぱじめようぜ! 40連勝の実力を、お前に見せてやりてえからな!」

「それでは、両者デッキを交換してシャッフルしてください」

龍矢と江崎は、互いにデッキをシャッフルする。

「お前、俺と同じくらいの年っぽいな」

「ああ、俺は小5だけど……だからってなめんなよ!」

「なめてねえよ。シードなら警戒ぐらいするぜ」

「なら、精々俺にボロ負けしないように気をつけろよ!」

「シャッフルが終わりましたね? では、お互いにじゃんけんをしてください」

そしてじゃんけんをする二人、龍矢がチョキで、絶斗がグーだった。

「じゃあ、俺が勝ったから後攻をもらうぜ。良いよな?」

「ああ」

「それでは、龍矢選手先攻。江崎選手後攻でよろしいですね? では、両者デュエルリングについてください!」

そう言われ、デュエルリングに上がる二人。

「それでは、江崎絶斗選手対榊原龍矢選手のデュエルを始めます!」

「「ルールはマスタールール3! ライフポイントは8000!」」

「「デュエル!」」