二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.153 )
日時: 2016/11/06 17:13
名前: ロード (ID: qRt8qnz/)

6・江崎のターン

「俺のターン、ドロー!」(江崎手札1→2)

「場から罠カード『無謀な欲張り』を発動! デッキから2ドローする代わりに、次のドローフェイズを2回スキップする!」(江崎墓地5→6)

「ドローを捨てる代わりに、2ドローするだって?」

「次のターン、お前のモンスターの攻撃を受けたらそれで終わりだからな。なら、未来のドローを捨てても次に賭ける! ドロー!」(江崎手札2→4)

ドローしたカードを確認する江崎。すると、満面の笑みとなる。

「よし……このターンで、俺の最強のモンスターを見せてやるぜ!」

「最強の、モンスターだと!?」

「俺は手札から、魔法カード『魂の解放』を発動! 互いの墓地から5枚までカードを選んで、除外出来る。俺は自分の墓地に存在するXYZを除外する」(江崎手札4→3)(江崎除外5→6)

「更に俺は、手札から装備魔法『D・D・R』を発動! 手札を1枚捨てることで、除外されているモンスターを特殊召喚する! 俺は、さっき除外したXYZを特殊召喚する!」(江崎手札3→1)(江崎墓地6→7)(江崎除外6→5)

「え? わざわざ除外してから特殊召喚って……」

「XYZは、墓地から特殊召喚は出来ない。だけど除外からの蘇生は出来る。このままでもダメージを与えられるが……もう一丁行くぜ!」

「手札より『死者蘇生』を発動! 墓地のVWを蘇生させる!」(江崎手札1→0)

江崎のフィールドに、2体の融合モンスターが召喚される。

「2体の融合モンスター……これで、何が起こるっていうんだ……」

「VWとXYZ。この2体をフィールドから除外することで、このモンスターを、融合召喚する!」

「い、一体どんなモンスターを!?」

「行け! 合体召喚だ! VWXYZ!」

それぞれにパーツがバラバラになり、次々と合体していく。

そのバラバラになったパーツが、次々に合体していく。その経過は、まるでガシャーンやガチコーンといった効果音が聞こえて来そうな感じであった。

そして、全てのパーツが1つになって合体し終わった時には……。

「こ、これは……」

「どうだ! これが俺の最強モンスター『VWXYZ−ドラゴン・カタパルトキャノン』だ!」(江崎除外5→7)(江崎墓地7→8)

現れ出でたのは、全てのロボットが合体し、巨大な人型ロボットになったモンスターだった! しかも攻撃力3000の強力なモンスターだ! 

「な、なんか凄くカッコいい……人型合体ロボなんて……」

「それだけじゃねえ、コイツは超強力な効果を持っているんだぜ! 行くぜ、効果発動! VWXYZ−アルティメット・ディストラクション!」

3連……いや、5つの巨大なキャノンから強力なビームが発射されると、機械竜は簡単に吹っ飛ばされてしまった!

「うわあああ! 機械竜があああ!」(龍矢除外0→1)(龍矢墓地9→10)

「驚いたか! このVWXYZは、1ターンに1度相手フィールドのカードを除外出来る!」

「じょ、除外!? それじゃあ、パワー・ツールの破壊耐性も無力ってことに……」

「更に、相手が守備表示でモンスターを召喚しても、攻撃する相手モンスターの表示形式を変更することが出来る!」

「そ、そんな……掟破りモンスターじゃないか!」

「行くぜダイレクトアタック! VWXYZ−アルティメット・ディストラクション!」

「ぐああああっ!」(龍矢ライフ3500→500)

痛い一撃を喰らった龍矢。ライフがあっという間に、3桁にされてしまった。

「このモンスターがいる以上、守備モンスターは意味を成さない。その上何をしようとも除外出来るから罠も無意味だぜ」

「くぅ……このままじゃ負けちゃう……」

「さて、俺はこのままターンエンドだぜ……」


江崎

ライフポイント1700
手札枚数0枚
モンスター1体『VWXYZ−ドラゴン・カタパルトキャノン』
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード1枚『前線基地』
墓地の枚数8枚
除外されているカード7枚


「……」

攻撃力3000で、守備も罠も無意味になる効果を持つ強力なモンスター。普通だったら、この状況では怖気づくのだが……。

(な、なんだろう、この感覚……この圧倒的不利な状況なのに……手札とフィールドに殆どカードが無い状況だっていうのに……)

「怖くてたまらないのに……心が踊る!?」

そんな心境となっている龍矢に、あの時聞こえた声が……。

(そうだよ。今の君は、何にも縛られていない。ただ、デュエルに全力を注ぐ無垢な少年なんだ)

(また……あの時の声……?)

墓地の『パワー・ツール・ドラゴン』から、その声は聞こえている。

(デュエルに一生懸命な君が、思いを馳せて戦っているんだ、だから……今はデュエルに一生懸命でいて)

「ああ……一生懸命やるぜ!」

「おおっ? なんかさっきより良い目になっているじゃねえか。何かこう……メラメラ燃えている感じがするぜ!」

「ああ……そんな強力なモンスターが出て来たら、思わず熱くなっちゃった……だから今から燃えるぜ!」

「おう、かかってこい!」


7・龍矢のターン

「俺の、ターン! ドロー!」(龍矢手札0→1)

ドローしたカードを見る龍矢。それは、この状況を覆すきっかけを作れる、絶好のカードだった!

「魔法カード『貪欲な壺』を発動! 墓地のモンスターを5体デッキに戻して、2枚ドローする! 俺はスコープン2体と、ビデオン1体、そして『パワー・ツール・ドラゴン』とカタストルをデッキに戻して、2枚ドローする!」(龍矢墓地10→6)(龍矢手札0→2)

そして、2枚のドローカードを見て、展開をする。

「俺は手札から『D・スコープン』を召喚! そして攻撃表示の効果で、手札のレベル4の『D・ステープラン』を特殊召喚する!」(龍矢手札2→0)

「レベル4のステープランに、レベル3のスコープンをチューニング! 世界の平和を守る為……勇気と力がドッキング! シンクロ召喚! レベル7『パワー・ツール・ドラゴン』!」(龍矢墓地6→8)

先程破壊されてしまったものの、ものの見事に復活を遂げた本物のパワー・ツール。そして。

「『パワー・ツール・ドラゴン』の効果発動! 1ターンに1度、デッキから装備魔法を3枚選んで相手に1枚選ばせる。そして相手が選んだ1枚を手札に加える! さあ、1枚選べよ」

「運次第とはいえ、ここでそう来るか……なら、俺は真ん中のカードを選ぶぜ!」

(くそっ、これは『メテオ・ストライク』……攻撃力は上がらない! こんなことになるなら安定させる為に装備魔法削るんじゃなかったよ! ……こうなったら最後の賭けだ!)

「リバースカードオープン! 永続罠『リミット・リバース』! 墓地の攻撃力1000以下のモンスターを攻撃表示で特殊召喚する! 俺は、墓地のモバホンを攻撃表示で特殊召喚する!」(龍矢墓地8→7)

「その様子だと、目当ての装備魔法は手札に持ってこれなかったみたいだな。なら、その最後のギャンブルで勝ってみせろよ!」

「言われなくても勝ってやるよ! モバホンの効果発動! ダイヤル〜オン!」

ピポパとモバホンのダイヤルが点滅する。それを、固唾を飲んで見守る龍矢。そして、江崎。

(5か6。最低でも4か3が出てくれれば、まだなんとか……!)

そう不安がる龍矢に、声は語り掛ける。

(大丈夫だよ、きっと出来るさ。例えどんな結果になっても!)

ダイヤルが止まったのは、なんと1。これに龍矢は驚愕する。

「だ、ダメじゃん……これじゃあモンスターを出せるかどうか……」

(心配しないで、きっと行けるから……)

「ほ、ホントだよな……行けっ!」

カードを1枚めくる龍矢。すると、そこにあったカードは……。

「……うわっ! これは……よし! 俺はチューナーモンスター、レベル3の『D・リモコン』を、守備表示で特殊召喚!」

「ここで、そのチューナーモンスターを出すだと!? ということは……!」

「そう! レベル1のモバホンに、レベル3のリモコンをチューニング! 科学の粋を集めた武器よ! 今こそ戦場のモンスターに力を与えよ! シンクロ召喚! レベル4『アームズ・エイド』!」(龍矢墓地7→9)

現れたのは、手のような機械モンスター。そして、龍矢は。

「行くぞ! 『アームズ・エイド』を、『パワー・ツール・ドラゴン』に装備!」

エイドが分解されると、パワー・ツールの右手に装着される。すると、攻撃力が1000アップして、3300になる!

「攻撃力が上がっただと……?」

「『アームズ・エイド』は、モンスター1体の装備カードとなり、攻撃力を1000アップ出来る! そして、アップしたパワー・ツールで、VWXYZを攻撃! クラフティ・アームズ・ブレイク!」

攻撃力の上がったパワー・ツールが、右手のエイドでVWXYZを破壊する!

「ぐぅっ! だが、VWXYZが……だが、VWXYZを破壊しただけだ! まだ俺には……」(江崎墓地8→9)(江崎ライフ1700→1400)

「……『アームズ・エイド』を装備したモンスターが、モンスターを破壊して墓地へ送った時、その破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える!」

「ということは、俺は3000のダメージを……そうか、負けたぜ……」(江崎ライフ1400→0)

「あ、お、俺……やった! 勝ったーっ!」

最強のモンスターを出され、あわやここまでと思われた龍矢。しかし、まさかの大逆転で勝利を収めたのであった……。